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 飛んで未周知の集落の惨状に当たる

 立ち上る煙に向かって飛行をしているアイファウスト。


 「大聖堂から凡そ五十キロか。ここだなぁあぁあ。

 ここに至るまでに魔物が居ないのはこのためかぁ。

 集落が魔物に襲われてる。フォレストウルフ。良く育って大きいなぁ。体長で三メートルは有るな。

 なんとか木製の柵のような砦で防いでいるようだけど、火矢で林の木々に燃え移ってウルフちゃん達の逃げ道が無くなっちゃった。

 そしてその火が砦に燃え移りそうで、それを魔法の水で消しながらと言っても柄杓で撒く程度ですねぇ。

 とりあえず事情を聴きましょうかねぇ。木こり君で砦の上に行くか。

 誰にしようかな。天の神様の言う通り。ぺこぺこあぶらむし。

 あの指示を出している人。転移」


 「えっ?」


 「どうも。木こりです」


 「女の子?」


 「男の子ですよ。お困りですか?」


 「どこから来たの?」


 「それは後程です。お困りですよね。状況を」


 「まぁな。こんなに大きな集団は初めてだな。完全に取り囲まれた」


 「初めてって事は何か変わった事でも?」


 「赤ん坊が生まれた。血の匂いに誘われたようだ。いつもは地下で産むんだが間に合わず破水した」


 「お母さんは?」


 「まぁ待ってくれ。

 あんたがここへ来た目的は?

 悪い奴には見えないが、賊の仲間では無いと確証が持てない」


 「それもそうですが、説明が長くなると危機的状況は悪化しますよ。

 悪い奴では無いと信じてください。

 お母さんと赤ちゃんを死なせたくは有りません」


 「判ったよ。頭を上げな。

 母子共々無事だが、あんたが言う通りこの砦が持たなきゃ無事じゃなくなる。一目散に向かうだろうからな。

 そこ、もっと射れぇ」


 「村長。もう矢が無いと各方面から


 「どうぞ」


 「収納持ちか?」


 「はい」


 「こんなにいいのか。二百本は在るぞ。払う金なんか元々ないぞこの集落には」


 「そこのお方、全部持って行って下さい。足らなければ追加を申し出てください。何の見返りも一切要求しません。

 創世のエルファサ女神様に誓います」


 「判ったよ。ありがたく頂戴しよう」


 「助かったぁぁ。おおい取りに来いぃぃ


 「おぉぉ


 「で、村長さん。赤ちゃんは?」


 「集落のど真ん中の木の上の家だ。そこに他の母親や子供達もいる」


 「一旦、連れ出していいですか?」


 「何処へ?」


 「ノルトハン王国。東門で判りますか?」


 「判るが


 「早くご決断を」


 「怪我をした、じじばばもいいか?その隣の木の上だ」


 「了解です。

 応援を呼んできてもいいですか?とても信頼のおけるお方達です」


 「待て。その前にどうやって連れ出すんだ。お前一人だろう。

 砦を護るのが精いっぱいで人出は割けねぞ。

 各木に護衛は一人づつ居るが」


 「転移持ちです。

 まぁ初見の僕を信じてもらえませんか?」


 「初見で信用がた落ちだ」


 「絶対に損はさせません」


 「何の勧誘だよ。もういい判った。

 だが、さっきも言ったが金は


 「全く必要ありません。

 呼んでくるお方達も、それを生業にしているお方達では有りません」


 「何で飯食ってるんだよ」


 「フォークと木のお皿」


 「ちっがぁぁうくっくっくって、そうじゃねぇよ。もうよくっくっく、笑わせるんじゃね。

 本当に大丈夫かこいつは。

 それで何人来る」


 「村の中心に騎馬隊三十。転移できます」


 「はぁぁぁ。真面目に言っているのか?」


 「大真面目。創世のエルファサ女神様の誓約書です。どうぞ」


 「はぁぁ。そこまでするかぁ?

