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ルドベキアの天誅  作者: なつみかん
3/4

3、覚悟と決意

「って、何だよこれ!」

俺は声を荒らげた。


何故って?それは、()()()()から来た。とか言うからかっこいい門とかそういうやつから来たのかと思っていたからだ。


実際来てみれば、ただの空間に切れ目が入っただけ。


いや、空間に切れ目が入ってることも現実ではありえないけどな。

「ここに入れば、天使界に行くことが出来る。そして、お前は多分二度と人間には戻れない。あと、この時の狭間は消滅、次現れるのは分からない。あと聞きたいことはあるか?」

「……なんでこの切れ目……じゃなくて、時の狭間が現れるのか?」

「それはまだ調査中だ。俺も分からないが、そのお陰で人間達を簡単に守ることが出来る」

「へぇー、要するに、何でか知らねぇけど、このお陰で楽ってことか?」

「まぁそういうことだ。さぁ、行くぞ」


俺の手を引いて時の狭間に入っていく。

中は真っ暗で何も見えないのに、蓮士は道を知っているかのようにズカズカと進んでいく。


「なぁ、蓮士の仲間とかいるのか?」

「いるに決まっているだろ。自慢じゃないが、俺は天使界でも最も有名な部隊に所属してるんだ」

ドヤ顔で歩きながら話している。


「ぶたい?部隊があんのか?」

「あぁ、天使の実力次第で所属する部隊が決まる。俺はエリートだったんでね。お前は分からないと思うが、緋ノ寺隊(ひのでらたい)に所属しているんだ」

ひのでら?

誰かの名前なのか?

「着いたぞ」

気づけば、辺りは明るくなっていた。

「す、すげぇ」

俺は今建物の中にいるようだった。天使が沢山いて、不思議な構造をしている。縦に長く、沢山の部屋がただ付けられたみたいな感じだ。


「緋ノ寺隊の司令官、紗月蓮士です。部屋まで繋いで下さい」

「了解しました。お帰りなさいませ、紗月様。」

蓮士が誰と話しているみたいだ。メガネのThe、ビジネスマンみたいな感じの。

「誰と話してんだ?」

「そちらの方が、新人のお方ですね。貴方も緋ノ寺隊の1人と聞きまして本当に驚きました」

「あ、どうも」

「え、こいつが?」

「おい、蓮士。なんだその信じれないような顔は」

「ええ、新人で緋ノ寺隊に所属される方は初めて見ましたよ」

そのビジネスマンが話していると、急にドアが出現する。

「行くぞ」

蓮士が先に入る。俺も後を追うようにして続く。

そこには、オフィスみたいな、探偵事務所見たいな雰囲気が広がっていた。

茶色いソファには、ブラウンピンクのボブヘアーの女が座っていた。

「おかえりー、蓮士。それと、新人さんいらっしゃーい」

「あれ、(ほむら)さんは?」

「炎さんは多分任務に行ってると思う。ここ数週間は帰ってきてないんだよねー」

「心配だな」

「あのー、俺忘れないで欲しいんだけど……」

「ごめんごめん笑」

なんだろう。この安心感。家族みたいな……感じがする。


「君が新人さんの蓮也くんだよね?私は藍那鈴音(あいなすずね)。皆からは鈴とか言われてるかな。よろしく」

「よ、よろしく」

「緋ノ寺隊はお前を合わせて5人いる。俺はお前が緋ノ寺隊だということをさっき知ったし……まぁいい。隊員は、鈴、蒼葉妃香音(あおばひかね)、俺、蓮也そして炎さんだ」

「そのさ、ほむらさんって、どんな人?」

2人が首をグンと俺に向け面白いほどシンクロする。

なに、そんなに聞いたらダメだった?


