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 エルファサ女神様真教会近衛公安騎馬隊初仕事

 東門に近付きヨガブットが。


 「アイファウスト王子殿下はいらっしゃらないようですな。

 その代わりと言っては何ですがハルサーラ殿。スカッシュお嬢様。アルミス殿。ナルッシュ殿が騎乗待機ですな。

 そしてペンダントがハルサーラ殿とアルミス殿。

 エルファサ女神様に贔屓にされたエマルサーラ商会


 「黙れヨガブット。

 名刺を持って来たお前。ララブールとやらはどいつだ」


 「隊列の中心。ペンダントのお方二人の間です」


 「判った」




 「おやおや。百匹ほどの迷えるおっさんヒツジが群れてきましたよ。統率の無い集団ですわ」


 「ララヴール隊長。おっさんヒツジって


 「ナルッシュ」


 「はい」


 「ララヴール殿。百匹程度ではありませんよ。全員こちらに来たようです」


 「百匹のヒツジを十回唱えて永遠の眠りに


 「何やつだ」


 「千匹のヒツジ飼いの頭領さん。先程わたくしの名刺をお渡しいたしましたが届きませんでしたか?

 もしかして黒ヤギさんが食べてしまいましたか?」


 「何を言っているのか解らんが、これか?ふんっ


 (なんて事しやがる。もぉぉ生かしておきません)


 「あらまぁ地面に叩き付けて踏みにじるとは、不敬にもほどがありますよ。名無しの権兵衛さん」


 「ハルサーラ。貴様ら愚民に名乗る名など持ち合わせておらぬは


 (なんだとぉぉハルサーラ様に向かってなんてことをぉぉ許さぁぁぁん)


 巨大な稲妻が三回。空を引き裂かんばかりに教会の庁舎の屋根に落ちた。


 「ぎゃぁぁ「なんだぁぁ「天の怒りかぁぁ」


 「貴様ぁぁ。ハルサーラ様を愚弄した上に、その名刺にはエルファサ女神様を模った徽章が印刷されている。それを投げつけ踏みにじるとは言語道断。殲滅


 「ララヴール殿。落ち着いてください。虐殺が目的ではありませんよ」


 「ですが大司祭のハルサーラ様を知っての


 「ララブール殿」


 「はい」


 「そこの愚かな名無しの権兵衛。

 よくお聞きなさい。わたくしはエルファサ女神様真教会の大司祭ハルサーラです。エルファサ女神様の謁見の間でのお話しは聞き及んでいると思います。

 これはその証。

 この世界では決して作る事の出来ないエルファサ女神様の御姿を模った水晶。金のチェーン。

 隣のわたくしの娘。アルミスも同じ物をエルファサ女神様の御手から首に掛けて頂き、祝福のキスを賜りました。娘はシルバーのチェーンです。

 そこからでも十分に見える大きさです。

 そして今からあなた方が行おうとしている東の地の大教会は使徒様のアイファウスト・カミミヤ王子殿下がたった一夜で建立されたものです。

 大きさは十年前までトウショウ王国の王都に在ったこの大陸最大の教会を凌ぐ大きさです。

 その教会を武力による不法占拠しようとしています。

 ヘッルズ村の教会の転移陣はアイファウスト・カミミヤ王子殿下が破壊しました。

 連絡は来ていますね。黒の上下の出で立ちで金の縁取り。黒目黒髪の少年が来て、刀の鞘で誰一人殺さず無双し、破壊したと。

 いかがなさいますか?」


 「報告に有ったそのままだぁ「あっちが本物かよぉぉ「さっきの落雷ってエルファサ女神様の御怒りぃぃ」


 「黙れ黙れ黙れぇぇ。後からのこのこしゃしゃり出て御託を並べるなぁぁ。

 俺こそがこの世界で唯一エルファサ女神様に認められた真の大司教フイッシー・クッサスメルなのだぁぁ」


 「頭が壊れていますわ。ララヴール殿」


 「はい、では。そこの皆よ。空に耳を傾けよ。

 エルファサ女神様に認められた真の大司教フイッシー・クッサスメル殿の神託が聞ける」


 「判っておるでないか。皆聞いたであろう


 


