表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/284

第17話 腹ポコ狼の爆舐め

ふんふんふ〜ん。

私の鼻唄が止まらない。


 トマトの生産量が上がるのは確実だ、食料自給率がアップ!食文化の指標も上がるよね!来世に期待しちゃうよ!

 商業組合からの帰りは市場に寄って色々な種類のトマトを買った。宿に戻ってケチャップ作りを教えたらリカルドさんは作り方をすぐにマスターした上に、いろんなトマトで作って比べてた。


 今日の宿の晩ごはんはナポリタンだって。気持ちは分かるけど流石に昼も夜もナポリタンは遠慮したいので私たちは結界で食べることにした。結界に戻ったら四つ足のルイスとモニカが肉肉うるさい。


 今日は時間がたっぷりあるから手の込んだものにしようかな。でもあの二頭が待てないよね。


「今日は唐揚げにしよう!市場で売ってたゴーヤがあるからゴーヤチャンプルーも作るよ、市場で買ったトウモロコシも茹でよう」

 ルイスとモニカの尻尾がグルグルして可愛い。


 唐揚げはコクうまでジューシーなもも肉と、あっさり淡白な胸肉、両方揚げよう。作り置きになるよう余るくらい揚げて旅に備えるよ。


「たくさん揚げるからみんなで準備しよう、2人とも人型に戻って」

 ルイスとモニカとウィルコと4人で下準備、まずはスジや黄色い脂肪の塊を取って食べやすいサイズにカットする。大量の肉の処理なので時間がかかる。

 私とウィルコは普通サイズにカットしてるけどルイスとモニカの食べやすいサイズはデカい。むしろ食べにくいし下味が染み込み難いし揚げる時に中まで火が通らないと指摘して半分にカットさせた。


 次に下味、個人的に下味の順番が大事だと思う。一度にすべてを合わせるんじゃなく、まずは塩・こしょう。次におろしニンニクとおろし生姜、次に酒・しょうゆを揉み込んで最後にごま油。下味を油でコーティングするイメージ。このまま置いて馴染ませる。


 漬け込んでる間にゴーヤチャンプルーを作ろう、木綿豆腐の水切りをしている間にゴーヤの準備。ヘタを切り落としてから縦半分に切ってスプーンでタネとワタを取り除いて5㎜幅くらいにカットして少量の塩と砂糖をまぶして苦味取り。

 豚バラ肉は3〜4cm幅に切って塩・こしょうで下味。水切りしたお豆腐は手で千切っておく。下ごしらえしたゴーヤから出た水分は絞っておく。

 フライパンに油をひいて温まったら豆腐を入れて両面に焼き色がつくまで焼いて取り出しておく。ゴーヤも炒めていったん取り出しておく。空いたフライパンに豚バラ肉を入れて火が通ったら豆腐とゴーヤを戻し入れる。

 塩・こしょう少々で薄く味をつけたら、溶き卵を全体に流し入れて醤油で味付けして出来上がり。


 メインの唐揚げの仕上げだ。

「そろそろ下味が染みたかな」


 まずは小麦粉を全体にまぶす。小麦粉で下味の調味料を肉に密着させるのだ。次に片栗粉を全体にまぶして表面をカリッとさせる。


 いよいよ揚げだ。

 フライパンに油を入れて160度くらいに温めたら衣が剥がれないように油に入れてゆく。

 ひっくり返すのは一度だけ、じっくりと揚げたら、いったん取り出して油を切る。大量にあるから4人でやっても時間が掛かる…。

 2〜3分休ませたら高温で2度揚げ。今度は180度くらい、高温にすると油が跳ねやすいので注意。美味しそうなきつね色に揚った順に取り出して、しっかり油をきって完成!半分以上をアイテムボックスにしまったよ。


 土鍋ご飯と茹でたトウモロコシと具沢山お味噌汁に茶色い唐揚げの山。ゴーヤチャンプルーの緑と茹でたトウモロコシの黄色が罪悪感を薄めてくれるよね。唐揚げを食べすぎなければ良いだけなんだけど。


「いただきまーす!」

 まずは唐揚げから!サクっとじゅわっと美味しい!


「これ美味しいね!」

「ウィルコも気に入った?このレシピは鶏肉の産地に広めようね」

 ウィルコが嬉しそうに肯く。この素直さは美点だよね、この仕事にやりがいを感じてきたよ。ゴーヤチャンプルーも苦味が美味い、味覚が大人で良かった。トウモロコシも美味しい。


「唐揚げは味変したくなったらこのタレを掛けても美味しいよ、油淋鶏のタレ」

 ウィルコより早く反応したルイスとモニカがネギたっぷりのタレをかけた唐揚げをバクっと食べて白米をもりもり食べた。

 長ねぎ、醤油、お酢、砂糖、ごま油、すりおろした生姜とニンニクを合わせた普通のタレと、ごま油をラー油に変えたピリ辛のタレ。

 これも気に入ったらしい、2人からガッガッ!って音がする。また狼に戻った時にお腹がポッコリしちゃうよ。


…食後、腹ポコな二頭の狼に爆舐めされた。よほど唐揚げが気に入ったらしい。

 もういいです!分かったから!って何度も叫んだのにベロベロにされてお風呂に直行した。

 あの世界的なフライドチキンのチェーン店のレシピを再現したくて、再現度の高いWebサイトをいくつかブックマークしてるんだけど封印すると決めた。生まれ変わった来世で本物を食べるよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

よろしければ、こちらもどうぞ。
『飼い主を召喚しました ⋃ ╹ᗊ╹ ⋃』


― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