掃きだめ地区を出る会議
「皆の者。わたくしは創世の女神。エルファサだ。宜しくな」
「は はぁぁぁってぇぇぇぇ?」
「俺、口が悪かったから殺しに来たのかぁぁ
「あなたぁぁ」
「何を言うかゴートス。アイファウストに楽しく美味しい食事を提供してくれたことに、わたくしは感謝しておるぞ」
「勿体無きお言葉ぁぁ。ありがとうございますぅぅ。って、十年前の同じ女神様」
「そうだぞ。この大陸の全てを破壊したあの時の女神だぞ。
その一件では皆にも苦労を掛けた。すまない」
「「「「おやめくださいぃぃぃ」」」」
「いやいや。これは謝罪だ。破壊をしに来たわけではないぞ」
「「「「その謝罪の方ですぅぅ」」」」
「面白い奴らだな
「「「「エルファサ女神様の方がぁ」」」」
「わたくしがか?まぁたまにイサムやサチにそう言われるな。
すまぬがキャトル。茶を貰えるか。皆も席に着け」
「「「「はいぃぃ」」」」
「じろじろ見られるのはごめん被るが、意図せず。もしくは会話の時は直視して構わぬぞ」
「「「ありがとうございますぅぅ」」」
「滅茶苦茶美人」
「あなたぁぁ
「ゴートス。ありがとうな。
だがなサチには負ける。なぁリルファン」
「返答に困ります」
「いいぞ。遠慮することは無い。ああ、両方は認めぬぞ」
「あくまでも個人の見解です。サチ妃殿下にはお可愛いが入ります」
「そこなんだよ。同等であってもサチは可愛いんだよ。美人と可愛いを備えているからわたくしは負けるんだよなぁ。
可愛いの評価のどの部類だ」
「愛くるしい」
「あぁぁぁそうなんだよなぁぁ。少女の様な可愛らしがあるんだよなぁ。あれは真似が出来ん。雰囲気すら出せぬ。
まぁしかたない。甘んじてサチの次を認めようではないか。
良かったなマルコ」
「僕は端っから母さんが一番ですよ」
「子供目線だろう」
「大人目線ですぅぅ」
「また憎まれ口を叩きよって。まぁよい。認めようではないか」
「粗茶でございます」
「キャトル。一つ聞くが粗茶をマルコに出したのか?」
「とんでもございません」
「一つ一つに謙遜はいらぬ。良いな」
「はい」
「うまいぞ。良い頃合いだ」
「ありがとうございます」
「それでマスミカット。
レラウエアーを実子にする件だが、この用紙にドアホウのサインとお主のサイン。それとこの金貨五十枚を持ってパナイジーのエセ教会のクソ野郎司祭
「エルファサ女神様。リクソールヤーロ司祭ですよ」
「そうだったかアイ?」
「そうですよ。女神様が汚い言葉使っちゃダメです。メルーナちゃんが寝ているからいいようなものの」
「可愛い顔をして寝ておるの。幸せそうで何よりだ。判った。気を付けよう。
その用紙にレラウエアー。本名のヒスイスの承認のサインを記載。
そいつの元に行け。即受理され、明日からお前の実子になる」
「ありがとうございます」
「それで、わたくしからお願いだ。明日、そのままヒスイスの名をレラウエアーに変更してゴートスとキャトルの養子に出せ」
「完全に貴族界から抹消させると。そして辺境伯から更に遠避けろ。と」
「それも有る。もう一方のカルクスッタ商会からもだ」
「承りました」
「あなたぁぁ「良かったなぁ」
「マスミカット様。ありがとうございます」
「いえいえ。感謝しているのはわたくしの方でございますよ」
「創世のエルファサ女神様。ありがとうございます。地上のたった一人のわたくしにお慈悲を頂き感謝いたします。
その五十枚は必ずお返しいたします。
とても恐ろしいお方と学校で習いましたが、こうしてお話しをして言い伝えが全くでたらめと認識いたしました」
