ノルトハン王国 英雄達に正式謝罪文
翌朝の食堂。
近衛達が入って来て。
「ああ。アルファさん。おはようございます」
「木こり様。おはようございます」
「もう皆さんのお食事のご用意が出来ています。
ビュッフェスタイルなのであちらから順番に取ってお好きなお席へどうぞ」
「はい。ありがとうご・・・ん?」
「たいちょぉぉぉなんで木こり様がお食事をぉぉぉ
「あ”ぁぁぁぁ。何やっちゃてるんですかぁぁ木こり様ぁ
「えっ?お食事当番決めるの忘れていたからですよ」
「ベーーターー、ハルサーラ様をお呼びしろぉぉ
「念話でお呼びしましたぁぁ、今いらっしゃいまぁぁす」
ネグリジェにガウンを羽織ったハルサーラが息を切らして走って来て。
「何をなさっているのですかぁぁ
「昨日お食事当番を決めるのを忘れちゃいましたね。てへっ」
「てへっ。では、ありませぇぇん。
これ全部木こり様が?」
「はい。多分美味しいと思いますよ。
こんなに大人数分を作ったことが有りませんでしたから足らないかも」
「ハルサーラ様。
パンは焼き立て。スープは熱々。サラダからお肉料理。全十品。しかも大量」
「陶器のお皿がこんなに沢山」
「リンゴジュースまであるぅぅ」
「はぁぁ。なんてことを。
これを何時から」
「少し興奮するお話しを聞いて、眠れなくって
「昨夜から一睡もせず?」
「はい。どれくらい必要か解りませんでしたので、下ごしらえから順番に。
それにパンはやっぱり自然の熟成が美味しいですから
「そう言う問題ではありません」
「えぇぇ。ショックです。皆さんが喜んでくれるのかなぁと思って一生懸命に作ったのに。
生まれて初めてこんなに大勢で朝ご飯を食べられると思ったのに。すっごく楽しみにしていたんです。
ごめんなさい。独り善がりの出過ぎた真似を
「そうでしたね。家族を失って孤独な木こり生活」
孤独な木こり生活と聞かされている近衛達がしゃがみ声を出さずに泣いた。
木こりの素性を知る、蘇った者達も主に抱き着き泣いた。
ハルサーラは木こりを抱きしめ。
「ごめんなさい。そういうつもりでは無かったのですよ。
眠くありませんか?」
「ひゃい。ひっく。だ 大丈夫 ひっく です」
「わたくしも頂いても?」
「い 一緒に 食べて 食べてください」
「はい。ご一緒に食べましょう」
「ひゃい」
「ご自身で取ってお食べになりますか?」
「はい。足らなくなったら僕が作ります。楽しいんです」
「ではお願いいたしますね」
「はい」
「スカッシュ。アルミス。わたくしは着替えてきます。
木こり様とお食事をご一緒しなさい」
「「はい」」
アルミスが料理の並ぶテーブルを前にして。
「木こり様の一推しは?」
「朝から少々重いかもしれませんが、このミニハンバーグです」
「「「「ハンバーグぅぅぅ?」」」」
「「「「在ったぁぁぁ」」」」
「スカッシュさん、皆さんどうされたんです?」
「十年前にお亡くなりになったハンバーグ様です」
アルミスは鋭い眼光でハンバーガーを見詰め低音で。
「もう、食べることは無いだろうと、たかを括ったハンバーグ様です」
マルックは取る気満々でトングを持って、パチパチさせながら。
「木こり君よ。これぜってぇぇ足らねぇ。貰っていくぞぉ
「あなたぁぁぁ
「あぁぁぁマルック隊長卑怯ですぅぅ
「絶対に残しておいてくださいよぉぉ
「あ”ぁぁぁ取り過ぎぃぃ
「大丈夫ですよぉぉ材料はまだありますからぁぁ美味しかったら
つまみ食いをしたマルックが。
「うぅぅぅめぇぇぇこれだぁぁこれだよハンバーーーグ様ぁぁ。
いや。これは止めておいたほうが
「「「「木こり様ぁぁぁ絶対足らなぁぁい」」」」
「はぁぁい。作ってきまぁぁす。皆さんはお食べくださぁぁい」
「「「はぁぁい」」」
木こりが厨房に去ったあと、各席で頂きますの声が響き。
「ハンバーグ。美味しぃぃあぁぁ涙出てきたぁ」
「パンも柔らかぁぁい。ふわふわ優しい」
「スープと相性抜群。お料理の引き立て役ぅ」
蘇り達は。
「なななんだこれは。こんなにうまいものがこの世に存在していたとは」
「ハンバーグがめちゃんこうめぇぇ」
「お待たせいたしましたぁぁ。ハンバーグの御代わりでぇぇす。先程の倍ありますよぉぉ」
「「「「きいぃぃたぁぁぁ」」」」
「マックストールぅぅ。取り過ぎだぁ」
「さっきの兄貴より少ねぇ」
「おめぇの方が三つ多いだろうがぁ」
「「「隊長ぉぉ少し退いてくださぁぁい」」」
「あなたぁぁマックストールぅぅお退きなさぁぁい」
「「ひやぁぁ」」
「木こり様。何をなさっているのでしょうか?