 お前さんの事が良く解らんが、この誓約書を信じてお願いする。

 期待するからな」


 「はい。中心部分を空けて期待して待っていてください。行ってきます」


 「良く解らん奴だなぁ。

 おぉぉい。二人来てくれ」


 「「はい」」




 東門ではアイファウストの念話を受けたマルックが。


 「アルッシュ。ベルガー。村中の人間集めてこい。

 集落が魔物の襲撃を受け、生まれたばかりの赤子から女子供、怪我をした老人の避難民が東門の外に来る。テントの用意もだぁぁ」


 「「了解」」


 「隊長さんよぉ何かあったのか?」


 「ポコマイミ達か。この南五十キロ先の集落が大型フォレストフルフ凡そ七十体の襲撃を受けている。

 その集落の中に生まれたばかりの赤子と母親が居る。その集落の老人と共にここへ木こり君が避難してくる。

 手伝ってくれ」


 「お前らぁぁ手伝うぞぉぉ


 「了解」




 「木こり君が来るぞぉぉ。そこを開けろぉぉ」


 「お待たせです。マルック隊長」


 「木こり君が来たぞぉぉって、何人居るだよ」


 「総勢三十名。ほとんど怪我人です」


 「至急テントへ収容しろぉぉ。直ぐに手当てだぁ」


 「りょうかぁぁい」


 「木こり様」


 「ロレンさん。イーリスさん助かります。

 こちらのお母さんと赤ちゃんを。先程生まれたばかりで転移ギリギリでしたので」


 赤ちゃんを抱いて担架に横たわる母親が。


 「申し訳ございません。ご迷惑を」


 ロレンが。


 「何を言っているのですかお母さん。

 赤ちゃんと一緒に絶対に助けますからね。

 ここじゃまずいわぁ。隊長家借りるよぉぉ」


 「おぉぉ。丁度アルミスも帰って来ている」


 「私が赤ちゃんを抱いて行く。イーリスはお母さんを背負って簡単な結界魔法」


 「了解」


 「ゆっくり走らず。急いで」


 「うん?おお」


 「行くわよ」

 「了解」




 「けが人はこのテントへぇ」

 「止血急いでぇ」

 「こっちは骨折だぁ。添え木を」

 「回復魔法師重傷からだぁ」

 「ポーションを有りったけ持ってこぉぉい」

 「担架が足らねぇぇ」

 「テントをもう二つおねがぁぁい」

 「飲み水を持って来てくれぇぇ」

 「こっちにもくださぁぁい」




 「木こり君。こう言っては何だがヒールは使わねぇのか?」


 「マルック隊長。少々恩を売っておきましょうか?」


 「ヒールの方が手っ取り早く恩を売れない?」


 「既に瀕死のお方には軽くヒールが掛けてあり、命に係わるお方はいらっしゃいません。

 それで、こちらの皆さんが対価を要求することなく怪我人を必死に助ける姿勢。

 あちらのお方達の目にはどう映るんでしょうか?」


 「なるほどぉぉ。

 アルッシュぅぅ。ベルガーぁぁ。要求分以上に余分に担架を作っておけぇぇ」


 「「りょうかぁぁい」」


 「で、応援に向かうのか?」


 「はい」


 「木こり様。俺達も行こうか?」


 「ポコマイミさん達もこちらで救護活動をお願いします。

 これだけの血の匂いだとここら辺も危険です」


 「そう言やぁありがたい事に西風が出て来たか?」


 「はい。弱いですが日変化の西風です。天気が良いですからねぇ」


 「了解だぁ。ガルカク兄妹とガーリッシュパーティーも呼ぶか」


 「是非」


 「任せておきな。集落は頼んだよ」


 「はい。

 マルック隊長。こちらエリクサー十本。万が一の時は【サチの鶴翼の陣】」


 「二十年ぶりに聞いたぜ」


 「覚えていらっしゃいますか?」


 「デービッシュとナルッシュ。そして俺は【自傷の鶴首】だった。これで何回生き残って来たと思う?」


 隣で念話を送っていたポコマイミが。


 「木こり様。トウショウ王国の冒険者で上位の真面目な奴らはほとんど知っているぜ。

 【サチの鶴翼の陣】【サチ女王蜂の陣】【イサムの砕氷船の陣】【皆で朝食の雁行】この辺りかな」


 「十分ですよ。ただ今回は【サチの鶴翼の陣】が有効だと思います」


 「血の匂いに飢えているのと指揮官が居ないからな」


 「マルック隊長には痛い思いをさせてしまいますが


 「デービッシュ。ナルッシュ。聞いたか?」


 「二十年ぶりにぶった切るか」


 「義兄さん。血の量じゃ負けませんよ」


 ポコマイミの呼びかけでガーリッシュとガルカク兄妹が東門から歩いて到着した。

 ガーリッシュが。


 「ポコマイミから事情は聴いた。

 えれぇことになってるな。

 シュベッタ。エリンキと手伝え」


 「了解。行くよ」


 「了解姉御」


 「ドンコ。お前は俺と居ろ」


 「了解」


 「マスケット。カスミナ。お前達も行け」


 「「了解」」


 「シュベッタ姉さぁぁん」


 「こっちを手伝ってくれぇ」


 「「りょうかぁぁい」」


 ガーリッシュが。


 「木こり君。もう少し詳しく」


 「はい。現状のお話しをします。

 現在のところ・・・・


 「判った」

 「了解です」


 「では、皆さんお任せします」


 「「おうっ。任せとけ」」

 「お任せください」


 木こりはその場から転移で一旦教会の自室に向かった。

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