表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

176/284

第176話 シャルキュトリ

 その後も比較的貧しい地域で甜菜の押し売りを続けて今日は結界でお休みの日だ。


「秋が楽しみだね!」

「貧しい地域と豊かな地域の格差も解消できそうで良かったわね」

 ウィルコが嬉しそうなので私たちも機嫌が良い。ルイス狼とモニカ狼の尻尾がご機嫌に揺れている。



「じゃあお祝いね!」

「いいな!姉ちゃん」


 気が早いにもほどがあるけど異論はない。

「じゃあウィルコが食べたいものでお祝いしようか」


「寒い時も暑い時も一緒に頑張ってくれたモニカとルイスが好きなお肉にしようよ。僕は本当に感謝しているんだよ」

 ウィルコが可愛いらしく首を傾げる。


「ウィルコったら…」

「ウィルコ…」


 ウルウルしてるモニカ狼とルイス狼をウィルコがモフっている間に私は検索しようかね。うーん、もう冬じゃないから煮込み料理以外の美味しいお肉を食べたいよね。


 ポチポチっとシャルキュトリで検索した。

シャルキュトリcharcuterieとは食肉加工品全般の総称。chairは肉、cuiteは火を入れるでシャルキュトリ。つまりハム、ソーセージ、パテ、テリーヌのことだ。



「ちょっと高いシャルキュトリを取り寄せて贅沢しようか?」

 タブレットの検索結果を見せるとモニカ狼とルイス狼の尻尾がさらに激しく振られる。



「ソーセージはボイルするのとグリルするのを両方。そのまま食べられる非加熱タイプのソーセージもあるね、全部買っちゃおうか」

「いいわね!」

「美味そうだな!」


「豚レバーペーストと鶏レバーのペーストも買おうか。このお店の豚レバーペーストは滑らかで癖が無くて美味しいんだって。鶏レバーのペーストは上品でクリーミーだって」

「カレンの世界のレバーは美味しいのよね」

「俺たちレバーって好きじゃ無かったのにな!」


「ポークリエットも買おうか、サンドイッチにしても美味しいよね」

「僕、サンドイッチにしたいな。シャキシャキの野菜と合うよね。野菜の在庫を確認してくるよ」

 冷蔵庫をのぞいていたウィルコが頭の上に腕を上げて大きく丸を作ってみせる。野菜はあるようだから買わなくて大丈夫そう。



「あとはテリーヌを何種類か。鴨肉とイチジクのテリーヌはモニカが好きそう」

「カレンのご飯を食べるようになってお肉とフルーツを合わせると美味しいって知ったわ」

 モニカの尻尾がフッサフッサ揺れる。


「エゾ鹿肉のテリーヌ、鶏レバーとトリュフのテリーヌ。私は秋刀魚のリエットも食べたいな、キッシュも買おうか、スープはクラムチャウダーなんかどう?」

「いいな!キッシュもクラムチャウダーも俺の好物だ」

 クリームっぽい味付けはルイスの大好物だよね。


「ウィルコの好きなパンも買おうか、発酵バターのクロワッサン、パン・オ・フロマージュ、パン・サレ…これはいわゆる塩パンだね。あとはフォカッチャとチャバッタ、どれも焼き立てが届くみたい」


 モニカとルイスの好物も買ったし買い忘れはないかな。ウィルコの好きなパンも買ったし。注文ボタンをポチっと。


どすん!


 ダンボールが届いたのでウィルコと一緒にメリメリ開けるとシャルキュトリと焼き立てパンがいっぱい詰まっていた。全部をお皿に出してテーブルに並べる。


「豪華だね!ウィルコの世界の発展を願っていただこうか」


「テリーヌが美味しいわ!鴨肉とイチジクって合うわね」

「クラムチャウダーも美味いぞ、姉ちゃん」


 モニカとルイスはあれこれ食べてご機嫌だ。ウィルコはいろんなパンとお肉を組み合わせて楽しんでる。炭水化物が好きだもんね。


 私はどれからいこうかな… 鶏レバーのペーストにしよう…美味うまー!鶏レバーのペースト美味うまー!


「いくつかサンドイッチにしてみたよ」


 ウィルコが小さなサンドイッチを何種類も作ったのでいただく。これも美味うまあ!


「全部美味いな!」

「本当ね、ウィルコのサンドイッチも美味しいわ」



 お肉尽くしの夕飯は楽しくて美味しかった。明日からのメープルシロップの旅も楽しみだね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

よろしければ、こちらもどうぞ。
『飼い主を召喚しました ⋃ ╹ᗊ╹ ⋃』


― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