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第175話 甜菜の種を押し売り

「なんの話ですか?」

村長さんがキョトンとしている。ちょっと怯えているかも。


「これ!甜菜は4月に植付けして収穫は10~11月ごろ。もし可能なら今から鉢で種を植えて暖かい場所で元気な苗を育てて!」

ウィルコが甜菜の種を持って村長さんにグイグイ迫る。


「雪が溶けて気温が上がってきたら暖かい場所で育てた苗を畑に植えかえて。秋に昼と夜の気温差が大きくなると甘みのもとになる糖分が高まるんだよ。この辺りの秋は?昼と夜の気温差が結構あるよね?」

「は、はい、あります」


「じゃあ栽培にぴったりだよ!甜菜糖になるのは根の部分。まるまると実った根、1つの重さは800g~1kgになるから!」

ウィルコがグイグイ。


「ウィルコ、作ってみせたら?」

「甜菜は在庫があるぞ」

 モニカとルイスがフォロー。収穫期でもないのに都合良く在庫があるかって指摘する人はいない。



「じゃあ作ってみせるね!これが収穫した甜菜。皮を厚めにむいて1cm角くらいのサイコロ状に切る」


 大きめのダッチオーブンでお湯を沸かして切った甜菜を入れて火にかける。程よいところで甜菜を取り除いて強火で煮詰める。

 灰汁を取りながら1時間ほど煮詰めていくと煮詰まってトロリとしてくるので弱火にして更に煮詰める。

 色が白っぽく変わったら、お鍋を火からおろす。かき混ぜ続けると固まってくるから木のお皿に出して平らにならす。固まったら好みの大きさに割る。


「甜菜から出る不純物(灰汁)を取りのぞいた汁を結晶化させると甜菜糖になるんだ。食べてみて!」


「甘い!」

「本当だ…」

「ああ、甘い」


 村長さんも村人たちも驚いている。子どもたちは大喜びだ。



「甜菜は1個で1kgくらいになるんだ。甜菜の糖分は15%から17.0%くらいだから1個の甜菜から150gから170gくらいの甜菜糖が出来るよ」


 呆然とする村長さんに村全体で栽培する分の種を買ってもらった。村長さんの背後で村人たちが栽培計画について話し合っている。

 耕作地を増やす必要があるけど土地は余っていて、みんながやる気だから問題ないって結論のようだ。張り切りすぎて無理しないでね。



「たくさん作って村で消費する以上の量ができたら買い取るわよ」

「秋にまた来るね!」



 村人たちが嬉しそうに見送ってくれた。

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『飼い主を召喚しました ⋃ ╹ᗊ╹ ⋃』


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