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第198話 手作りジャムと焼き立てスコーン

 ソニアさんとユセフさんたちの仕事は順調だった。

「特に問題は起こっていないようだね」


 プライベートでの課題である家事については頑張ってくれとしか言えない。ソニアさんとユセフさんよりも息子さんたちやマスードさんが大変そうだ。



「僕らは旅の準備をしよう」

「コンビーフとベーコンとミートローフを作りましょう!」

「大賛成だぜ!姉ちゃん」


「ちょっと待ってね、お肉を買うから」

 私がタブレットを起動してインターネット通販アプリを立ち上げるとルイス狼とモニカ狼が両側からのぞき込んできた。両側にモフモフで嬉しい。



「もっと大きな塊はないの?」

「豚や牛の大きさはだいたい決まっているから…」

 個体差はあるけどモニカの理想のサイズの牛や豚などいない。


「それにコンビーフを作る時、5〜6cm幅くらいを目安に厚みをカットするじゃない?カットした方が塊のままよりもブライン液が均一に染み渡って美味しくなるし」

「そういえば大きければ良いって訳じゃ無かったわね」


「たくさん有れば問題ないな!」

 ルイスに促されるまま数量を確定した。


どすん!


注文を確定したら段ボールがすぐに届いた。


「じゃあコンビーフとベーコンとミートローフはモニカとルイスに任せてもいい?」

「いいわよ!」

「腕が鳴るな!」

 モニカとルイスが張り切って人型になる。こうなった2人は無敵だ。美味しい加工肉が出来るよ。


「あの2人の様子だと僕たちが食べるための加工肉は充分だよね、僕らはどうする?」

「交易に使うジャムでも作ろうか」

「いいね!」



 春なのでリンゴもイチゴもある。フルーツの種類は多くないけど充分だ。

「秋になったら甜菜糖もフルーツも収穫期だから楽しみだね」

「そうだね!秋になったらいろんな種類のジャムを作ろうね、今日はリンゴとイチゴのジャムの他にミルクジャムも作ろうよ」

「いいね!」



 イチゴとリンゴを並行して作業するよ!

お鍋にイチゴ、メープルシュガー、レモン汁を入れて軽く混ぜ合わせておく。


 皮をむいたリンゴは四つ割りにして芯を取ってから、いちょう切りにする。お鍋にリンゴと皮とメープルシュガーを混ぜておく。


「イチゴのお鍋は良さそうだね」

 水分が出たら火にかける。沸騰して灰汁が出てきたら取り除く。焦げないように混ぜながら煮つめて出来上がり。


「この灰汁を紅茶に入れてロシアンティーにすると美味しいって漫画で読んだよ」

「後で試してみようよ」

「いいね!次はリンゴジャムね」


 リンゴのお鍋も火にかけて灰汁を取りながら煮る…リンゴが柔らかくなったら、レモン汁を加えてさらに煮て皮を取り出して出来上がり。


「次はミルクジャムね!」


 牛乳、生クリーム、グラニュー糖をお鍋に入れる。ゴムべらで混ぜながら火にかける。煮立たせないように注意して、色が濃くなってきたら焦がさないようにね。とろみがついたら出来上がり。1時間くらい混ぜ続けるから結構大変。



「ジャム作りって楽しいね!」

「ミルクジャムにバニラビーンズ、リンゴジャムにシナモンスティックなんかを入れても美味しくなるよ」

「リンゴとシナモンは絶対に合うね!」

「アップルパイの組み合わせだからね」


「他にはどんなアレンジがあるの?」

「お酒!お菓子作りの定番リキュールのキルシュはジャムに合うと思う。フルーツの赤ワイン煮みたいなスイーツもあるからワインも合うかもね!」

「いいね!」


「今回はいつものダッチオーブンで煮たけど銅鍋で煮ると銅イオンの作用でフルーツの色が綺麗なジャムに仕上がるって聞いたことあるよ」

「へえー、そのうち専門店が出来たら神託してみようかな」



「ねえウィルコ、スコーンを焼かない?」

「スコーン?」

「焼き立てのスコーンに出来立てジャムとクリームチーズをつけて食べようよ」

「焼こう!」


 ウィルコが手早くスコーン生地を作ってオーブンに入れた。



 ロシアンティーと焼き立てスコーンと出来立てジャムとクリームチーズは最高に美味しかった。

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『飼い主を召喚しました ⋃ ╹ᗊ╹ ⋃』


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