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 パナイジーの北の森で

 リルファンの推理が始まった頃。

ゲルゲットが。


 「えぇぇっとぉぉ。おいっ、おめぇら。ここは何処だ?」


 「さっきまで掃きだめに居ましたよねぇ。明るい所からいきなりで、真っ暗闇でよく判りませんが森ん中?」


 (あぁぁ言いやがったぁぁ。はいっ、悪党決定。もうね。基準はそこ。それ言ったら悪党。リルファンさん達は違いますよ。お住まいですからね。

 で)

 〚ゲルゲットさん。こんばんは〛


 「何処から声がする」


 〚ここはパナイジーの北の砦の門の更に北の森の中。

 そうですねぇ。北門から百キロ北西です。

 僕がドラゴン二体を倒したところですよ〛


 「マルコの声か?」


 〚さぁ誰でしょうかぁ。で、百匹のヒツジ亭に何の御用が有ったのでしょうか?〛


 「ゲルゲット。ヒツジが百匹亭のはずですが?」


 「俺の記憶もそうだ」


 〚あれぇぇ〛


 「でようマルコ君。自分でドラゴン二体倒した場所って言って、ヒツジが百匹亭に何の御用でしょう。って言っちゃぁぁおめぇがマルコって自白してるじゃねぇか」


 〚あ”ぁぁ〛


 「ゲルゲット。マルコって奴はアホなんですか?」


 「いや、頭良さそうに見えたんだがな。俺の慧眼も年食ったなぁぁ」


 〚酷い〛


 「姿を見せろ」


 〚嫌です。で、何の御用が有ったのでしょうか?〛


 「昼間の仕返しだ。一発殴らせるか一発やらせろ」


 〚やらせろって何ですか?〛


 「おめぇ女の経験は?」


 〚無いですよ。一度も。いけない事ですか?〛


 「十五歳でか。経験無し」


 〚うるさいですねぇ。良いじゃないですか。個人の自由ですよ〛


 「男とも無いのか」


 〚無いですよ。もぉぉ。

 それで十人も引き連れて?〛


 「バカめ。本当にバカだな。ここに居る奴らだけのはずがないだろう。

 こんな事も有ろうかと思ってな。ちゃぁぁんと残してきているんだよ。人質を取るようにな」


 〚なるほど。ありがとうございます。少々お待ちを〛


 「ゲルゲットのバカぁぁ。軽々と砦の結界を突破する転移ができる時点で、そんな事言っちゃぁぁダメに決まってるじゃないですかぁ」


 「あ”っ。で、でもよ


 「この中に百キロ以上も転移できる奴は一人もいませんぜ。みんな範囲外です」


 「こうも森が深くて視界が悪けりゃ有視界短距離転移も不可能。

 足場はぬかるんだ地面に腰までの草。

 逃げた方向もバレバレです」


 〚お待たせぇぇ。十人も居ましたよ〛


 「ゲルゲット。三人じゃ?」


 「バカぁぁ。正確な人数を言う奴がいるかぁ」


 〚それ言わなきゃいいのに〛


 「あ”っ」


 〚良かったぁぁ。三人ですよ。後ろに居ます〛


 「すまん。あっという間だった。本物のAランクは間違いない」


 「だろうよ。俺達をパナイジーの圏外迄飛ばして来たんだ」


 〚で、どうします?ここで殴り合いしますか?騒ぐと魔物達がやって来ますよ〛


 「だろうよ。プンプン臭いやがる。

 俺達が諦めたと言って許すのか?」


 〚それは無理です〛


 「だろうよ。どうする気だ」


 〚ギルドカードの剥奪〛


 「おめぇにその権利が在るのか?」


 〚ありますよ。エウマイアーギルド長から、パナイジーのギルドの臨時ギルド長に任命されていますよ〛


 「嘘だろう」


 〚ええ。嘘です。信じませんでしたね〛


 「バカかこいつ」


 沼地の中のゲルゲット達の少し前の岩の上にエウマイアーが立った。


 「またなんてことをしているんですかえぇぇっと今はマルコ君」


 「お おめぇまさか」


 「ノルトハン王国王都ギルド長エウマイアーですよ。そこからこのカード見えますよね」


 「何で居るんだよぉぉ」


 「何でって、こちらが聞きたいです。今夜こそゆっくり寝ようとしていたのに。

 どこかに隠れているマルコ君に連れてこられましたよ」


 「そ そんなに凄いやつなのか?」


 「そうですねぇ。ノルトハン王国のノネジット・ファウス・ノルトハン国王陛下とマウレス・ジルミナ宰相様と警察本部のジャックレイ署長。本名ジャックレイ・サツ・デカマッポウ騎士爵が頭が上がらないほどには」


 「ゲルゲット。体が拘束されて動けねぇ」


 「だなぁ。終わったぁぁ」


 「はい。冒険者としても人生としても、もう終わりですよ。

 十年前に存在した裏ギルドの装置を新たに作り、偽造ギルドカードを発行。

 それをノットエコと共謀してAランク偽造カードを発行、行使した。

 ヨハルジード・リックス・ビャウミャウ辺境伯も共犯のようですね」


 「ゲルゲット。もうバレバレですわぁぁ。あぁぁはっはっは。笑うしかねぇ」


 「全て吐く。司法取引は可能か?」


 「まぁ、内容次第でしょう。胸に手を当てて思い返せば、あなた達の罪の方が大きいとは思いますが」


 「なら何もしゃべらねぇ」


 「とても良い自白剤がありましてね


 「卑怯だぞ」


 「あなた方だけには言われたくありませんよ。

 で、マルコ君。どうします?」


 〚一旦行方不明。王都のギルドの地下牢で幽閉。事情聴取。

 ヨハルジードさんは生かさず殺さずで泳がせます。

 裏ギルドのカード発行機の場所はもう判っています。

 作った人も〛


 「判りました。どの様に帰れば?」


 〚僕が送り届けますよ〛


 「大変にお怒りですがどういたしますか」


 〚怒ってますよね〛


 「えぇそれはもう。やかんを見つめるだけで一瞬で沸騰しますよ」


 〚あぁぁぁ


 「まだ時間が必要なのですか?」


 〚上下弦〛


 「もうそこまで入り込みましたか。それで生殺し状態と言う訳ですか。

 判りました。宥めておきますが、出番は?」


 〚今はちょっとまだ〛


 「判りましたよ。寝られる時間を作ってくださいね」


 〚では行きます。転移〛


 「作る気ないぃあっ」




 「ただいまぁ」


 「お帰りなさぁぁい」


 「早かったなぁ。にしては全く汚れていない」


 「転移で森の中へ?」


 「えっ?リルファンさんどうして?」


 「先程までしなかった、魔物の匂いがしますよ。

 これでもイサム陛下とサチ妃殿下に直接大森林の木材を使った工芸品の技術継承を受けていますと申しましたよ。

 森の中へ入るのはしょっちゅうでした」


 「そうでしたぁぁ。クリーン。どうですか?」


 「メルーナちゃんも嫌な臭いで起きないでしょうね」


 「良かったぁぁ」


 「それで冒険者崩れは?」


 「もう大丈夫です。で、済ませてください」


 「判りました。お疲れでは?」


 「全く大丈夫です」


 「では、掛けてわたくし達への質問をどうぞ」

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