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 東門で翼を広げる、サチの鶴翼の陣

 東門の救護所となったテントの東の森から、木こりが懸念した通りトロールやゴブリン。フォレストウルフが咆哮を上げながら寄って来た。


 「マルック隊長ぉぉ。お出ましだぁぁ」


 「ガーリッシュどの辺だぁぁ」


 「ここから真東。距離二キロの森ん中ぁぁ。

 通常個体のトロール。ゴブリン。フォレストウルフが合計八十。後続も居るようだぁ。

 アキツシマ自治区の制定を祝いに大挙してご挨拶にいらっしゃったぁぁ」


 「招待状をどこから手に入れたぁ。そりゃお出迎えせねばならんだろうなぁ。

 まだ移動が終わりきっていねぇのにぃ。

 かぁちゃん達は集落の人達を連れて門の中に入れぇぇ。

 治療途中でも構わねぇ。手が空いている者は移動を手伝えぇ」


 「「「了解だよぉぉ」」」

 「「担架を持ってこぉぉい」」

 「歩ける方は歩いてぇ」

 「時間はまだあるからぁぁ、慌てないでぇぇ」

 「ゆっくり行くよ」

 「すまないねぇ」

 「何を言ってるのさ。ゆっくりでいいよ」




 「新任五人は避難完了後門を閉めて門内側で待機」


 「了解。行くぞ」


 「セルファンお前は砦の中を警戒だぁ。

 手練れがおめぇだけになるぅぅ頼んだぞぉぉ」


 「りょうかぁぁい」


 ポコマイミの仲間は赤ちゃんと母親をアルミスとメイデスに預けたロレンとイーリスが加わって八人。

 ジム、チェルッシュの五人。

 ガーリッシュ四人。

 ガルカク兄妹三人。

 マルック隊長の十人。

 デービッシュ。ナルッシュ。

 合計三十二名。


 【サチの鶴翼の陣】

 魔物達相手の迎撃の陣形。

 横一列から二列に並んだ直線の陣形の中心で【自傷の鶴首】係がエリクサーを手に自傷行為を行い滴り落ちる流血の音と血の匂い。魔力の乱れを発する。

 ただの血液だけでは集中しないため、切ったばかりの出血と血が地面に落ちる音。魔力の乱れが必要だった。

 そこに集中してくる魔物達目掛けて遠距離攻撃魔法と弓で迎撃。数を減らし、距離の頃合いを見て短距離転移を使い【鶴翼の陣】を形成する。


 元々は魔王戦の時に負傷者満載の救護施設に魔物が集中して攻めて来たのが発端だった。

 血の匂いと弱者と認識した魔物が集まって寄って来る。

 その形のパターンは【魚鱗の陣】に近くなるのでサチが鶴翼の陣で迎え撃ったことに由来している。




 東門から二百メートル程の場所で【サチの鶴翼の陣】の横二列を形成した。

 【自傷の鶴首】の担当がマルック隊長。デービッシュ。ナルッシュの三人。

 両翼となる左右の横一列の前列は遠距離魔法が使える者と弓使い。

 後列に剣と短剣。槍使い。


 ガウレシア・ト・シャウトリーゼ辺境伯爵から急遽派遣された私設軍十名が東門の真ん前に並んだ。

 マルックが。


 「ひっさしぶりで身震いするぜ」


 「イサム陛下がよく言っていたな。『武者震い』って、興奮してアドレナリンが出るんだっけか」


 「デービッシュ義兄さん、アドレナリンの意味覚えています?」


 「てやんでぇ」


 「「忘れたな」」




 「マスケット。カスミナ。これだけの数は初めてだ。大丈夫か」


 「かなり訓練したから大丈夫だよ兄さん」


 「主の期待に応えなきゃ」


 「カスミナ、あたしの側を離れるんじゃないよ」


 「はい。シュベッタ姉さん」


 「姉御。今回は。長剣?」


 「あったりまえさね。ドンコが斧出しているんだぜ。あたしの方が短けりゃ負けちまうだろうが」


 「俺。短剣でも。負ける」


 「エリンキ。回復魔法用に魔法の使用は魔力の半分だよ」


 「任せておいて」


 「もう直ぐ森から出てくるぞ。ポコマイミ。そっちは大丈夫か?」


 「任せておきな。伊達にAランクのパーティーじゃないよ」


 隣のメリースが。


 「ポコマイミはずっとこう言った戦闘がしたかったんでしょぉ」


 「まぁな。

 イサム陛下とサチ妃殿下。クラウス様がどれ程のご苦労をなさっていたかを。その一端でも垣間見たかった。

 七十や百程度なんざ物の数じゃないだろうがな。


 マルックが。


 「ポコマイミ。メリース。これの百倍とは言わないが、何処の戦闘でも数で言えば五十倍以上だ」


