表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

261/284

【番外編】みんなひどい!

「うぉーん!神様ー!」


 小さなカレン子狼が泣きながら神様に駆け寄った。


「どうしたの?」

 仕事の手を止め、執務室に飛び込んできた毛玉を受け止めた神様が小さなカレンを優しく撫でる。愛犬家の神様は、孫でもあるモフモフのカレンを溺愛しており、デレデレだ。


「またルイスが私を落っことした!」


 父性に目覚めたルイスはカレン子狼のうなじを咥えて運ぶことがある。

しかしルイスはモニカの弟だけあって天然の粗忽者だった。

 今日はカレンを咥えて運んでいる最中にモニカとヨルを見かけて『姉ちゃん!』と呼びかけてカレンは落下した。


「痛かったの?」

「痛くないけど怒ってるの!」


 ルイスが度々カレンを落っこすので神様がカレンを頑丈にしてくれたから痛くない。でも痛くなければ良いという問題ではないのだ。


「…はい。カレンちゃんを、もう少し頑丈にしてみたよ、どうかな?ルイス君はこれからもボトボトってカレンちゃんを落っことすと思うけど、これなら僕も安心だよ」


 カレンをボトボト落っことすという表現にカレンの表情が嫌そうに歪む。モニカとルイスの父親だけあって神様もアレだった。



「……っていうことがあったんだよ!」

 カレンは神様のバカ!という捨て台詞を残して神様の執務室を飛び出し、ウィルコのところに転移、愚痴を聞いてもらっていた。


「父さんって、ちょっとズレてるんだよね」

「ウィルコは分かってくれる?私を頑丈にするんじゃなくてルイスが私を落っことさないようにして欲しいんだ」


 しかしルイスの天然を愛する神様はルイスを修正してはくれなかった。うっかりを治したらルイスの愛らしさが損なわれるという理由だった。



「カレン、やはりウィルコのところだったか」


カレンを迎えに来たのはヨルだった。


「ルイスから話を聞いた。ルイスが落ち込んでいるぞ」

 耳と尻尾を垂らすルイスの姿が脳裏に浮かぶ。


「俺がカレンを運んでやろう」


 ヨルがカレンのうなじを優しく咥えた。こうなるとカレンは動けない。


「僕も早めにルイスと仲直りした方が良いと思うよ」

 ルイスの元に帰るようウィルコがカレンを諭す。


「カレン!」

 ヨルが振り返るとモニカ狼とルイス狼がいた。

「モニカ」

 カレンを咥えたままヨルが喋った。


ぼて!


カレンが落下した。



「あ…」


「ヨルのバカー!」


 子狼なカレンがウォンウォン泣いた。

ご訪問ありがとうございます。

来週も更新できるよう頑張ります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

よろしければ、こちらもどうぞ。
『飼い主を召喚しました ⋃ ╹ᗊ╹ ⋃』


― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