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第50話 広場でデモンストレーション

翌朝の朝食はハイジのパンにしてもらった。


 エメンタールチーズの固まりを火で炙って溶けたチーズをトーストしたパンに乗せるアレだ。大満足ですよ。みんなはローストポークの残りを食べてた。きれいに無くなったよ。


 さっそく広場でデモンストレーションを始めたいと言って広場に行くとすでに人が集まっていた。娯楽もない村だから非日常が珍しいんだって。


 キャンプ用のテーブルにクロスを敷いて、その上に籠を並べる。左端の籠に塩を並べて、隣の籠にはケチャップを並べる。その隣の籠には乾燥マカロニ。その隣にはビン入りのオイル漬け。ドライトマトとかキノコとか。

 デモンストレーションでオイル漬けや長期保存出来るビン詰めのやり方も教えるよ。チーズ下ろし器やピーラーも並べる。


「まずはダッチオーブンを使った煮込み料理を作るわ」

 洗った野菜をピーラーでシャシャッと剥く。これだけで、ちょっとどよめいたよ。野菜や鶏肉を食べやすい大きさにカットするのは普通の包丁。


「じゃあ調理を始めるぞ。温めたダッチオーブンにオイルを入れて玉ねぎの薄切りを炒める。しんなりしてきたら鶏と白ワインを加えてさらに炒める。薄力粉と塩を入れて粉っぽさが無くなるまで炒める。

そうしたら残りの野菜と水を入れて弱火でじっくり煮込む」

 ルイスがフタをして、フタの上に焼けた炭を乗せると、少し騒ついた。少しね。


「上からも温めるのが特徴だ」

 ふーん。て雰囲気だけど食べて驚け。重い蓋が圧力鍋的効果を発揮して誰でも料理名人になれるお鍋なんだから。


ルイスの手元の砂時計が落ちた。


「じゃあ続きだ。ジャガイモとニンジンに火が通ったら、牛乳を加えて弱火で煮込む。塩で味を整えて出来上がりだ」


小さめの器で配る。


「普通に美味いな」

これは料理をしない人間の感想。


「ちょっと、あの煮込み時間でこの味でこの柔らかさなの!?」

これは料理する人の感想。



 料理をしない人間たちは見学の列から追い出された。


「次は私がグラタンを作るわ。マカロニとブロッコリーは鍋にお湯を沸かして少しの塩を加えて茹でておく」

ここでモニカがダッチオーブンを取り出す。


「フライパンに油をひいて弱火でカットした鶏肉を入れて炒めて塩ひとつまみで下味をつけたらスライスした玉ねぎを入れて透明感が出てくるまで炒める。

 いったん火を止めて小麦粉大さじ2を全体にふりかける。弱火にかけて混ぜながら、具材に小麦粉をなじませる。白っぽい色合いがなくなるまで混ざったら牛乳を少しずつを入れていく。牛乳は少しずつ入れるとダマになりにくく美味しいソースに仕上がるわ。

 具材に絡んでいた小麦粉と牛乳が混ざりあって、とろみがついてきたら牛乳を足す。

 全部の牛乳を加えてからも弱火で火にかけて煮詰めていく。底や淵を混ぜながら底にサッと線を引いたときに、底面が一瞬きれいに見えるようになるまで煮詰めたら火を止めて塩で味を調える」


 ここでモニカがダッチオーブンを火から下ろして、茹でておいたマカロニとブロッコリーを手に取る。


「マカロニとブロッコリーをソースに入れて、ほぐしながら混ぜる。さらに、さっきジャガイモをおろしたこれでチーズをたっぷりおろす」

 モニカが大きなチーズの塊を豪快におろす。たっぷりと。おろしたそばからチーズがグラタンの熱で溶けていく。でもここで終わりじゃない。


「ここでフタをする」

 出来上がりだと思ったギャラリーが騒つく。

「フタの上に焼けた炭をたっぷり乗せる」

 今度は上しか温めていないことに気付いているかな?


 砂時計が落ちたら炭を退けてフタを外すとチーズに美味しそうな焦げ目がついていた。今度こそギャラリーがどよめいた。試食を配ると大騒ぎだ。



 グラタンというものは無かったけど牛乳のシチューはあったから、煮詰めたシチューって感覚で受け入れられたみたい。


デモンストレーションは大成功だね!

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『飼い主を召喚しました ⋃ ╹ᗊ╹ ⋃』


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