第3話 ウィルコの世界へ
「では花蓮さんをウィルコさんの世界に送り出す準備に入ってもよろしいでしょうか」
── お願いします。
「こちらのタブレットとスマートフォンをどうぞ、充電の必要はありません。拠点にデスクトップ型のパソコンとノートPC、プリンターなど必要なもの一式をお送りしておきますね。通話は使用できませんのでご了承ください。チャットアプリを起動してください。その眼鏡のアイコンが私です、機材の不具合や事務手続き関係で疑問や不具合がありましたらご連絡ください」
── ありがとうシモンさん、でも出来るだけ自力で解決します。
「それからウィルコの世界の結界は時間の理の外にあります。つまり時間経過を有りにも無しにも出来ます。流行病が発生した時に結界で対策している間は時間を稼げる…という使い方をできます」
── それは便利ですね!教えてくれてありがとう。
「じゃあ行こうか!」
ヒョロ金髪がウキウキだ、こいつ見るからに無能だし、定額働かせ放題な奴隷が手に入ったとでも思っているのだろう。こちらも目的があるので利用するのはお互い様だけど役割の線引きだけはきっちりしていこう。やりがい搾取だけはされないようにしないと。
ヒョロ金髪がタイプじゃなくて良かったわー、厳しく対応できるわ。
「さあ着いたよ!」
地面に自分の足で立ってる。
「ここではカレンはヒトダマではなくて、元の姿だよ」
たしかにPCやスマホを使うのにヒトダマでは操作できない。
でも…でも…
「どうして子供なのーーー!!!」