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 王都外食デビュー。で、波乱

 スカイメインの二階の転移部屋に出て、リッシュが扉を開けるとオーナーの女性と給仕三人が傅いた。


 「ようこそお越しくださいました。アイファウスト王子殿下。

 わたくしはオーナーのクリアスカイと申します。後ろの者は給仕係でございます。以後お見知りおきを」


 「アイファウスト・カミミヤです。本日は宜しくお願いいたします。

 直って頂いて構いませんよ」


 「ありがとうございます」


 「こちらの方で全員なのですか?」


 「主人が厨房で下ごしらえ中です。

 種類が少ないのでご期待に沿えないかもしれませんがお許しの程を」


 「お腹がすきました。行きませんか?」


 「失礼いたしました。こちらです」


 「クリアスカイ。アルミスの件は後程で」


 「はい。はい


 「そんなに泣いていては仕事にならんぞ」


 「申し訳ございません」


 ぼろぼろと涙を流しながら歩くクリアスカイをよそにアイファウストは。


 (うおっしゃぁぁぁ。念願の。いよいよ念願の。生まれて初めて異世界の食堂で外食だぁぁ。

 うおぉぉ。超うれしぃぃ。めっちゃうれしぃぃ。めちゃくちゃ楽しみぃぃ)


 「アイファウスト・カミミヤ王子殿下。

 顔がにやけ過ぎですよ」


 「えっ?そうですかハルサーラ様」


 「はい。何か嬉しさがにじみ出でていますよ」


 「楽しみでは有りますよ」


 「楽しんでお食事をなさってください」


 「ありがとうございます。クリアスカイしゃん・・さん」


 「はい」


 スカッシュとアルミスが。


 「「かんだ?」」


 リッシュが。


 「おもいっきり噛みました」


 「あ”っ」




 着席し。


 「こちらがメニューになります。間もなくお水もご用意いたします。

 当店は鶏肉がメイン料理となっています」


 「うぅぅぅん。名称だけでは判りませんねぇ」


 「二、三品を除き、何処の店舗でも扱っておりますが?」


 「十年引きこもっていましたので世間知らずなんです」


 「も 申し訳ございませんでしたぁぁ


 「いえいえ。お気になさらず。すべてが新鮮ですごく楽しいのですよ」


 スカッシュがメニュー表を見ながら。


 「お母様。六人おります。全てで十品。全てお願いしては?」


 「そうね。取り分けていただきましょうかアイファウスト王子殿下」


 「いいのですか?」


 「構いませんよ」


 「いやったぁぁ。あっ。ありがとうございます」

 (嬉しさのあまりやっちまったぁぁ。スキルさん仕事してぇぇ)


 「とっても、お可愛いです。今、仕度いたしますので少々お待ちください」




 料理を乗せたワゴンを給仕の三人が押して三台が来て、その前を歩いて来た男が。


 「お待たせいたしました。

 わたくしここのコック。クリアスカイの夫でシーカームと申します。以後お見知りおきを」


 「アイファウストです。宜しくお願いいたします」


 「配膳を」


 「「「はい」」」


 「細かいご説明は抜きで、料理に名札をお付けしております。

 メニュー表と照らし合わせて、ご賞味いただけたらと思います」


 「お気遣いに感謝いたします」


 「料理も並びました。何かあればお声掛けください。では、ごゆっくりどうぞ」


 「ありがとうございます」

 (うひょぉぉ。どれも滅茶苦茶おいしそぉぉ。うぅぅん。いい香りぃ。

 クラウス君。自炊の時と全く違うんですが。


  『外食がなさりたい?

   何処の店もわたくし達が食している物と変わり映えいたしませんよ。

   それに料金を払ってまで食べる事もありません。勿体ないとまで思えますよ。

   Sランクのわたくしが色々誘われて食べて来ているのです。

   自分は食べて来ているからいい。と、仰いますか。

   でしたら、若様お一人でどうぞ。

   まぁ落ち着いて食べられもしませんし、周りも騒がしい。

   Sランクのわたくしが居るから?

   一般客に紛れていても周りはそんなのばかりですよ。

   そう言った経緯で、わたくしは外食を必要としていませんので』


 ってさぁ。

 俺一人で行けない事をしってて言うんだもんなぁぁ。

 クラウス君。ここ滅茶苦茶静かだよん。

 前世以来の外食を楽しんじゃうよん。でへっでへっ)


 そんな事を考えているうちにハルサーラが。


 「アイファウスト王子殿下。おとり分け致しました。細かい考察は後で、先ずは頂きませんか?」


 「はい。では、いただきまぁぁす。先ずはこの焼いた物をあぁぁ・・ああん?」


 入り口の扉を激しく殴りつける音が響き、扉の外から怒鳴るように。


 〚おぉぉい。休日なんて聞いてないぞぉぉ。開けろ。開けんかぁぁ〛


 (食べられないじゃぁぁん。あ”ぁぁぁグラウズぅぅ。ぐすん)


 「申し訳ございません。今、静かに致しますので」


 「クリアスカイさん。何方です?」


 「はい


 シーカームが。


 「わたくしから。

 この辺りで幅を利かせている、中堅のイギノット商会の頭取でホラノベール・アジキ。

 バックに男爵の影がちらほら。

 それもあって手を焼くほどの横暴。警察が民事介入できないことをいいことにギリギリで悪事を働いています」


 〚居るんだろう。開けんかぁぁ〛


 「アイファウスト王子殿下。実はお食事の後にご相談に乗って頂こうと思っておりました」


 「ハルサーラ様。この件でですか?」


 「はい。実は・・・


 〚いい加減に返事しないかぁぁ。やれぇぇ〛


 〚うぉりゃぁぁ〛


 「扉をぶっ壊しやがった」


 「ハルサーラ様。滅茶苦茶頭に来ました。許しません」


 「お願いしても?」


 「はい。お任せください。身分を明かすことなく出来ます。

 シーカームさん。あの輩の苦手の者は?」


 「男爵以上の貴族。王城勤務者」


 「他国で一番見慣れないのは?」


 「トウショウ王国の貴族」


 「騙すの有り?」


 「矛盾が起きぬのであれば、御心のままに」


 「全く問題は起きません。ああ言った輩は徹底的に騙しでも叩き潰しましょう。

 アルミスさん。手伝っていただけますか?」


 「はい」


 「すこぉぉし魔力をお借りますね。えいっ」


 「あぁぁ。これは教会の近衛公安の軍服。名前が替わってるルミアス」


 「はい。スキルアップで他の方も出来るようになりました」


 スカッシュが勢いよく手を挙げて。


 「はいっはいっ」


 「スカッシュさんどうぞ」


 「お姫様に成りたい。金髪縦ロール」


 「初めからそのつもりでご用意いたしました。

 はい。これでいかがですか。僕が着ていたドレスを外出用にアレンジいたしました。

 とある国の伯爵家のご令嬢。お忍びで見識を広める外遊中のマーガレットお嬢様ですが?」


 「スカッシュ。よね?」


 「はい。お母様」


 「お化粧まで。活発なお嬢様です事」


 「おほほほほ。ですわ」


 「では、僕も。えいっ。

 マーガレットお嬢様はこちらで。

 デービッシュ殿はマーガレットお嬢様の護衛を」


 「了解」


 「リッシュ殿はハルサーラ様のお傍を離れないように」


 「はい」


 「シーカーム様と給仕のお方三人は厨房の方へ」


 「了解」

 「「「はい」」」


 「クリアスカイ様。ルミアス。わたくしに合わせてください。行きましょう」


 「はい」「はい」

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