表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/34

ランカーとの戦い

 始まって直ぐに飛び上がり射撃をする

 同じ武器、つまり相手もショットガンを持っている

 この戦いは先にショットガンを当てた方が優勢になるが僕は敢えて距離を離して射撃して確実に削っていく

 相手の得意分野に足を踏み入れる必要が無い、こっちはただ敵機体を撃破して勝つだけ


『接近しないのか』

『互いに同じ武器でショットガン持ち、接近するタイミングが大事だな』

『あっちは様子見かな』

『かもね』


 神威の射撃をブーストで移動しながら回避して削っていく

 威力は低いが初期機体は耐久が低いので削るには少し物足りない程度の火力に収まっている


「流石、偏差上手い。全部は避けられ無いか」


 回避を試みているが上位ランカー相手に全弾回避なんてものは難しくこちらも何度か攻撃を受けて体力が削れる

 神威も銃撃を出来る限り回避している

 ダメージレースではこちらが勝っている


「へぇ、やるじゃん。でもこれならどうだ」


 神威はブーストを炊いてジグザグに動きながら接近してくる

 単純な動きではあるがタイミングがズレると狙いづらい、読まれないように神威は同じ動きはしない

 射撃しながらの接近、ショットガンを早い段階から撃ってくる

 後ろに下がる

 ショットガンは近距離以外は恐れる必要が無い。当たってもダメージは微々たるもの、冷静に攻撃を凌ぐ

 機体の速度は同じ、接近するならブーストで近づくしかない

 そうなれば回避にブーストが使えない

 ブースト後の速度が落ちた瞬間に弾を的確に当ててブーストで横に移動して距離を離す


『上手いな、あれだけ動きながらも正確に当ててる』


 戦闘中、ずっと動き回る

 止まれば蜂の巣にされる、そうなれば体力が一気に削られてしまう

 読まれないように変則的に動き回りながら射撃を行いタイミングを見てリロードを済ませる


『切り抜き見たがあのプレイヤーエイム精度がやばい。簡単に移動予測して偏差で当ててくる』

『あの配信の機体も初期機体も機動が低いから難易度は高くない』

『回避にブーストを使ってるから弾が全然当たらないし当ててくる詰みポイントのボスキャラ』

『神威の基本戦法は近距離インファイト、中距離も当然強いが中距離主体に比べればどうしても見劣りする』

『ブースト後なんてエイムズレまくるのに当てれるのマジで何、チーター?』

『チーターなら良いんだがな。ここまでだと自力でやってる方が怖ぇ』

『このまま勝ち上がれば普通に上位ランカーに入れそう』

『神威やばくない? もう体力70パー切ってる』

『やばいな、相手はまだ全然削れてねぇ』


「近寄っても離れる。中距離の間合いで戦う気か。にしてもこの射撃精度……まさか」


「こっちもちょっと削れてきた。このままなら勝てるけど流石にそうはいかないよね」


 少しずつ接近をしてくる

 牽制射撃して動きの様子を伺っていると無理やり突貫して来た

 真っ直ぐ最短距離で突っ込んでくる


「ダメージ覚悟の突撃? 一か八か?」


 距離を離そうとしても射撃を受けて回避する為に横に移動するとその隙に更に接近されてしまう

 ブーストで高速移動した神威に死角に入られる


「……だよね?」


 知っている、そのやり方は何度も見てきた。そこから追い込むやり方

 神威の勝ちパターンの1つ、死角に入っての怒涛のインファイト


 (ブースト距離からしてここ!)


 位置を予測して振り返りざまにショットガンを放つ


「まじか!? これを読まれたか。だけど……削ったぞ」


「ごっそり削れた。ショットガン全弾当たったか。流石に痛いな」


 互いにショットガンの弾を全弾を受けて体力が一気に削れる

 そこで止まらない、追撃が来る

 ショットガンが撃てるようになるまで僅かに時間がある


「斧で削る」


「ここで来るのは斧」


 神威が斧を取り出して振るう、僕はそう来る事を予測して斧を振るう

 斧がぶつかり大きく弾かれる

 近接武器がぶつかると少しのダメージと弾かれモーションで体勢が僅かに崩れる


「……良し、これで引く」


 神威がショットガンを構え終える前にブーストで距離を離してそのままショットガンを適当に放ちアサルトライフルで射撃しながらショットガンの間合いから離れる


「今の体力は……」


 僕の体力は57パーセント、半分近くまで減っている

 神威の機体を見る

 頭上にゲージが見える、そのゲージを見た限り神威の方の機体の体力は恐らく30パーを切っている


「中距離で削り切る」


 射撃を再開する


『ヤバっ、今の反応出来んのかよ』

『死角に入られた瞬間に位置を予測して振り返りざまにショットガンを命中させる。やってる事、おかしいだろ』

『削れ方からして全弾命中』

『体力28パーセント、神威ピンチ』

『中距離射撃でかなり削られてたからな。こりゃ負けだな。相手ももう接近させてくれねぇだろ』

『だろうね。そもそも最初からさせる気無かっただろうし』


 射撃をして削っていく、定期的にショットガンを放って接近をさせない

 体力の少ない神威はもうショットガンの一撃をもろに受ける訳には行かない


「まじか……油断したなぁ」


 それから暫くして決着が着く

 手汗握る激戦もギリギリの攻防戦も無ければ逆転劇も無い

 僕は機体の体力を44パーセント残して上位ランカー神威との対戦を終えた

 対戦が終わった後、対戦チャットにササッと


「対戦ありがとうございました」


 とだけ書き残してルームから抜けてすぐにログアウトする

 SNSは見ない。ほぼ間違いなくさっきの対戦関連が流れてくるのが分かっているから

 神威は有名配信者だ、他のゲーム界隈でも有名だがライトロード界隈に限れば何か言えば必ず話題になる位の知名度を持っている

 対戦が決まり広がった時点で話題持ち切りだっただろう


「ちょっとダメージ食らい過ぎた。まぁそれは流石神威って感じかな」


 50パー切らずに勝つつもりだったが予定より6パーも多く削られてしまった

 原因は間違いなくあの接近を許した事、ショットガンの一撃が思っていた以上に痛かった


「ちゃんと経験値多かったから良いか。食べ損ねたデザート食べよ~」


 呑気に冷蔵庫を開けてプリンを取り出して適当に動画を見ながら食べる

 上位ランカーの神威に勝ったという話はプレイヤー間で一気に広がったようで翌日以降に対戦申請やフレンド申請が複数来た

 突然の如く全て全部拒否した、配信者だろうが拒否

 神威の対戦に付き合ったのは知り合いだったから


「もう名前変えようかな……機体も別の使おうかな。あの機体解放出来てるし使う……いや、あの機体は辞めておこう」


 前作で使っていた機体、それを使ってランク戦潜ればバレてしまうかもしれない

 訳あってそれは避けたい


「好きな機体無いからこのまま行くかぁ。この辺も好きと言えば好きだけど微妙……最悪スルーでいいかな」


 拒否とスルーを使いこなしてランク戦を続ける

 容赦せずに対戦相手を倒していく

 数日後バイト後にゲームを開くとチャットが届いていた

 神威からだった

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