 「「御見逸れいたしましたぁ」」


 「ただ、この程度と侮るな。心して掛かれ」


 「「了解」」


 「火魔法以外の遠距離攻撃魔法詠唱開始」


 「「「了解」」」


 「弓。用意」


 「「「了解」」」


 「ガーリッシュ。距離」


 「五百」


 「二百でカウントダウン」


 「了解」


 「デービッシュ。ナルッシュ。自傷」


 「「了解」」

 「「「うっ」」」


 三人は左腕を軽く切った。血が地面に滴り始め、魔物達の目付きが一気に変わった。


 「狂ってやがるぜ。

 ガーリッシュ。ヘイト」


 「了解。おらぁぁ、ここまで来いやぁぁ」


 案の定、魔物達は早い者勝ちの魚鱗の陣を形成しつつ涎を垂らしながら速度が上がった。


 「マルック隊長。十。九。八。七。六。五。四。三。二。一」


 「放てぇぇぇ」


 魔法のアイスランス。ダートランス。ロックランス。そして矢が機関銃の銃弾の様に先頭集団に襲い掛かり、瞬く間に魔石に変わっていった。


 「マルック隊長。残り五十。追撃三十」


 「魔法隊ぃぃ、まだ行けるかぁ」


 「「「「お任せぇぇぇ」」」」




 「先頭集団。距離五十」


 「弓攻撃。魔法攻撃止めぇぇ。鶴翼の陣。転移開始」


 「「「「了解」」」」


 「エリクサー」


 「「了解」」


 「後方のトロールは後回しだぁぁ。かかれぇぇ」


 「「「おりゃぁぁぁ」」」


 「カスミナぁぁ前だけ見て行けぇぇ」


 「はぁぁい。シュベッタ姉さぁぁん。そりゃぁぁ」


 「ポコマイミさんの。アイアライさん。後ろは。お任せ」


 「短剣だから助かる。ドンコさん」


 「ドンコカッコいぃぃ」


 「照れる。エリンキ。うりゃ」


 「ナルッシュ義兄さん、お疲れかい?そりゃぁ」


 「バカこくでない。この前のゴブリンの半分以下だ。楽勝だぁ。ほいさぁそりゃぁ」




 「マルック。撤退組が出たぁ」


 「デービッシュ義兄さぁぁん、何処だぁ」


 「右鶴翼の先だぁ。フォレストウルフ五体。戻って来ると厄介だぁぁ」


 「ジムぅぅ任せたぁぁ。深追いはするなぁ」


 「りょうかぁぁい。行くぞぉぉ」


 「「「「了解」」」」


 「アルッシュぅぅベルガーぁぁ穴埋めに入れぇぇ」


 「「りょうかぁぁい」」




 「ガルカクぅぅ、ガーリッシュぅぅ、ポコマイミぃぃ。トロール様達がご到着だぁぁ。包囲しながら三人でぇぇトロールに掛かれぇぇ」


 「「「りょうかいだぁぁ」」」

 「「「うりゃぁぁぁ」」」


 「義兄さん達ぃぃ、俺達もだぁぁ」


 「「りょうかぁぁい」」

 「「「そりゃぁぁ」」」


 「ロレンとイーリスぅぅ、二人でトロールに行けるかぁぁ」


 「「任せてぇぇポコマイミぃぃ。そりゃぁぁ」」


 「カスミナ。もう雑魚はマルック隊に任せてトロールに移行するよ」


 「はいっシュベッタ姉さん」


 「ドンコ。エリンキ援護」


 「「了解」」


 「行くよ。先ずは右足を切り刻むよ」


 「はい」

 「「そりゃぁぁ」」


 「ぶっ倒れたぁぁ」

 「ドンコぉぉ止めだぁぁ」


 「ういっ。おりゃぁぁ」


 「ドンコのでっかい斧の威力が怖い」


 「エリンキ。魔石にならなかった」


 「了解。焼却。もう魔石だよ」


 「エリンキ凄い」


 「ドンコぉぉもう一丁ぉぉぉ」


 「了解。姉御ぉぉ。おらぁぁ」




 エイジット隊長の家の玄関で。


 「ハルサーラ様。やはり来たそうです。凡そ百」


 「戦況は?」


 「間もなく圧勝」


 「任せておきましょう」


 「はい。それですみませんでした。お待たせいたしました」

 

 「エイジットの家内。ユイ。と申します。

 この度は村をお救い頂きありがとうございます」


 「隊長のララヴール・ラトンと申します。お気になさらず」


 「汚い所ですがどうぞ。今、長である大婆も呼んで参ります」


 「では、失礼する」

 (って、滅茶苦茶奇麗。父さん達が作った小屋の方が痛いってばぁ)


 「ララヴール頭がぶれましたよ」


 「ええまぁ」


 ララブールとハルサーラ。スカッシュが家に入った。

 外の警戒にシュルキーとマックストール、イルミ。

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