スカッシュ。アルミス・・・・
「ハルサーラ様。お食事ってとっても楽しいですね。
僕も今から食べる所です。
一緒にお料理を取りに行きませんか?」
「はい。参りましょう」
食事も落ち着いた頃、木こりと同じテーブルのスカッシュが。
「木こり様。このハンバーグ、スカイメインで出してはダメなの?」
「残念ですがこちらに移転して来るスカイメインでは出せません。
今、スカッシュさんのお店は?」
「【暁のエマルミューズ・スカッシュ】。ビーナス様に販売権利を頂いた名物品店。大好評中。
マインシュお姉様は各所を回る外商商隊がメイン。その商材の購入」
「ベル・ユイミナと理髪店。
あれ?アルミスさんは?」
「わたくしは結婚するまで冒険者兼マインシュお姉様の護衛隊。
結婚してからは家事手伝いですね」
「お店はお持ちでは無いと」
「俺がよぉ嫉妬深くてな。誰かに取られるんじゃないかと束縛してんの。悪いこととは解っちゃいるんだがな。
こんな俺を好きになってくれる女なんてこの世界、アルミス以外居ねぇよ。だから離さまいと必死なの。解んねぇだろうなぁ」
「皆さん美人さんですもんねぇ。マルック隊長のご心配はごもっともですよ。でも、マルック隊長もモテますよねぇ」
「この人こうは言っているけど勝ち取るのに倍率高かったんですよ」
「いやあのなぁ
「でしょうねぇぇ。一時は英雄様でしたもんねぇ」
「ばぁぁか。その話しは無しだ」
「えっ?何でです。王城から謝罪と褒章と法衣爵位がもらえますよ。子爵様です。
ファーストネーム考えておいてって書状来ていませんか?」
「あ”っ。もしかしてコレ?」
「あなたぁぁ。それ見せてぇぇ」
「はい」
「はぁぁ。お母様」
「来ていましたねぇ・・・
「ご丁寧な謝罪と慰謝料金貨五百枚。他九名には金貨百枚の目録。
子爵となるファーストネーム。
マルック。いつ受け取りました?」
「きのうの夕刻」
「まぁいいでしょう。
それで木こり様。自治区となるここアキツシマでノルトハン王国の子爵をどう扱うのでしょうか」
「単純に、きのう取り決めた総督ジャックレイ・サツ・デカマッポウ騎士爵と交換条件と思って頂ければいいと思います」
「なるほどぉ」
「お母様。どう言う事なのでしょうか?」
「スカッシュはお勉強不足のようね。後でみっちり教えてあげるわよ」
「ひぃぃ
「呆けた顔のマルックもね」
「地位を授かる以上は必要な事。宜しくお願いいたします」
「そうねぇ、木こり様。そう言った方面の教師のようなお方が居るといいですね」
「やはり専属の専門家のようなお方が必要になってきますよね。
かといってどこかの国の役職のお方を引っこ抜く訳にもいきません。ハンバーグと一緒に少々考えましょう」
「俺達の先生役はハンバーグと同レベルかよ」
「それで、マルック。ファーストネームは考えたのかしら」
「いえ。全くちっとも。今知りました」
「今、思いつかないの?」
「えぇぇっとぉぉ。ハンバーグ?」
「あなたぁぁ。さすがにそれわぁぁ」
「事は早い方が良いです」
「マルックはそのままとして何でもいいのですか?」
「好きなように付けれいいのですよ」
「木こり君」
「えぇぇ?僕が付けるんですかぁぁ」
「頼む。俺は木こり君をやった。お前は俺にファーストネームをくれ」
「やった事無いのにぃぃ。マルックさんの出身地は?」
「王都の孤児院」
「さすがにそれわぁぁ」
