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第47話 じゃあチーズを買いに行こうか

 ネズミ駆除の衛生対策はゴキブリなど他の害虫にも効果があった。


 ちなみに駆除用品はインターネット通販を使って地球の様々な地域から調達した。いろんな国で現地の素材と技術で作った素朴なタイプのやつだ。化学薬品を持ち込みたくなかったからね。

 いずれこの世界でも生産体制を整える予定だが、まずは素材の栽培から始めるから道は遠いよ。


 そしてメンタルに問題を抱えた人は思った以上に多かった。これは時間をかけて治療していくしかないよね。この世界の医療の発展に期待したい。


「とりあえず今回の街歩きで見えた問題は対処出来たと思うけど、ほかに問題は起きていないかな」

「困ったら教会か役所に助けを求めるようにって神託で念を押したから何かあれば上がってくるわよ」

「変化の時は問題を問題と認識しづらいからな。次の問題が出てくるにも少し時間がかかるのはしようがない」



「じゃあチーズを買いに行こうか!」

「唐突だな」

「だってずっと食べたかったんだもん。寒さもやわらいできたから北への旅も辛くないし」

「どこに向かうんだ?」

「まずは王都から北東に進んだ所にあるエメン村。私の生前のスイスみたいな地域でエメンタールチーズの産地だよ!グリュー村に寄ってグリュイエールチーズも買う」

「焼いた肉に溶けたチーズを乗せると美味いよな」

「チーズはハンバーグの中に入れても、上に乗せても美味しいのよ」

「ピッツアを広めるための第一歩だね」


 エメン村やグリュー村など多くの村で細々と独自のチーズが作られているが、この世界では人間が牛乳を飲んだり食べたりすることに偏見が強い。

 しかし食糧不足に悩む地方都市では牛乳や牛乳を加工した料理が一般的だ。食糧とみなされるものは税金として召し上げられてしまっていたため、飢えとの戦いの中で乳製品が食べられるようになった歴史がある。

 しかし牛乳を人間が飲んだり食べたりすることに対して今だに偏見が根強く、牛乳やチーズを食べている地域は今もチーズの存在をよそ者には秘密にしているのだ。

 だからこの世界には生クリームもない。ヨーグルトは小さな村で隠れて作られているので、そのうち買いに行こう。



「でね、エメンタールはチーズの王様と呼ばれててチーズフォンデュには欠かせないチーズなんだよ」


 翌日さっそく旅立った私たちはエメン村にに向かっていた。ピッツァ好きなウィルコもチーズ好きなルイスとモニカも今回の旅はウッキウキだ。協力的で助かるよ。

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『飼い主を召喚しました ⋃ ╹ᗊ╹ ⋃』


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