「炎さんは、俺らの隊長だ。そして、天使界のトップ3の1人だぞ。何が言いたいかって、凄い人だ」

鈴音もウンウンと自慢げに首を縦に振る。

てことは、緋ノ寺炎さん。ってこと?そうだよな。


すると、部屋に掛かっていた時計がブーブーと音を鳴らす。

「よし、新人くん。早速お仕事だよ。多分底辺堕天使だと思うから、2人で行ってきなー。何事も経験だよ」

「あぁ、分かってる。行くぞ、蓮也」

「お、おう」

蓮士がドアを開け出ていくのを、俺も続いて出る。

その先に広がっていたのは、古い家屋が沢山ある、住宅街のようなところだった。所々草が生え、明らかに人が居ない場所だ。

「ここは……」

「呪地だ。呪いが掛かってしまい、人が住めなくなってしまった。ここに悪魔がよく集まるんだ今回は堕天使だけどな」

「そういえば、お前司令官とか言ってたよな?凄い強いとか?」

「そう言いたい所だが、俺はまだ見習いなんだ。ついこの間試験に受かってな。見極める能力を付けるため、人間界に派遣されたんだ」

なんだ。俺と一緒じゃねぇか。俺も天使見習いとかだろ。


突然、ドカーンと音がした。

「出やがったな?堕天使」

そこには真っ黒い鳥のような形をした堕天使がいた。

「実は、俺1人じゃ堕天使は殺せないんだ」

「え、そんなに強いのか?」

「あぁ、元々天使だったのが落ちぶれて堕天使になったのだからな。経験豊富な脳みそが詰まってるはずだ」

そう言いながら、蓮士は刀を抜く。


そういえば……

「俺の武器ってどこだ?」

「は?持ってないのか?」

「あぁ、てか、俺の武器ってどんなやつだっけ?」

「剣だっただろ?お前無くしたのか?」

「知らねぇーよ!俺が聞きたいわ!」

「あ、そうだ、お前の能力を渡していなかったんだった」

「もぉー!早くしろ!」

俺は耳飾りを返すと、蓮士は紋章を俺に渡す。紋章はバッチのようになっていて、これは胸に付けるものだと思われる。

紋章の模様は、腕が描かれている。なんだ?これ。

また、俺の体は光に覆われていく。

目を開ければ、蓮士と同じ服を着ていた。手に武器を持っている。

「行くぞ!蓮也!」

「あぁ!」

一斉に走り出す。ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!と雄叫びを上げながら俺らに迫る。

蓮士が堕天使の隙を突き刀で斬るが、やはり再生する。

俺も打撃を与えるが、結果は同じだ。

「黒炎よ!燃え上がれ!」

常套句を唱え、黒炎が刀を包み込む。


蓮士は尽かさず斬る。そして、俺は心臓を一刺しする。

「っ!やったか!」

だが、攻撃は効いていなく、急所である心臓を貫いても、また再生する。

「くそ!なんでこんなしぶといんだ!」

「なんだよこいつ!」

何度攻撃をしても、立ち上がる堕天使に苛立ちを覚える。

「くっ!」

壁にダーンと蓮士が飛ばされてしまった。

「っまずい!蓮也逃げろ!」

「っ!蓮士!」

蓮士が叫ぶ。俺は反応が遅れてしまい、隙をつかれてしまった。爪が目の前で振られた。

まずい。殺される。

剣も振れない。

目を瞑り衝撃に耐えようとする。が、いつになっても痛みが体を走らない。

「っ!炎さん……!」

蓮士が声を上げた。俺は目を開ける。

炎さんは刀で爪を受けていたのだ。

そのまま爪を押し返し、刀で堕天使の心臓を貫く。

(ほのお)よ、骨の髄まで焼き尽くせ」

常套句を唱えると大きな焔が堕天使を覆う。焔は火事並に大きくなっていき、

「ギャァァァァァ!」

堕天使ほ燃え尽きてしまった。

「……」

この人は強い。直感で思った。


ご報告

これからはキャラ設定を活動報告で報告させて頂くことにしました。是非チェックして下さい!

キャラ設定が細かく書かれています……!

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