「そこに拘らなくても、何でもいいのですよ。石ころでも。木でも。動物でも」
「それじゃぁぁですよぉぉ。
マルック・フォート・ウメサクラ子爵様。って、どうですか?」
「何か意味はございますか?」
「ウメサクラはウメとサクラ。二つとも木に咲く花の名です。どちらもとても可憐で美しいお花です。と、母から聞いたクラウスが言っていました。
サクラは聞いた事が有りますよね。お団子の時も出ましたし、金貨の裏のあの桜吹雪です。エルファサ女神様の御旗にも使っています。
母の居た日本国には花言葉と言う、このお花にはこういった意味が込められていますよぉぉ。って、クラウスが言っていました。
お花を誰かにプレゼントする時にわたくしはこう思っています。って言うメッセージを込めて贈るんです。
で、ウメの代表的な花言葉は【高潔】【忍耐】【忠実】【不屈の精神】。僕の中のマルック隊長のイメージです。
ハルサーラ様。いかがでしょうか。違っていますかね?」
「ピッタリです。今日の今まで、この十年よく耐えたと思っています。アルミスの件でも・・涙が出て来たではありませんか」
「良かったぁ
「何か照れるなぁ
「あなたぁ」
「おうっ」
「今度はサクラ。こちらはアルミスさんをイメージしています。
このサクラには沢山の美しい言葉が備わっています。
総じて言うと美しく、聡明で、心清らかで、優雅な女性。正にエルファサ女神様のようなお方。と言う意味です
「わ わたくしがですか?」
「はい。身を挺して子供を助けた。それだけで十分エルファサ女神様のようなお方だと僕は思っていますよ」
「お母様ぁぁあぁぁあぁぁ
「あぁあ。俺の美人な嫁さんを泣かせてぇ」
「その二つの美しいお花を繋げてウメサクラと」
「はい。一つの候補としていかがでしょうか」
「解かりました。フォートは?これもお花でしょうか?」
「フォートは砦です。
本当は東も入れたかったんですが、ゴロがあまり。
僕の勝手な解釈で名前の意味を申しますと。
不屈の精神と美しい女神様の様なお二方が守る砦のマルックさん。それとアルミスさん。こんな感じですかね」
スカッシュが。
「あぁあ。三人共泣いちゃった」
「あ あれぇ?」
「お義母上。これ以上の候補は無いんじゃないでしょうか」
「お母様。わたくしもそう思います。何よりもわたくし達をわたくしが大好きなお花に例えて頂けました」
「そうね。マウレス宰相様に意味も添えて送ってみましょうか?」
「「はい」」
「ではその時にサクラとウメの名称は全ての命名に対しアキツシマでアイファウストの許可を得た場合以外は、今後一切使用禁止も添えてください。
僕のメイド?のサクラは除外してください。それと申請受理以前で使用されていたお方も。
必ず使いたくなるお方達が出て来ます。エマルサーラ商会と混同すことも考えられますから」
「解かりました」
「はいっはぁぁい」
「スカッシュさん」
「マーガレットお嬢様のその花言葉と言うものは?」
「勿論ありますよ。
そうですねぇ。恋とか愛とかにまつわる物が多いのですが、スカッシュさんの場合ですと真の友情がピッタリだと思います。
シャラースシスターの時にそう思いました
スカッシュの目からブワッと涙があふれ出し、テーブルに突っ伏した。
「スカッシュお姉様ぁぁ
「あぁあ。今度は義姉上まで泣かせてぇぇ悪りぃぃやつだなぁぁ」
「ええ本当に」
「えぇぇ何でぇぇ?」




