第10話 神様の世界も世知辛い
「シモンさんは事務員だとばかり…」
「ただの中間管理職よ。私たちはその部下」
「……」
シモンが静かだ。
「なんで何も出来ないのに放流しちゃったの?」
子供なのをいいことに無邪気に聞いてみた。
「私は権限を持たない中間管理職なので…」
新しい世界を上手に導くことが出来ず、せっかく創造した世界を滅ぼしてしまうケースが連続して発生したた時、とにかく数を送り出す方針がシモンさんより上のレベルで決まってしまった時代があったらしい。
当然、そんな投げやりな対策は上手く行かない。今度はまだ崩壊していない世界をなんとかせよと決められたらしい。
ダメダメな決定を下したのはシモンさんより上のレベルの神たちで、シモンさんの反対意見は聞き入れてもらえなかったらしい。
「神様の世界も日本の会社みたいだね」
「今はマシになりました。ダメ上司たちは降格の上、僻地の崩壊寸前だった世界に左遷されて、そこで世界の立て直しをやってます。
自分の撒いた種は自分で刈りとれってことですね。ただそんな世界は他にもありまして…ウィルコの世界もですが。
今の上司は柔軟な神なので、ヒトダマの皆さまに協力を仰ぐことも受け入れてくれましたし」
シモンさんがずずっとお茶をすする。
「花蓮ちゃんへの報酬に来世の条件を提示したり、異世界の立て直しのためにインターネットで情報公開することや通販を許可するってのも、あの方でなきゃ許可されなかったわ」
なんか…いろいろラッキーなタイミングだったらしい。
「わたしが報酬をもらえるまでに、その神様が退職して方針が変わったりしないよね?」
花蓮の顔が怖い。本気の質問だ。
「上司が変わろうが契約は成立済みよ、安心して」
「ありがとう地球の神様!次はカナダか南ヨーロッパか南米辺りを考えてるんだ!治安が良くて経済状態も安定してる国がいいな! 暑すぎる所と寒過ぎる所は無しで」
「そういう条件なら南米は候補から外した方が良いかもしれないわよ」
「うーん…でも人っていうか、お国柄が合うんだよね」
「日本は?」
「嫌。絶対に無理」
「よほど辛い思いをさせてしまったのね…」
また地球の神様を泣かせてしまった。
「ごめんなさい、責めてるわけじゃないの」
「カレン!この世界に生まれるのはどう?歓迎するよ!」
ゴミクズを見るような目で睨んでやったら黙った。




