第195話 次の目的地
「いつ頃、旅立つ?」
まあ旅といっても私たちは転移で移動するし、夜は結界に戻ってお風呂に入ってベッドで眠るから旅と言えないんだけどね。
「まずは目的地を決めないと」
「遠くない場所がいいな」
サッと出かけてパッと戻って、夏に王都でアイスを広めたいウィルコ。
「いやいや醤油だろう?唐揚げや豚肉の生姜焼きを堂々と食えるようになるぞ」
醤油や味噌を見つけて甘辛い肉を広めたいルイス。
「香辛料は遠くて暑いのよね…」
亜熱帯の香辛料でカレーを作ってカツカレーを広めたいけど暑い気候が苦手なモニカ。
「紅茶とか緑茶を飲めるようになりたいな」
お茶好きな私。
見事に意見が分かれた。
「東へ行くか南東へ進むか…どちらにせよ途中までは同じルートになるよね」
「俺たちは転移で移動するから距離も位置も関係ないぞ」
「両方行っちゃう?南東の亜熱帯だけは保留で」
「夏は王都に戻ってアイスを作ろうよ!」
距離と時間の辻褄は合わないけどウィルコの強制力で誤魔化すらしい。強引だな!
「じゃあ旅の前にご飯の作りだめしようよ」
「いいな!」
「コンビーフとベーコンは多めに作りましょう。ミートローフもね」
ウィルコの意見にルイス狼とモニカ狼が尻尾を振って賛同する。つまみ食いする気満々だな。
「国全体の発展具合もチェックしながら移動したいね」
ソニアさんとユセフさんたちの仕事ぶりが、どう捉えられているのか現地の人々の反応を感じたい。
選挙の後、行政に関してこれから私たちは出来るだけ手を出さないようにするって4人で決めたけど気になるものは気になるのだ。




