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第190話 春の祭

「パンを焼こうよ!」


「唐突だね、作り置きが減っているからちょうどいいけど」


 春といえばパン祭りだよね!


さっそくウィルコが大量の生地を捏ねてくれる。

「パン・ド・ミは多めに焼いておこうか」

「ルイスが好きなクロックムッシュや、モニカが好きなカツサンドで必要だもんね。バケットやパン・ド・カンパーニュも焼こうよ、具材をたくさん用意してタルティーヌにして食べよう」

「いいね!」



 ウィルコと盛り上がっていたらモニカ狼とルイス狼が小走りでドスドスやってきた。今日もデカ可愛い。


「カレーパンは作らないの?」

「ソーセージパンとベーコンエピがないと駄目だろう」

「モニカとルイスも手伝って!好きな具を好きなだけ入れて焼こうよ!」

「それは良いわね!」

「姉ちゃん、人型になろうぜ」


 ルイスとモニカがやる気になったので、つまみ食いで具材が半減する恐れも無くなった。なぜか自分たちで調理する時はつまみ食いしないんだよね。

 モニカが張り切ってキーマカレーを作り、ルイスがコロッケやトンカツを揚げる。カレーパンとコロッケパンとカツサンドの準備だ。カツサンドに使うキャベツの千切りなどはウィルコが用意している。ウィルコは今日もナイスなサポートぶりだ。


 ソーセージパンのソーセージは2人が好きなメーカーをお気に入りに入れてあるからたくさん買おう。タブレットで通販アプリを起動、どんどんカートに入れて注文したらすぐに届いた。


どすん!


「ソーセージとかハムとかパンに入れると美味しいものが届いたよ」

「やった!俺と姉ちゃんの好きなやつだ」

「嬉しいわ、ありがとうカレン」



 私はカスタードクリームとリンゴ煮でも作ろうかな、これは電子レンジで簡単に作ろう。ついでにチョコカスタードも作っちゃおう。


 カスタードクリームやリンゴ煮はウィルコ用。ルイスのためにホワイトソースも作ろうかな、さすがに電子レンジでは無理だな、お鍋で丁寧に作ろう。ホワイトソースは滑らかじゃなきゃ美味しくないもんね!

 ホワイトソースを味見したら美味しく出来た。これだけあればルイスがクロックムッシュをお代わりしても大丈夫。



「そろそろ発酵も良いみたい。好きなものを入れて成形しようよ」


 ウィルコの呼びかけでみんなで成形した。


「嬉しいなカスタード多めに入れちゃおっと、リンゴ煮と一緒に入れると美味しいんだよね」

「その組み合わせ、私も好き」

「じゃあカレンには小さめに作ろうか」

「ありがと、ウィルコ」


 ウィルコは器用にメロンパンも作ってた。ウィルコはアメリカかぶれだけど昭和の街のパン屋さんらしいメニューも好きだよね。


「姉ちゃん、チーズ入りのカレーパンも作ろうぜ」

「ルイスったら素晴らしい提案だわ!」

 モニカとルイスのカレーパンはプロっぽい。カレーの種類ごとにカレーパンの形を変えているし大きさも正確に揃えている。



「みんなでやると、あっという間だね」

 全部の生地をオーブンに入れて焼き上がりを待つのみだ。


「後片付けしちゃいましょう」

「僕はコンソメスープでも作るよ」

 パンに合うスープをウィルコが作ってくれた。


 後片付けを終えてスープを作り終えるとオーブンから香ばしいパンの匂いが漂ってくる。そろそろ焼き上がりかな。


ピー!ピー!ピー!


「焼けたよ!」

「さっそく食おうぜ!」


 モニカとルイスがカツサンドやクロックムッシュを仕上げてテーブルに並べてくれた。

「焼き立てパンの香りって幸せだね!」

「いただきまーす!」


 美味しい…カツサンドもコロッケパンもアップル・カスタードパンも全部美味しい。


「美味い!カレンのホワイトソースで食べるクロックムッシュは美味いな!世界で一番美味いぞ」

「ルイスは褒めすぎだよ」


「カレーパンもカツサンドも美味しいわ」

 モニカは優雅に大食いしてる。大食いと優雅って両立するんだな。



「コロッケパン美味しいー!」

 炭水化物好きなウィルコはコロッケパンが大好物だ。グラコロ・バーガーとかも好きそうだな、今度出前で頼んであげよう。


「ねえ、このコロッケなんだけどジャガイモ比率が高くない?」

「ウィルコはジャガイモ多めが好きでしょう?」

「どうだ?コロッケパンに合うか?」


「モニカもルイスも僕のためにひき肉を控えてジャガイモを多めにしてくれたの?」

「気に入った?」

「うん!すっごく美味しいよ!」

「良かったな」



 1年ちょっとで私たちはすっかり家族だ。


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『飼い主を召喚しました ⋃ ╹ᗊ╹ ⋃』


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