メルーナの思惑
一行が階段を降りてくると。
「お兄さぁぁん」
「メルーナちゃん。いらっしゃい」
「お兄さん。そのお姉ちゃん。誰?」
「僕のお知り合いのカスミナさん」
「そうなんだぁぁ。お知り合いでぇ腕に抱き着いてそのチョーカー?」
「あのっそうだね」
メルーナは隣りのバッシュを見上げて。
「お兄ちゃん」
「ちょっお前まさか。はぁぁ思い通りに成ると良いな」
「うん。ありがとう。
そちらのカッコいいお兄さんは?」
「わ わたくしですか?わたくしエウマイアーと言いますよ。メルーナちゃん」
「その場所に立てると言う事はお兄さんより偉い人?」
「まぁ横には立っていますがそうなりますよ。何か?」
「地位か肩書はお持ちなのでしょうか?」
「ノルトハン王国の王都ギルド本部のギルド長ですよ。解りますかねぇ」
「この大陸のギルドで一番偉い人」
「えぇぇまぁそうなりますねぇ」
「このギルドも管轄下」
「そうなりますよ。難しい言葉をよく知っていますねぇ」
「あぁぁ十一歳の子供のわたしの魔法が暴走したぁぁお兄さぁぁんズボンも靴もびしょ濡れぇぇ床も一面水浸しになっちゃったぁぁどうしよぉ弁償するお金なんて無いよぉぉ」
「えぇぇぇぇ
マルコに抱き着いていたカスミナが。
「色んな意味でやってくれたわねぇメルーナちゃん」
「お兄ちゃんどうしよう。お金無いよねぇ」
「エウマイアーギルド長。すまない。妹の不始末。支払う金も無い。どうか二人のこの身で支払わせてはくれないだろうか」
「「「「あたし達からもお願いだぁぁ」」」」
「濡れたぐらいで命まで取るとか言わないよねぇ」
「あたしらもお金なんて無いよぉぉ。メルーナちゃんを代わりに持って行っておくれぇ」
「魔法で乾かしますから大丈夫
「マルコ君。少女の魔法の暴走と言え不始末は弁償に値します。
ざっと見積もって床の修繕費だけでも金貨五十枚は下らないでしょう。
お二人は払えない。お仲間も払えない。ならば奴隷となる選択肢しかありません
「えぇぇぇエウマイアーギルド長ぉぉ乾かしますから
「魔法によって壊れた物を直せばそれで罪が無くなるとお思いですか。謝って済むなら警察はいりませんよ」
「あ”ぁぁぁぁ。でも、故意では無く過失ですから謝罪で
「魔法での事故は軽微であっても人的被害。物的被害を含め登録があろうが無かろうが業務上過失罪に問われます。最高刑は死刑ですよ」
「あんぎゃぁぁそうだったぁぁぁ」
「ギルドが奴隷を保有する事は特例時しかありません。
よって、直接の被害を受けたマルコ君に奴隷として管理してもらいます。仮のギルド長ですからわたくしの指示止まりになります。
しかし、支払えないのなら強制労働や国家の認定の在る娼館に売り払う事になります。
兄のバッシュさんは未成年の監督責任。お二人共いいですね」
「マルコ様。俺は何処でも働ける。妹だけでもどうか。どうか
「二人共ぉ何で土下座しちゃってるんですかぁぁ
「おいおいマルコ君。ここまでしているのに拒否はしねぇよなぁ」
「ゴートスさぁぁん
「こんな可愛い子を娼館に・・天におわしますエルファサ女神様がお知りになったらお嘆きにお成りになるでしょう。オヨヨヨ
「リルファンさんまでぇぇもぉぉってぇぇエウマイアーギルド長ぉぉなんでチョーカーを用意しているんですかぁぁ
「娼館?」
「「「「マルコ様。ひでぇぇ」」」」
「あ”ぁぁぁ判りましたぁぁ。解りましたよもぉぉ。
バッシュさんいいんですかぁ?」
「頼みます」
「もうぉぉはいっ。これからお願いしますね」
「ありがとぉぉ」
「メルーナちゃん。計算通りに成りましたか?」
「はい。あぁぁいえ」
「はぁぁ」
「私を救いに来てくれた私の白馬の王子様。ですよね」
「えっ?」
「エルファサ女神様とのキス。見ちゃった。てへっ」
「見られていましたか。仕方ないですねぇ。
きのう会った時からこうなる未来が見えていたんですよねぇ」
「嫌でしたか?」
「そうでは無いですよ」
「私を助けに来てくれた王子様ではダメ?」
「そうなってしまいましたね」
「えへっ。大好き」
「えっ?抱き付いては・・・署長はいませんよね」
「うおふぉん」
「エウマイアーギルド長ぉぉ何ですかそのロリコン認定書ってぇぇ
「こちらにサインを。全世界の少女に注意を
「しませんよぉぉ違いますぅぅ。
はぁぁ。向こうに行くにしても、お家でメルーナちゃんをお一人で放置はできませんからね。
メルーナちゃんを他のお方に渡したくないのも事実ですから。これからよろしくね」
「やったぁぁぁこれで一生離れないぃぃ」
「ふがっ
「また抱き着かれたのですね。はい、上級ロリコン認定書
「違いますぅぅ
「メルーナ。あたしが先輩よ」
「カスミナお姉ちゃん。これからよろしくお願いいします」
「きゃわいぃぃぃ。うん。宜しくね。おいで」
「だっこぉぉ」
「ひゃわぁぁ。きゃわゆいぃぃ」
「あはっ」
「で、エウマイアーギルド長。お幾ら?」
「マルコ君の魔法でもう乾いていますので、今回は様子見と言う事で。もし、この水浸しが原因で何か問題が起きれば請求致しますよ」
「はぁぁありがとうございますぅぅ・・・ん?」
「どうしましたか?」
「エウマイアーギルド長様。業務上過失罪は何処に行ったのでしょうか?」
「ああ。わたくしの勘違いです」
「ええ?」
「ほらあそこ。Gが居ました。死んでいます。
害虫駆除が行き過ぎた。逃げ惑うG相手には仕方ない事ですね」
「それでも過失でよね」
「わたくしが訴えなければ罪には問われませんよ」
「何じゃそりゃぁぁ」
「ああ。メルーナちゃんが娼館に行けば良いとそう
「言っていませぇぇん」
「契約は完了。どうにもなりませんね
「何でじゃぁぁ
「主。お話し終わった?」
「はい。終わりました」
「メルーナちゃんの事で相談があるんだけどぉぉ」
「いいですよ。行きましょう」
「お兄さん。わたしの事で怒ってなかった?」
「全然怒ってなんかいませんよ」
「「本当にぃぃ?」」
「本当ですぅぅ」
三人は食堂近くの隅に向かった。