  {いかがでしたかな。フイッシー・クッサスメル大司教}


  {うむ。素晴らしい演説内容だ。ヨガブット副司教。

  ほんの五分程で愚民共の心を掴んだ。全て嘘とは知らずに信じ込みよったわ。脳筋のバカ共が。

  嘘も使いようだな。偽造金貨を握りしめた、愚かな者達よ。何ひとつ本当のことは無いというのに}


  {何処で誰が聞いているか判りません。お言葉を慎んだ方がよろしいかと}


  {ヨガブット副司教。報告します。ヘッルズ村へ転移が出来ません}


  {どう言う事か?}


  {なんだってぇぇ?}




 「ふぁ?」


 「なにぃぃ「私の報告内容です「俺達の声だぁ「わたしの声も聞こえるぅ

 「嘘かよぉぉ

 「エルファサ女神様が聞いていらっしゃったぁ

 「目を覚ませと言う事かぁ?

 「おい皆よく見ろ。この金貨偽物だ。こっちが本物だぁぁ

 「「「「あ”ぁぁぁぁ

 「くそったれぇぇ」


 「ぎゃぁぁぁぁ


 大司教の右足の甲から土のツララが突き出し、その姿勢で固定された。


 「先程の伝令係」


 「はっはい」


 「そこの名刺を拾ってくれるか?」


 「はい。きしょくわるぅぅ。えっ?全く汚れても壊れてもいない」


 「エルファサ女神様の御力は凄いだろう。どうだ。投降する気は無いか?今なら警察で全てを話せば恐らく軽い刑で済むと思うぞ」


 「この門を出ればよいのでしょうか?」


 「ああ。投降の意思の有る者はその偽造金貨をフイッシー・クッサスメル、ヨガブット投げつけ出てくるとよい。

 偽金貨を隠し持ってその門を出たら死罪が確定するぞ。

 引火を投げつける事。それ以上の暴力は認めない」


 「俺は出るぜぇ「俺もだぁぁ「あたしもぉぉ「あたいもだよぉぉ」


 「ああ。出られないあなた。エルファサ女神様や我々に対する邪念や敵対心がありますね。そちらの方もです。残念」


 「あの。名刺をお返しします」


 「あぁありがとう。投降者を君が纏めてくるかな」


 「ユザックと申します」


 「投降者に告ぐ。ここの者。ユザックに従い整列して待機せよ。

 逃亡は許さん。この結界を抜けた時点で自動的にエルファサ女神様の直接の誓約書にサインした事になる。

 罪を嫌い、逃亡すればあのように消し炭になるぞ」


 「げぇぇ「いやぁぁ


 「大丈夫だ。時がこれば誓約は解消される」




 「ララヴール殿。篩はおわりましたよ。

 セルファン報告」


 「はい。報告通りが残りました。蜘蛛の子を散らしたように逃げ惑っていますね」


 「では、作戦開始です。

 天空に向け。ファイアーボール発射。そろそろか。この高さなら都中で見れるかな。四尺玉スターマイン。たまやぁぁぁ

 では行きましょう。真教会近衛公安騎馬隊。突撃ぃぃ


 「やぁぁぁぁ


 東から入った騎馬隊は塀沿いに別れ突撃。

 ガルカク兄妹とセルファンは庁舎に向かった。

 西から入った国軍歩兵は直接中央へ。騎馬隊は左右に別れた。


 「ポコマイミさん。弓兵を重点的に」


 「超お得分野だぜ。ララヴール隊長。

 メリース。行くぜ」


 「お任せぇぇ。みんな有視界転移」


 「了解」




 ヨガブットは土ツララで固定されたフイッシーの横でへたり込んでいた。

 騎乗したままのララヴールはヨガブットを睨むように見下ろし。


 「あなたの考えた演説に少々驚かされました」


 「ララヴール殿」


 「ですが完全にエルファサ女神様を愚弄していました。許される行為ではありません。断罪」


 ララヴールはヨガブットを目掛けて剣を振った。




 土のツララが消えて倒れ込み、右足を押さえながらもがくフイッシー。

 騎乗したままのハルサーラもフイッシーを睨むように見下ろし。


 「よくもお優しいエルファサ女神様を踏みにじってくれましたわね」


 「大司祭ハルサーラ様。知らなかったのです。どうかお許しを。回復を」


 「今更の言い訳は見苦しい。

