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 十年目にして真の教会の建立許可

 金貨からエルファサの声。


 {『えぇぇ?何でぇぇ?』ではないわ。

 アイよ。お主はクラウスと同じで頑固過ぎだ。ボッチを好み、女を避ける性格はイサムそっくりだ。サチのように柔軟には成れぬか?

 そんな事をしていると何れマッドジョイのようになるぞ


 「なりませんよぉぉだ。べぇぇ


 {全く変わらんなお主は。

 国を取れとは言わぬ。お主の望みだからな。

 しかしだ。王子殿下の肩書で女を侍らせるぐらいの度量持ちに成れんのか?}


 「いやですよぉぉ裏切られるの怖いもん。父さんと全く正反対の僕みたいな、へなへな性格と体格でもてる訳ないじゃないですかぁぁ


 {全くクラウスはどう育てたんだぁ


 「見ていたくせにぃぃ。で、こうなりましたぁぁ。うぇぇぇい。

 だいたい女神は何でそこに居るんですか?」


 {わたくしがアイの居るその様な場所に短時間しか居れぬことを知っておろうが}


 「いやいや、何で地上のお方の中に堂々と降臨なさっているか。ですよ」


 {お前がわたくしやイサム、サチを泣かせたからではないか}


 「知りませんよ。そんな事。いつしました?」


 {まぁよい。わたくしはハルサーラ一族をアイの保護者として認めた。

 お主に試練を与える。

 今日から最低一週間この者達と暮らせ。住処はハルサーラに任せる。

 その間に逃げ出したらお仕置きを与える。海底一万メートルからの帰還


 「死んじゃうぅぅ。あれマジで死ぬんですよ。知ってます?悪い事してないのに三回もやられましたよ」


 {お黙りなさい。三回もわたくしのスカートをまくったのはどこの悪ガキですか}


 「あ”」


 {懲りずに三回も。お嫁に行けなくなりましたよ}


 「父さんが好きだけど母さんが許してくれたら


 {おやめなさぁぁい。もう、どこで情報を仕入れてくるやら}


 「天使のマリちゃん」


 {わたくしより上位の天界のお方ではないですか。いつの間に仲良く}


 「内緒です」


 {まぁいいでしょう。試練は受けてもらいますから。今この通信は先程来からここの皆が聞いています}


 「えぇぇぇ。うっうん。そうですか」


 {遅い。猫被ってももうバレました。みんなが泣き笑っていますよ。

 さぁここからどう復活するか楽しみです。

 はい。いらっしゃいアイ


 「むぎゅぅぅ。ぐるじぃぃ。勝手に転移させないで下さい。女神様」


 「あらあら。呼び捨てではないのですね。こんなに冷たくなっちゃって、わたくしのアイ」


 「試練は受けます。苦しいので放してください。皆さんが見ていますよむぎょぉぉ」


 「構いませんよ。可愛くて仕方ないのですもの。

 次はいつ会えるか判らないのですよ」


 「ついこの間頭をぽかぽか殴られましたが?」

 (木こりに着替えよっと。そりゃっ)


