五章 愛を持って囲碁と為す
囲碁において最も大切なことは、愛を持って囲碁を打つことである。それは、単なる争いごとや勝負事ではなく、対局者同士が石を置くことで対話をする芸術であるからである。
囲碁を打つことは、自己表現の場でもある。自分の好手だけでなく、自分の悪手も自分の美学に沿って打ったものならば、愛を持って受け入れることが大切である。自分がその時感じた思考や感情を、石を置くことで表現することができる。このような自己表現こそが、囲碁の本質である。
また、相手の手も愛し、相手の美学を尊重することが大切である。自分の手に対して、相手の手も同様に自分が受け入れることで、対話を深めることができる。相手が打った手にも、その手を打つ思考や感情があることを理解することで、相手との対話を深めることができるのである。
愛を持って囲碁を打つことによって、対局者同士が対話を深め、美学を共有することができる。そして、対局を通じて、対局者同士の間に信頼関係が築かれる。囲碁を打つことは、単なる勝負ではなく、人間同士の交流を深めることである。
結局、愛がなければ囲碁はただの白黒の石を使った遊びと化すだけである。愛を持って、自分と相手と石とが一つになるような対局を求めることが、囲碁の真髄を理解することに繋がる。