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【番外編】ウィルコとエディス

「カレンが彼氏を欲しがっているだと!?」


 ルイス狼とヨル・フェンリルがコソコソと話し込んでいる。


「そうなんだ。将来、彼氏ができたら俺に邪魔されそうだってバステトたちに相談するんだぜ」

 ルイス狼がため息をつく。


「なんだって!?カレンはまだ赤ちゃんだぞ」

 毛皮を逆立てたヨル・フェンリルがプリプリする。



── その頃、何も知らないカレンはウィルコに会いにこうとしていた。


「ウィルコのところに転移!」


見慣れない場所に転移した。


「あれ…ここどこ?」

 ウィルコの部屋に転移したと思ったのに知らない場所だ。



「カレン?」

 ウィルコの声に振り返ると見知らぬ女の人がウィルコに寄り添っていた。


「ウィルコ!ウィルコのお部屋に転移したつもりだったんだよ」

「今日は休暇でエディスのところに来ているんだよ」


「エディスさんてウィルコがフォローしている獣人が暮らす世界の神様?」

「そうなの。私が何も分からなくて世界を導けなくてどうしようもなかった時に助けてくれて…」


 2人寄り添って手を繋いでいる


「それでお付き合いしてるって訳だね!」

「カレンたら下世話な顔になっているよ」


 エディスさんは透明感あふれる美少女なので美少年のウィルコと寄り添うと絵画のように美しい。


「えへへ、2人並ぶと絵になるよ。お似合いの2人だね!」

「そう?ありがとう」

 ウィルコが小さな私を抱き上げてくれたが私の視線はエディスさんに釘付けだ。尻尾が勝手に揺れて止まらない。


「私も抱っこしてもいい?」

「いいの?お願いします!」

 エディスさんに向かって前脚を伸ばしたら抱き寄せてくれた。エディスさんはいい匂いがする。なでなでが気持ちいい。



「あのね!今日はウィルコにお土産があるんだ。コスコの新商品」

 下ろしてもらって人型に変化してアイテムボックスから取り出す。


「ウィルコが好きそうな新商品を見つけたんだ。これはグジェール。グジェールはフランス料理でチーズを混ぜて焼いたシュー皮だって」

「スイーツじゃないシューなんだ?面白いね」

「ワインに合わせると美味しいって聞いたよ。こっちはシェル型のターンオーバー」


「シェルは貝って意味だよね。貝の形が可愛いパイだね!手のひらサイズで結構大きいね」

「ターンオーバーは重ねたパイ生地って意味だよ」

「見るからにサクサクしてて美味しそう!」


 ウィルコは儚げな美少年だけど大食いなので、それぞれ1ダース積み上げた。


「嬉しいな、ありがとうカレン」

「さっそくいただきましょうよ。お茶を入れるから2人とも座ってて」

「ありがと、エディスさん」


 エディスさんが紅茶を淹れてくれた。ワインも用意してくれて嬉しい。さっそく人型に変化した。


「僕はパイからいただこうかな」

「ターンオーバーはミルクチョコとダークチョコレートとグレープとザクロの4種類だって」


「グレープとザクロのジャムは甘さ控えめで何個でもいけちゃうわ」

「チョコと交互に食べるとやめられないね」


 エディスさんとウィルコの味覚はそっくりだった。味覚が似てるってお付き合いで大事だよね。エンドレスで甘いパイを食べる、甘過ぎる2人に圧倒された。


「私はグジェールとワインをいただくね」


…合うー!赤ワインとグジェールが合うー!


「カレンたら尻尾がすごい勢いだよ」

「ワインと合うよ!すっごく美味しい。2人も食べてみて!」


「…うん。こっちも美味しい!」

「白ワインにも合うわね」




 ルイス狼とヨル・フェンリルが私の未来の彼氏との出会いや交際を妨害しようと悪巧みしているとも知らずにウィルコたちと美味しい休日を過ごした。

お久しぶりです。

ウィルコが幸せに過ごしていて欲しいなと思って書いていた番外編です。

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『飼い主を召喚しました ⋃ ╹ᗊ╹ ⋃』


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