 長きに渡り創世のエルファサ女神様を愚弄し続けた愚か者。

 イサム陛下とサチ妃殿下の技術を独占しようと画策して、罪無き継承者を殺し続けた極悪人。

 断罪の時です。命を以って謝罪なさい」


 「そ その様な事実が何処に在るのでしょう。わたくしがやったと言う根拠は?証拠は?」


 「これを見よ。

 この継承者の名簿とお前のサインの入った指示書は十年前のものだ。創世のエルファサ女神様から直接手渡しで預かったものだ。

 トウショウ王国。キューレット王国。ノルトハン王国の三国に渡る広域犯罪だ。

 創世のエルファサ女神様がノネジット・ファウス・ノルトハン国王陛下の居る謁見の間にご降臨なさった事を知らぬとは言わせぬぞ。

 創世のエルファサ女神様がトカルチョ・ド・デモンション男爵とジームダーナ・ト・ジジャルタ伯爵の証拠を自らお示しになった事を知らぬとは言わせぬぞ。

 城内のエセ教会にお前への送受連絡書簡が有った。これだ。

 どうだ。十年目にして建立された大聖堂と真エルファサ女神様教会は本物であっただろう。

 もはや言い逃れは出来んぞ」


 「ひやぁぁ。誰かぁぁ。誰かわしを助けに来ぬかぁぁ。誰かぁぁ助けてくれぇぇ


 フイッシーは這ってその場から逃れようとした。


 「お前を敬う信者とやらは今の今まで誰一人来なかったな。

 往生際が悪いぞ。神妙に神罰を受けよ」


 ハルサーラは騎乗したままで、這い蹲って逃げるフイッシーの背中に剣を突き立てた。


 「最後に良いことを教えてやる。

 ララヴール・ラトン隊長がこの世を忍ぶお姿のアイファウスト・カミミヤ王子殿下だ」


 「そ そんなぁ・・・」


 「最期はみじめなものね。

 シュルキー。行きますわよ」


 「はい、お母様」


 「お母様ぁぁわたくしにシュルキーちゃん、くださいぃ」


 「アルミスにはマックストール君が居るわよ」


 「姉さん。行きますよ」


 「あぁぁん可愛い子がぁぁ


 「スカッシュ。わたくし達はララヴール殿と共に中央に向かいますよ」


 「はい「はい「了解」




 騎乗するマックストールの前に立ちはだかった同じくらいの身長の男。


 「おいあんた。馬から降りて俺と一騎打ち


 「マックストール。時間の無駄」


 「了解。ふんっ


 「ぎゃぁぁ


 「遊びじゃねぇ


 「行くわよ」


 「はい。姉さん」




 塀沿いの先頭を走るアルファとキャルスの前に集団が現れた。


 「キャルスお姉様ぁぁ」


 「あなたはそのまま右側を。真ん中は後方に任せる」


 「りょうかぁぁい」


 「くそっ、弾かれた」


 「妹に向け槍を投げようなんざ百年早いわぁぁ


 「百年も生きられねぇぎゃぁぁ


 「今死んどけ」




 東西の門の外に軍の簡易救護所が設置され、西からの伝令が来て。


 「ウィスローヤ衛生班長。西の伝令ダムキーンです」


 「おうっ。ご苦労さん」


 「暇そうですねぇ」


 「あれだけの混戦状態で、転んだ子もいないそうだ。要件は?」


 「西側、負傷者が五十名を超えました。

 回復魔法が出来る冒険者をお借りしたい。三十名ほど」


 「ユザック君」


 「はい」


 「教会側?」


 「投降冒険者のとりまとめ役。真教会騎馬隊ララヴール隊長のご指名だ。

 ユザック君。西に三十人。貸してやってくれないか。護衛も必要だ」


 「了解です」


 「ダムキーン。です。ご一緒に」


 「ユザックです。こっちに来てください」


 「了解」


 「マウレス宰相様が仰った通り俺達じゃ邪魔にしかならねぇな。騎兵隊さん強いねぇ。

 俺らは暇で臨時危険手当の特別給金もらってていいのかねぇ」


 そう言いながら塀から出ることが出来ず逃げ惑う教会側の兵達がそこかしこで倒れる様を見ていた。

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