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転生転移者の英雄譚  作者: 7氏
第1章 望んだ日々と願う未来
9/11

第8話 火種はやがて燎原の火に

2歳の誕生日は特に問題もなく過ぎて行った。プレゼントも…まぁ貰って素直に嬉しいものだった。

これがもし2人目の弟妹だったらものすごく頭を悩ませたところだろう。


両親は共にまだ若く、金銭面での余裕もかなりある。時間も俺が真昼の面倒をずっと見ているので余裕があるはずだ。


別に望んでいるわけではなく、むしろその逆だがもっと子どもを増やしても良いような環境にあることは間違いないと思う。


まぁ家庭を持ったことの無い俺が理解できない事情があるのだろう。


ちなみに今回俺がもらったのは、ランニングマシン…。俺が動きまわったせいで、身体を動かすのが好きだと思われたのだろうか?

だが、子供のプレゼントとしてどうなのか…いや、もう何も言うまい。



最近変わったことと言えば、両親がリモートで仕事をするようになった事だ。

育児休暇中ではあるが、今のうちに仕事の勘を取り戻そうとそういうことなのだと思う。


真昼が1歳になれば俺も一緒に保育園に入れられ、本格的に仕事に戻るらしい。ただ、母は俺たちの送り迎えをするために午前中と午後少しだけになるみたいだ。


それなら金銭も切羽詰まっている訳でもないし、専業主婦になれば良いだろうと言いたくもなるが、それだとあまりにも暇で嫌ということで…。うん、完全に俺のせいだね。


とはいえ俺だって暇で真昼の世話とランニングマシンで身体を鍛えることくらいしかやることがないため子育てを譲る気はない。


そう考えながら俺はランニングマシンをゆっくり止め、流れる汗をタオルで拭った。


最近は時速10kmでも余裕で走れるようになってきた。これが2歳児らしい。どんな野生動物なんだろうか?



えっ?人間?



0歳の頃に二足歩行をしたり、ちゃんとした言葉を話せるのは、まだ早熟な子どもだと誤魔化せたが、ここまで来たら流石に無視できない。


明らかに過剰なスペックを持っている。前世の俺は全然そんなこともないのだから、まぁ転生したことが影響しているのだろう。


少し痛くなった頭に水をかけ全身の汗を流していく。ついでに冷えた頭で思考を続けるが、結局この件も開き直るしかないだろう。


目的に悪影響がないなら、使えるものは全て使って目的を達成するだけだ。


新しい服に着替えた俺はそう決意を固め、子ども部屋に入る。



そして、ふわふわと浮遊する妹にしばらく思考するのが嫌になるのであった。






❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖






突然だが、空中浮遊をしたことがあるだろうか。


なでなで


「クァーう!あー!」


いや浮遊とは言わずとも浮遊感を感じたことがある人はかなりいるだろう。


なでなで


「きゃはは!あー!あー!」


なでなでなで


「あーう!あう!うー!」


浮遊感を感じるもっとも多い機会はエレベーターだろうか?遊園地のアトラクションなんかでも感じるだろう。


そして、無重力空間の体験をしたりすれば浮遊を体感出来るだろう。


かく言う俺も現在浮遊中だ。


特別な設備はなく、どこにでもありそうな家の中で。


ただ、実際に浮遊してみると浮遊感を感じないらしい。

どうも感覚としては空中に固定されている感じがする。


体勢を変えることはできるし、少しずつであれば移動も出来る。



無重力体験なんてしたことなかったけど、意外とアトラクションって感じはしないな…


………


いやこれは特殊すぎるか



「あう!あう!」

「ああ、ごめんね。よしよし、よしよし。」



うーん…現実世界かと思ってたけど、パラレルワールドだったかぁ


………


いやいやいや、あれだけ検証して別世界線だったなんてありえないだろ



どうもまだ混乱が治まらないみたいだ。

すう、はあ、と深呼吸をし、いい加減現実と向き合ってみる。


うちは別に超能力者の家系って訳じゃない、はずだ。

そうだとすれば、妹だけが特別ということ。


特別な要素として、本来うちには生まれず、他の家で生まれるはずだったことが挙げられる。


これらから考えられるのは、超能力者の家系に生まれるはずだった子が妹になった、そういう事だろうか。



いや、超能力者の家系なんて存在するのか?

まだ混乱してるなぁ



考えられることが多すぎて考えがまとまらない。整理しようとすれば頭と胃が痛くなる。



どうしよう…



こんな想定外なことが起こるなんて勘弁して欲しい。そう思いながらも引き起こしたのは自分ということで、どうすれば良いかを考えていく。



俺も、もしかして超能力者?…いや、他のことは一旦考えるな。

目標は定まっているんだ、それに到達出来るように集中しろ



「この子が幸せになる」には、この能力は有益だろうか?…有益だろう。

日常生活に困るようなものでもなければ、能力というのはあるだけ良い。

ただ問題なのは、変に目をつけられることだ。


前世の記憶を省いて、今まで見てきた世界におかしなことはなかった。強いて言うなら俺という存在だが、俺の例はさすがに特殊すぎる。


となれば…能力は鍛える。ただ、バレないように。



「よしよし。一旦、これ止められる?」

「あう?あう!うー!」



うーん…通じない……当然か…



どうにかしてバレないようにしないと。

ただ、言葉が通じないなら止めさせるなんて出来ないだろう。



仕方ない…先送りにするか



「ほらほら、くるくるくるくる。楽しいね〜真昼。」

「きゃはは!あうあう!」



そうして問題のことは忘れ、真昼が眠りにつくまで楽しく遊ぶのだった。



母さん達が降りて来るまでに眠ってくれるかなぁ…


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