 「もう、お着替えが上手ね。

 あれは愛の鞭です。受け入れなさい。あらもう時間なの。

 皆の者。アイファウストを頼んだぞ」


 「承りました」


 「ハルサーラ。これをよく読んでおけ。それを読み終えてから入国させよ」


 テーブルの上に書籍が出た。


 「畏まりました。

 エルファサ女神様。一点お願いを」


 「手短に」


 「エルファサ女神様にお会いできた事。この上ない喜び。周りの者に話しても良いでしょうか?」


 「アイファウストの件ではない事。自慢ではない事。わたくしが常に地上を見ている事を話さぬのなら認める」


 エルファサ女神の胸に顔を埋めるアイファウストが。


 「女神様。それ話すなって言ってる。だれだって超美人のエルファサ女神様にお会いしたら自慢したくなる」


 「もう可愛いわねぇぇ。超美人?」


 「母さんの次」


 「うぅぅ認めざるを得ないわね。アイはどうしたいの」


 「そうですねぇ。今こちらに顕現されたと言う事は女神様はハルサーラ様一族を認めた」


 「そうですよ。この地上でこの者たち以外にアイを任せたくは無いとまで思っていますよ」


 「ハルサーラ様がとってもお気に入り?」


 「勿論ですよ。イサム。サチ。アイの次に来ますよ」


 「でしたら決まりですね」


 「あら、珍しい事ね。どうしたのかしら」


 「ここに女神様の銅像か何か立てて、十年目にして真のエルファサ女神様の教会を建てる。お金頂だい」


 「なるほどですわ。いいわよ。テーブルに置いたわよ。金貨千枚。あとそうねぇぇ何が欲しい?」


 「女神様のクリスタル像等身大。後、たまに降臨して神託。真の教会なら全く疲れない。またお願いする。また超美人の女神様に会える。超嬉しい」


 「もうアイは超天才。クリスタル像はこれでいい?」


 「胸が違う」


 「なにかぁぁ


 「あれ母さんの胸」


 「少し盛った事は認めるわ。あれで許して」


 「解かった。収納」


 「そうだ。皆聞け。アイファウストは初代神官長。不動の地位。ハルサーラを大司祭とする。アイが渾身の思いで助けたアルミスは特別階位司祭とする。

 詳細は経典にて後日この部屋に置く。

 わたくしの許可有るまで他の地で教会の建立は許さん。

 これで自慢できるか?」


 「自慢することは御座いませんが、お会いできた事。ご寵愛を受け神託を受けた事がお話しできます」


 「うむ。本来はあの時に


 「エルファサ女神様」


 「そうだったな。すまぬハルサーラ」


 「いいえ。これもこうしてアイファウスト王子殿下と巡り合わせのため。そう思っております。あの人を良しなに」


 「判っておる。皆を含め、既にだ」


 「ありがとうございます」


 「何のお話しですか?」


 「わたくしがハルサーラを。ここの皆を愛しているという話しだ」


 「なるほどぉ」


 「アイ」


 「はい」


 「わたくしの新たな教会のシンボルを考えてくれるかしら?」


 「あのクリスタル像を十センチにしたクリスタルのペンダント。両手で受けた掌に三つのミスリル玉を見つめる超美人の女神様。今作りました。

 ミスリルの意味は秘密。

 お風呂も大丈夫。誰にも盗まれない。紛失しない。邪な者が良からぬ事をしようとしたら体内の魔力で自身が燃える。絶対に燃え移らない。焦げる事も無い。触っても熱くない。でも消し炭になる。

 大司祭のハルサーラ様はこれ。18金のネックレスタイプ。

 特別階位の司祭アルミスさんはシルバーのネックレスタイプ。

 女神様が口づけする事とで加護が発生する。

 これでどうですか?」


 「素敵よ。花丸二重丸。よくできました。わたくしからのご褒美」


 「うんんんん。

 女神様が渡してあげて。抱いている手を緩めないとできない」


 「しかたないわね。ハルサーラ。わたくしの前に傅きなさい」


 「はい」


 「汝に大司祭の地位を与える。女神エルファサの教えを民に伝えよ。異論は無いか?」


 「御座いません。謹んでお受けいたします」


 「首にかけおでこ口付けをする。精進せよ」


 「はい」




 「アルミス。そのままで良い。首だけ前へ」


 「はい」


 「ハルサーラに申したことと同じ。異論は無いか?」


 「御座いません。謹んでお受けいたします」


 「首にかけおでこ口付けをする。精進せよ」


 「はい」




 「直って良いぞ」


 「「はい」」


 「アルミス。完全回復を施した。

 日常生活に戻って良いが、注意は怠るな」


 「ありがとうございますぅぅ」


 「アイファウストが助けると決めたのだ。わたくしもその思いになって当然だ」


 「えぇぇまた抱き着くんですかぁぁ女神僕より頭一つ高いから顔が胸にむぎゅぅぅ


 「アイが助けたチェルッシュ達にもわたくしの祝福を授けよう」


 「ふぁりふぁとうふぉざいまふ」


 「ここの国王ノネジット・ファウス・ノルトハンにはわたくしが威圧を込めて知らせる。邪な事を考えた時点で殺す。

 マルック」


 「はっ」


 「賊が大挙してくるからな。暇じゃなくなるぞ。心してかかれ」


 「心得ました」


 「国王にはお前達十名を教会神聖軍として名乗るように言っておく。お前たちの働きに二人も感謝しておるからな」


 「有りがたき幸せ。皆も喜びます」


 「今度は何ですか?マルック隊長とお知り合いだったのですか?」


 「ドラゴンから村人を命懸けで救った事。イサムとサチが喜んでおる。いい者に巡り合えたと」


 「でしょぉぉ。マルック隊長もアルミスさんもとっても素敵でカッコいいんですよ。もうねぇ心底尊敬しちゃいましたぁ」


 「アルミスを泣かせるではない」


 「あっ。ごめんなさい」


 「いえ、失礼いたしました」


 「そうか。アイはそこまで思っておるか」


 「はい。大好きですよ」


 「マルック。お前は神聖軍騎士団長だ。女神の威厳を以って何者の異議申し立てを受けぬ立場にする。

 アイ。これでいいか」


 「はい。お願いします」


 「判った。最大お前を含め十五名とし。二週間後以降からその下に三十名の騎士隊を創設せよ。詳細は後日届ける。

 アイとハルサーラ。妻でもあるアルミスを守れ。そして、しかと励めよ」


 「はっ。有りがたき幸せ。精神誠意精進いたします」


 「デービッシュ」


 「はい」


 「ギルドにここへ支店を出すように申し伝えよ」


 「はい」


 「ハルサーラ。新教会の出入りの商会はエマルサーラ商会のみとし、ここはお前の商会を中心に発展させよ。

 何と言ってもアイファウストが作る街だ。

 これはわたくしの可愛いアイを受け入れてくれるまぁエコ贔屓だ。お主の両親を蔑み死に追いやった奴らを踏みにじってもいいぞ」


 「ありがたき幸せ。精神誠意尽くさせて頂きます」


 「直接は手を下すな。周りからじりじりが良い」


 「畏まりました」


 「頼んだ」


 「はい」


 「アイ。わたくしはもう行くぞ。寂しくは無いか?」


 「大丈夫でんんんんんんんまたですかぁんんんんん愛情表現激しくありません?」


 「普通だと思うぞ。なぁ皆」


 「はい」


 「えぇぇ


 「女神様」


 「どうしたデービッシュ」


 「こちらを」


 「この大きな木箱は?」


 「保冷付きの箱です。中にイチゴの三角ショートケーキが三十個入っております。

 天界でイサム陛下とサチ妃殿下でお召し上がりください。

 箱の中の横に高級茶葉も入っていおります。ご賞味ください」


 「うむ。頂いて行こう。これはどこのだ?」


 「ハルサーラの長女ユイミナ。わたくしの妻が作っているものです」


 「ふむ。後程感想をアイに伝える」


 「ありがたき幸せ」


 「では。んんんんんまたなアイ」


 「ご苦労様でしたぁぁ」




 「アイファウスト王子殿下」


 「わぁぁ皆さぁぁん、跪いて何にしてるんですかぁぁ。

 あのっお腹空きました」


 「はいっ」

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