プレイスタート
今回は短めです。
「……おぉ。」
ニャル様に転移させられたわたくしは、周囲を見渡すとそう言いました。
森と草原の境目のようです。
……マップを開いて場所を確認しましょう。
『魔蟲の大森林』
『兎溢れの草原』
ふむふむ。
魔蟲の大森林に兎溢れの草原ですか。
LⅤ上げと配下集めに丁度良いかもしれませんね。
兎や蟲系のは、鍛え上げると強いと聞いたことがあります。
さてさて、思考を巡らせるのを止めて
(一狩り行きますか。)
「……何ともファンタジーな兎ですね。」
兎溢れの草原に着いたわたくしは、見つけた兎を見てそう言いました。
角がありますね、この兎。
ぴょんぴょん跳ねていますけど、普通の兎より脚力も有りそうな後ろ脚が見えますね。
「鑑定。」
わたくしは、取り敢えず鑑定スキルを角兎……仮称です……に向けて使用しました。
〈鑑定〉
種族;『モノホーンラビット』
LⅤ;1
〈識別〉
弱点;首筋・心臓・脳
説明;額に角の生やした兎の魔物。突進を主にする。
「モノホーンラビットさんですか。」
今のスキルLⅤだと鑑定は種族とLⅤだけみたいですね。
識別の方は、弱点と説明だけと……。
スキルLⅤを上げればもっと沢山の情報が見れるのでしょう。
「兎さんには悪いですが……フッッ!」
わたくしは、初期装備の細剣を抜くとそう言って、兎の心臓目掛けて横っ腹に突きを放ちました。
「キュウキュッ!?」
兎さんは、わたくしの突きを受けそう言い倒れました。
《LⅤが上昇しました》
《『兎の全身肉;上』×1のドロップを入手しました》
おや、LⅤが上がったようですね。
取り敢えず、LⅤが10になるまで倒しましょうか。
《LⅤが上昇しました》
《『兎の耳飾り』×1のドロップを入手しました》
《称号【一撃必殺】を獲得しました。》
《称号【兎の天敵】を獲得しました》
はい、LⅤ5まで上げました。
それまでに獲得したスキルやアイテムを見せましょう。
〈鑑定〉
名称;兎の全身肉・上
品質;上
〈識別〉
分類;素材
説明;傷が極めて少ない兎の全身肉。美味。
〈鑑定〉
名称;兎の耳飾り
品質;上
〈識別〉
分類;装備
説明;兎の尻尾が付いた片耳用の耳飾り。装備中、『跳躍』スキルの効果を使用可能。
〈鑑定〉
名称;一撃必殺
〈識別〉
分類;称号
説明;プレイ開始から一定回数全て一撃で討伐した者に与えられる称号。急所攻撃時クリティカル率を軽く上昇させる効果が常時発動。
〈鑑定〉
名称;兎の天敵
〈識別〉
分類;称号
説明;一定期間内に兎系魔物を一定数を討伐した者に与えられる称号。兎系魔物に対しての攻撃威力を上昇させる効果が常時発動。
わたくしが得たものはこれくらいです。
常時発動効果は強いですね。
取り敢えず、兎の耳飾りは耳に装備しましょう。
UIを操作して……よし、装備しました。
「試しに使用してみましょう。『跳躍』。」
わたくしがそう言ってその場でジャンプすると、今での倍の距離を跳びました。
「おぉ?」
そう言ってわたくしは、驚きながら着地しました。
使いどころによっては使えそうなスキルですね。
回避にも使えそうですし、何よりクールタイムが短いので連発可能です。
あぁ、クールタイムというのは、特定のスキル群に用いられているスキル使用後、再使用可能になるまでの時間のことです。
「……さて、そろそろ始めますか。 配 下 集 め を 。」
わたくしはそう言うと口角を上げて微笑みました。
……装備もついでに集めないとですね。