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【番外編】僕の部屋も

 今日はウィルコの家に遊びに来た。

一緒にご飯を食べて泊まってくると伝えたら神様もついてきた。



それで修羅場って訳。



「何しに来たのさ」

 ウィルコからブリザードが吹いている。塩の入った壺を小脇に抱えて臨戦態勢だ。神様を追い出して撒くつもりなのだろう。


「ウィルコ君…」

「僕の世界も酷い状態だったけど、僕への教育不足と情報不足が原因だし、それは父さんの怠慢が招いたことだよ」


「ごめんね」


「それにカレンたちが去った後。酷い状態の世界を3つも僕に押し付けて!」

「いろんな世界が大変なことになっていると知ってなんとかしようと頑張ったんだよ。でも僕1人じゃどうにもならなくて…」


「頑張った?本当に?」

「信じて!ウィルコ君」


「僕みたいに寝る間も惜しんで休まず働いたの?」

「もちろんだよ!」

「嘘!」

「嘘じゃないよ!」


「僕は過酷な労働でだいぶ痩せたよ。でも父さんは相変わらずポチャポチャの小太りじゃないか!」


神様が崩れ落ちた。気にしていたらしい。


「ウィルコ?」

「何?」

「神様をかばう訳じゃないけど、同じ状況で太る人もいるんだよ」

「そんなことがあるの?」


「深夜まで残業して疲れて寝ちゃう人もいればストレスでドカ食いしちゃう人もいるんだよ。深夜のドカ食いだから直ぐにデブデブになっちゃうの。そういう生活していると浮腫むから余計に健康に悪いんだよ。神様が本当にウィルコ以上に働いていたかどうかは知らないけど」


「…父さんは顔色が良いし艶々してるね」

神様の身体がビクッとした。



「お邪魔しますよ」

シモンさんが来た。


「ウィルコの怒りはもっともだと思いますよ」

「シモン…」

「しかし父が同じくらい働いて努力していたのも本当です」

「シモンさん…」

「カレンさんの推測通りスイーツ類の消費量が労働時間に比例して大幅に増えていたことは勤怠記録と発注明細で確認済みです」


シモンさんが眼鏡をクイっとした。


「問題の原因は父の管理能力です。自分に都合の良い話をする狡猾な者の本質を見抜けず重用したことが原因です」


 シモンさんの上司だった人のことか。その人が未熟な世界を次々と生み出しちゃって私に白羽の矢が立ったんだよね。


「元凶は罪人として囚われて裁かれましたが生み出された世界は放っておけません。当分の間、時間外労働が続くと思ってください。孫狼と毎日キャッキャ、ウフフ出来ると思ったら大間違いですよ」


「そ、そんな…」

 神様が涙目で私を見る。孫狼って私のことか。


「週に一度程度、孫狼との交流を許可します」

 私の許可なく決めやがった。いいけど。っていうか毎晩一緒に眠ってるから交流はあるんだよね。


「ウィルコには引き続き3つの世界をお願いしたいのですが」

「構わないよ。とっくに情が湧いているし、もうほとんど手離れしたし」

「感謝します」


「ウィルコ君とも週に一度?」

 涙目の神様が上目遣いでシモンさんとウィルコを見上げる。


「問題が片付くまでは」

「じゃあ週に一度、僕もここに遊びに来るよ」

神様がウィルコの家に遊びに来る宣言した。


「…仕方ないな、受け入れるよ」

「ありがとうウィルコ君!」

神様が嬉しそうだ。


「じゃあ、ここに僕のお部屋も作ってね!」


ご機嫌の神様も一緒にウィルコの家にお泊まりすることになった。

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『飼い主を召喚しました ⋃ ╹ᗊ╹ ⋃』


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