「まぁな。十年前はわたくしが愛して止まぬイサムとサチ。そしてアイファウストの事で怒りに我を忘れ見境無く破壊した。
今では反省しておるよ。自身で造ったこの世界の者達を悲しませてしまったとな」
「エルファサ女神様ぁぁ何と慈悲深いぃぃ
「レラウエアー。それは間違いだ。自身で壊し、自身で修復して皆にそう言われては自作自演ではないか
「いえ。こんなにお優しいエルファサ女神様。それは全く違います。皆の認識が間違っているのです。
わたくしもカミミヤファミリー涙のバースデーを経験した教師から教わりました。エルファサ女神様は空恐ろしいお方で破壊の女神とも
「破壊したのは事実であり、隠す事の出来ぬ事象。今だ破壊された物は残っておる。その教師の教育は合っているぞ
「違いますエルファサ女神様っ」
「おっおう」
「教師たちは一貫して破壊された事実のみを誇大表現し、全面に打ち出し教えているのです。
それはあたかも自分達の幸せな生活を奪った凶悪の元凶の様に。
今、お会いして違う事が解かったんです。理解できたんです。
地上をマッドジョイとザイスターを信頼し、信用し、安心して任せていたのに・・・いとも簡単に裏切った。
それもアイファウスト王子殿下の五歳の誕生日と言う幸せな日に。
わたくしは許せません。許せるはずがありません。こんなに素敵なアイファウスト王子殿下。お父様とお母様の慈愛に満ち溢れた良いお方。
どんなにお優しい方達だったのでしょう。
わたくしは解かります。蔑まされ生きて来たこの身ですから。
申し訳ございません。身勝手を申しました」
「レラウエアーちゃん。わたくしはイサム陛下とサチ妃殿下に直接お会いして、お話しもしました。
この世界に来てたった二年の目の事です。
その時思いました。この世界で生まれ育ったお方達では無ないのに、何故ここまでこの世界の民を此処まで思うのか。
何故ここまで懇切丁寧に時間をかけ、同じ質問にも何度もお答えいただけるのかと。
この王国の国王ですら、貴族や官僚ですらしない事を。
サチ妃殿下は仰いました。異界の地から来た自分達を迫害すること無く受け入れてくれたから、だと。
それはエマルサーラ商会に向けられるお言葉のはず。ですがその慈悲をわたくしにまで。魔王戦に何も協力しなかったわたくし達まで
「リルファン。あの二人は今もなお、この地上に感謝しておる。お主達がこのアイファウストに優しくしてくれておるからな。なっアイ」
「はい。皆さんにお会いできた事を心から嬉しく思います。これからも宜しくお願いいたします」
「なぁぁ女神様ぁぁあいつ等を何で生かしておくんですかぁ、こんなに可愛い王子殿下を残さなきゃならなかったお二人が可愛そうでならねぇぇ可哀そう過ぎるよぉぉ
「すぐ横でお言葉覚え、走る事を覚え、いたずらを覚え、時には喧嘩も。お幸せな日々を送れたはずのサチ妃殿下が不憫でなりません」
「ゴートス。キャトル。すまんなぁ。
わたくし創世の女神の上位の神々の掟と言うものが有ってな。この地上に干渉できる限界と言うものが有るのだよ。
あの時やり過ぎてザイスターやリャクダソ。裏ギルドに加担した者をかなりを殺した。その件でお咎めを受けておってな・・。
あの者達は殺せない。殺しても地上の物理的事象に対して何の意味も無い。わたくしとて憎い。憎いのだよ。アイファウストが不憫でならんのだよ。解ってはくれぬか」
「あぁぁぁ「わぁぁぁ「女神様ぁぁ」
「ゴートス。キャトル。リルファン。
イサムをサチをアイファウストをそこまで思ってもらい感謝する。
ここだけの秘密と言う、秘密とならん話しをする。
イサムとサチはわたくしの元で不老不死の状態で魂が存在しておる。
