可愛い弟
「お姉様、カインが来たよ。遊んで!」
カイン様いけません。勝ってに入られてはお嬢様が困られます。とカインの後ろから小声で諭している。
まるぎこえですけどーーーー。
私はカインの傍までいき諭した。
「カイン貴方は侯爵家の嫡男なのよ、家族とはいえカインは男の子なよ。女性の部屋へはノ
ックもせずに入って入って駄目よ。」
「ノックすれば良いの?」流石お子ちゃま言うと思ったわ。
「違うわ、カイン。ノックをして相手の返事を待つのよ。入ってもいいかお伺いするの。入ってもいいよと言われてから入りなさいね。」
そう言うとカインは嬉しそうに私に抱きつき
「うん、分かったよ。大好きお姉様。」
「私も大好きよ、カイン。でもね、淑女にこうやって抱きつくのも駄目なのよ。」そうなのっと小首を傾けた。
かっ、可愛いーーーー可愛すぎるわ!
「今日は特別に許してあげますがカインはもう少し貴族令息のマナーを覚えましょうね。」
「はい。」と元気よく返事をした。
私はカインの頭を撫でる。
「アディルお姉様、優しくなったね。前はもっと厳しく怒ってました。」
あ~、それって前アディルだよね。ゲーム設定ではきっつい性格のご令嬢だったもの。
「そうね、そうだったかも知れ無いわね。カインには伝えておかないといけないわね。」
カインは急に神妙な顔をする。
「お姉様に何かあったの?」
「そうね、あったわ。お姉様ね、急に頭がいたかなって寝込んでいたのカインは知っていたかしら。」
「うん、知ってる。お姉様が頭をいたくして長い事ねんねしてたの。侍女のイズが教えてくれたよ。ぼくね凄く心配だったんだよ。」
「そう、カイン心配かけてごめんなさいね。今は元気よ。でもね、そのせいで記憶ね無くしてしまったの。今はみんなのお陰で徐々に思い出しているのよ、だから忘れていることがあればカインがお姉様に教えて欲しいの。」
「ぼくが、お姉様に教えるの?」不思議そうにしている。
「そうよ、お姉様がカインに教えるようにカインがお姉様に知らない事を教えるのよ。」
「うん、分かったお姉様が分からないことぼくがね教えてあげる。」カインは嬉しそうに頷き任せてと胸を叩いて誇らしそうにしていた。
「ありがとう、これらもよろしくねカイン。」
「任せて」と又私に抱きついた。
私はまぁいいかとカインを抱きしめた。
そんな微笑ましい光景を横目に侍女長のサラが私に声をかけてきた。
「お嬢様、ジークフリド王太子殿下からお手紙が届いております。」
「王太子殿下から手紙ですって!」
嫌な予感しかしないわ。