資質に欠けるAランクとマルコとリルファンの接点
食事の時間。
テーブルに所狭しと並べられた料理の数々。
「はぁぁ。そう言えば今日は何も食べていませんでした。
でも、とても美味しそうな食事にありつけました。
バッシュさんとメルーナちゃんもお昼を食べていませんよね」
「俺は食ってはいないが、メルーナはリルファンのところで食っている」
「お兄さん。これ全部食べていいの?」
「食べたいだけどうぞ」
「町のみんなは?」
(気遣っちゃうの?可愛い)
「もう直ぐ同じくらい一杯食べられるようにお兄さんが頑張っちゃう。フンムッ」
「可愛くて、頑張ってるように見えないぃ」
「だなぁ」
「バッシュさん。酷い」
「「わぁぁはっはっはっは」」
「じゃぁメルーナちゃん。食べようか」
「うん」
「いただきまぁぁす」
「お兄ちゃん。お兄さんなんて言ったの?呪文?」
「それ、トウショウ王国の」
「はい。気に入ってまして、これを言わないと食べられないような気がして」
「あのな。みんなで楽しくおいしく食べよう。命を提供してくれた食材に感謝。って言っているんだ」
「すごぉぉい」
「なるほどね。じゃぁ俺も
「わたしもぉ
「俺達もだな」
「「「「せいのぉ。いっただっきまぁぁす」」」」
「おいしぃぃ「おいしいです」
「だろぉ。俺の料理はうめぇぇぇ
「ヒツジが鳴いてるぅぅ」
「やっちまったぁぁ」
「「「あぁぁっはっはっは」」」
「さいっこうに楽しい食事会ねぇ。レラウエアー?泣いているの?」
「楽しくて美味しいお食事はさいっこうでぇぇす」
「「「「うめぇぇぇ」」」」
「ヒツジがいっぱいだぁぁ」
「「「「あぁぁぁはっはっはっは」」」」
賑やかな食事が終わり、メルーナはマルコが出した簡易ベッドで眠った。
大人達はお茶の時間になった。
「皆さん。お茶していてください。僕目当ての良からぬ冒険者が大挙してきました」
「どうせフリードッシュとゲルゲット。そのお仲間だろう」
「フリードッシュさんは居ませんねぇ。
ゲルゲットさんと他十名のAランクとBランクですね」
「マルコ君。こう言っちゃぁ何だが勝てるのか?」
「ゴートス。マルコ君Aランク。今日の昼間、ゲルゲットを言葉だけで吹き飛ばして泡吹かせた」
「そりゃ凄いねぇ」
「ゴートスさん。ゲルゲットさんは悪い人?」
「何でAランクに成れたのか判らねぇぐらいの悪党だよ。エルファサ女神様も何処を見ていらっしゃるのか」
「そうなんですかぁぁ」
「勿論エルファサ女神様を疑っちゃいねぇさ。お忙しいんだろうね。
ここら辺りの連中はみぃぃんなエルファサ女神様を怨んじゃいねぇ。むしろ感謝している」
「何故ですか?苦労していますよね」
「マルコ君。バカ言っちゃぁいけねぇよ。
イサム陛下とサチ妃殿下に悪い事をしたのは俺達の方だ。それでも殺さずに生かしておいてくれた。
苦労はイサム陛下とサチ妃殿下への贖罪だ。
いつか必ず俺達でアイファウスト王子殿下をお守りし、恩を返さねぇとな。なぁリルファン」
「はい。ゴートスの言う通りです。
今ここのみんなはアイファウスト王子殿下に恩を返すためだけに生き永らえています。
どうしてだと思います?
アイファウスト王子殿下がこの地のどこかで生きていらしゃるから、わたくし達は殺されずに済んでいる。
アイファウスト王子殿下のお陰でも有るのですよ。その恩を返さねばもっと最悪が訪れます。
何故ですか?苦労を。
その様な不敬な事を言ってはなりませんよ。幾らのわたくしでも怒りますよ」
「ごめんなさい。そんなつもりは全くありませんでした。僕もエルファサ女神様を心から愛していますので。
この歳まで許嫁すら居ないのはエルファサ女神様を愛しているからです」
「判りました。きつい事を言ってごめんなさいね」
「いえ。ありがとうございます。では、行ってきます」
「おいおいおいおい、ここから転移かよ。Aランクだってそうそうは居ねぇぞ。お貴族様か教会側か?」
「多分。アイファウスト王子殿下だからですよ」
「「えぇぇぇぇ」」
「「何ぃぃ」」
「リルファンさん。どいう事ですか?」
「レラウエアーちゃんは知らないでしょうね。
他の方達も。
わたくしはイサム陛下とサチ妃殿下に直接大森林の木材を使った工芸品の技術継承をイズ様と受けています。
バッシュのご両親を訪ねてきた時ですよ。
マルコ様はサチ妃殿下に瓜二つ。話し口調もお二人を足したようなお話し方。
仕草はお二人とクラウス様そっくり。
お忍びで名前と髪の色を変えていらっしゃるのでしょう。
恐らくギルドカードは何らかの方法で偽造されていると思いますよ」
「いいのかよそんな当てずっぽうで話しても」
「十年前は日常茶飯事でした。何ら問題は有りませんよ。
わたくしが話したことは内緒ですよ。
助けていただけなくなるかも」
「わかった。内緒な」
「「はい」」
「もし。もし、マルコ君がアイファウスト王子殿下だったら俺、死んじゃうかも。
本人にとんでもねぇ事言っちまったぁぁ。
そういやぁリルファン。さっき寄ったボック書店のビーボックも同じような事を言っていたぞ」
「ビーボックもサチ妃殿下と対面で話しをしていましたね。
何と言っていましたか」
「俺がやらかしたことも一緒に言うぞ。
あのなぁ・・・・