その魂でアイファウストとコンタクトも出来る。状況も揃えばこのような事もな。
三人にイサムとサチから感謝の書状だ。
他の者も読むと良い。キャトルとリルファン二人にそれぞれ渡す。同じ内容だ」
五人はその書状を読み、息が出来ているのか解らない程嗚咽になった。
「アイ。お茶を」
「はい。御代わりを注ぎます」
「良かったな。良い者達に会えて」
「はい」
「エルファサ女神様。アイファウスト王子殿下。わたくし貴族学校の小学部四年までの教師免許を取得しています。
教師に成りイサム陛下とサチ妃殿下の偉業と覇業。魔王からこの大陸を救い、困窮の民を救った偉大な国王陛下とお妃様であるかを。
そして創世の女神エルファサ様は如何に慈悲深く、お優しいお方で在るかを伝え広めていきます。
今ここでエルファサ女神様にお会いできた事。イサム陛下とサチ妃殿下の御心が知れた事。
これはエルファサ女神様のお導きと、それが使命と理解しました。わたくしはその為にここまで生きて来たのだと。
アイファウスト王子殿下。わたくしをどこかで教師にしてくれる学校は無いでしょうか。是が非にでもお願いします」
「レラウエアー。まぁ待て。話しには順序がある。
今はお主の身体の件だ」
「そうでした。申し訳ございません。
旦那様。奥様。これからも宜しくお願いいたします」
「ああ。任せておけ。後はアイファウスト王子殿下に気に入って貰えて嫁に行け。俺達も側に居られる」
「はい」
「えぇぇぇぇ
「あなた極端すぎます。時間をかけてゆっくりですよ」
「そうですね」
「えぇぇぇぇ
「まぁその辺りの話しも追々だ。
リルファン。アイファウストに付いて来てくれるか?」
「もうその気です。どちらに向えば良いのでしょうか?」
「皆聞け。マスミカットもいい加減そこに座れ。見上げなければならぬ、わたくしの首を殺す気か?」
「その様な事は微塵も思っておりません。失礼いたします」
「実はな。ノルトハン王国の東門の地にだな。十年目にして真エルファサ教会を建立した。
そこの神官長はアイファウスト。大司祭にエマルサーラ商会の頭取ハルサーラを据えた。
でな・・・・・
「「「「畏まりました」」」」
「リルファン。頼むぞ」
「承りました。お任せください」
「マスミカット。辞職は出来そうか?」
「事実を知る者を消そうとするでしょうから、向こうにしてみれば野放しにした方が都合がよいでしょう。
その後、ノルトハン王国に向えば行方不明でございます」
「それで良い。では、アイ。アイファウスト王子殿下が愛してやまぬわたくしは帰るぞ」
「判りました。どうぞ」
「アイからくれぬのか?」
「仕方ないですね。僕でも全てを終わらせる事が出来ましたけど、頑張っちゃいましたから
「酷い。少しでもアイファウスト王子殿下のお役に立ちたかったのに」
「アイファウスト王子殿下。めっ。ですよ」
「あうっ」
「リルファンの言う通りだぞ。めっ。っだ」
「判りました。メルーナちゃんは寝ていますね。はいうん」
「足らんぞうんんんんんん。満足した。では、お休み」
「「「「お休みなさいませ」」」」
「では、皆さん。明日に備えて寝ましょう
「エルファサ女神様とのキスまで見せられて寝られる訳ねぇぇ
「「「「うんうん」」」」
「マスミカットさんまでぇぇ?」
「明日の件他を詳しく話せぇぇ
「えぇぇぇぇ
「あなたぁぁ失礼ですよぉぉ
「キャトルさん。その方が都合がいいですよ。今まで通りで」
「判りました」
「決まりだ。ここで話せ」
「ゴートスさぁぁん。ベッドで安眠わぁぁ
「俺達が納得するまで、百匹数えても寝られねぇぇぞ」
「あ”ぁぁやっぱりぃぃ
(ゆっくり外泊の安眠がまたどこかえぇぇ)




