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第114話 生ハム原木の最後

「…カレン」

「………」


 冬の間に実施したい教育制度の見直しについてウィルコと打ち合わせをしていたら思い詰めた表情のルイス狼とモニカ狼が2頭揃ってやってきた。


「どうしたの?」

「ハムが終わりそうなんだ…」

「ハム?」

「以前、カレンがインターネット通販で買ってくれた生ハムの原木げんぼくよ」


…ああ、初めてケチャップを王都に持ち帰った頃に取り寄せた原木げんぼくか。


 肉肉うるさい時に生ハムでも食べててよって言えば静かになる魔法の原木だ。共有リビングに置いてある原木を見ると、残りが2食分くらいになっている。


「上手に食べたね、新しいのを買う?何か違うものがいい?」

 急に笑顔になったルイス狼とモニカ狼に前脚でお腹を踏みつけられて逃げられない状態で爆舐めされた…。



 無言の私をウィルコが大きなタオルでゴシゴシしてくれた。

「さっぱりした?」

「…うん」

 死んだ目で答えた。

ルイス狼とモニカ狼は尻尾をブンブン回しながら笑顔でお座りしている。…怒ってはいけない。これは無邪気で可愛いワンちゃんだ。


 タブレットで通販アプリを起動して生ハム原木の一覧を表示する。

「購入出来る生ハムはこれで全部みたい。食べたいのを選んでね。2人とも一度にたくさん食べるから塩分控えめなのが良いと思うよ。この前買ったのはこのハモン・セラーノ」

 塩分控えめで美味しいというユーザーレビューが多かった生ハムを指し示すと、肉球でスクロールしながら真剣に吟味するルイス狼とモニカ狼。


「俺、同じのがいい」

「そうね美味しかったものね。結構いいお値段の美味しいのを買ってくれたのね」

「そりゃあ、どうせなら美味しいのが食べたいよね。せっかくだから食べ比べしてみる?」

「何と比べるの?」

 首を傾げるルイス狼とモニカ狼が可愛い。


「プロシュット・ディ・パルマ。イタリアの生ハムの原木との食べ比べ」

 また爆舐めされそうになったのでウィルコにしがみついたら抱き上げてくれて助かった。


「金華ハムも買おうか。金華ハムは硬くて塩分も強いから、そのまま食べるのには向いていないの。だから料理に使う分だけ買おうね」

 お座りして尻尾をブン回すルイス狼とモニカ狼が可愛い。


「生ハムの残った骨で出汁を取ってリゾット、金華ハムは炒飯にしてリゾットと炒飯で食べ比べ。ハモン・セラーノとプロシュット・ディ・パルマはスライスしてそのまま食べ比べしない?」

「良いわね!」


 世界三大ハムを食べ比べするよ!



 その前に爆舐めされた私はお風呂に入ろうかな。まだ昼前だけど…。

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『飼い主を召喚しました ⋃ ╹ᗊ╹ ⋃』


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