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第42話 リモンチェッロ

 カンパニアに戻り、再びダニエレさんとイラリーさんの宿に泊まる。


 さっそくサルシッチャの試食を振る舞ったら2人とも気に入って買ってくれた。パオロさんに言って定期的に仕入れてもらったらどうかな。


 リモンチェッロの試飲会について相談したら、ルイスとモニカから教わった肉料理とウィルコの干物の試食会も同時にやることになった。

 宿の営業だけじゃなくて食堂もやってるから反応をみて定番メニューにしたいんだって。


 朝からルイスとモニカとウィルコが料理を手伝っているので私は結界に戻って電子書籍を買ってダラダラ過ごした。たまにはこんな日があっても良いよねえ。映画のブルーレイも今度買おう、観たい映画が増えていた。


 朝ごはんに炊きたてご飯でお刺身定食を作って食べてお昼はちらし寿司。魚と酢飯と海苔が美味い。お味噌汁はシジミにした。私の胃袋、疲れてたんだなって感じたよ。

 ……夜は試食会だから肉ばっかりか。…ウィルコにトルコのサバサンドのレシピを教えたから干物とサバサンドを食べよう。


 サバサンドはバゲットに切れめを入れてバターを塗ってこんがり焼いたら粒マスタードを塗って、ニンニクとオリーブオイルで両面焼いた塩サバ、しゃきしゃきレタス、水に晒した玉ねぎを挟んでレモンを絞って完成。トルコで食べたサバサンドは美味しかったよ。


 ダラダラと昼寝までしたら夕方だった。そろそろ帰るか。


 宿に戻ると試食会の準備はほとんど終わってた。干物やサバサンドは食べる直前に仕上げた方が美味しいけど煮込み料理は少し置いた方が美味しいもんね。サルシッチャも振る舞う時間に合わせて仕上げるんだって。


「綺麗なグラス…」

 テーブルに並べられたカットグラスが綺麗だ。

「リモンチェッロのためにパオロから買ったのよ。女性向けだからグラスにもこだわったの。特別なお酒って感じがするでしょう?」

「うん、綺麗だね」

「小さなグラスはストレートで、大きなグラスはソーダや果汁で割った時に使うんだ」

「いいと思う!」


「誰か来たぞ」

「パオロさんとステファンとマテオだ!」

「いらっしゃい!」

「よく来てくれたな」

「ルイスさんとモニカさんの料理とあっちゃ居てもたってもいられないよ」

「旅でご馳走になった料理はどれも美味かったなあ」

 3人が私の頭を撫でながらダニエレさんとイラリーさんに答えて会話が弾んだところにイラリーさんの幼馴染の女性が5人がやって来た。リモンチェッロのターゲットだね!


「まずはこのお酒を試してほしい。甘いので女性向けなんだが結構強いから、そこは気をつけてくれ」

「こちらはストレート、氷で冷やしてあるから飲みやすいと思うわ」

「甘くて飲みやすい!」

「レモンのお酒ね!」

「私には濃いかな…」

「こちらは果汁で割ったものよ」

「ジュースみたいね、これは美味しい!」


「料理を仕上げてくるから飲んでてくれ」

 ダニエレさんとイラリーさん、ルイスとモニカとウィルコが調理場に引っ込む。私はステファンの隣で料理を待つ。子供だからね!


「ここに泊まった旅人から好評なんだろ?」

「うん。でも私はダニエレさんとイラリーさんのタコの足の煮込みが1番美味しいと思ったよ」

「食べ物は好みがあるからなあ」

「リモンチェッロはどう?」

「飲みやすいな」

「その割に強いから気づかない間に足にきそうだな」

「女の人に飲ませるのは、ほどほどにね。女の人が酔っちゃったら、ちゃんとお家に送り届ける紳士でいてね」

「…………当たり前じゃないか」



 ずいぶん間があったよ?

「どうして目を逸らすの?」


 ステファンもマテオも私の目を見て答えて?

「どうして汗をかいているの?」

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『飼い主を召喚しました ⋃ ╹ᗊ╹ ⋃』


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