表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

インスピレーションで書いたお話

【コンビニ、肉まん、男女、高校生、自転車、キス、間接キスをキーワードにして書いたお話】

作者: 知美

【コンビニ、肉まん、男女、高校生、自転車、キス、間接キスをキーワードにして書いたお話】


女の子side


 今日もあいつと、帰りに寄るコンビニ。そこで必ず、わたしの好きな肉まんを1つ買ってくれる。今日も買ってくれた。

「ありがとう」

 あいつは返事をする代わりに頷くだけ。

(今日こそは……ちゃんと、聞く……)

 駐輪場に向かいながら、既に食べ始めているわたし。

「旨い?」

(きた……)

 わたしが頷きながら、肉まんを口に含む。すると、何時ものように、わたしが食べかけの肉まんをあいつが静かに奪い取り、それを食べる。

「旨い」

 そう言って、2、3口食べて、肉まんを返される。だから、残りの肉まんは少ない。それを食べてから、わたしは、口を開く。

「食べるなら、肉まん……、2つ、買えばいいじゃん……」

 わたしは俯きながら、発する声。あいつに聞こえたかはわからない。だけど、あいつは静かにこう答えてきた。


男の子side


 こいつに聞かれた答えを答えようとしたけど、言葉に詰まる。

「お前、1つ全部食べきるのか?」

「……ムリ」

「ならいいじゃん」

 うまく誤魔化せたかわからないけど、おれの本音をまだ明かしたくない。恥ずかしいから。

「だって……」

 下を向きながら発する声。どんな顔をしているのか知りたくて「顔……、上げて?」と、やんわり促す。

 辺りは暗いが、コンビニの駐輪場はちょっとだけ薄暗い。だから、こいつの顔色がよくわかる。

(赤くなってる……。可愛い……)

「だって、……」

「だって、何?」

(こいつの口から聞きたい……)

 すると、こいつは、顔をそらしながら、小声でボソボソと言っている。

「聞こえない」

 すると、こいつはおれの耳元に口を寄せ「だって……、間接……キス……しちゃってる……」と、吐息混じりの小声で言ってきた。

「ヤなの?」

 すると、あいつは顔を横にフルフルとふり、否定を示す。

「なら、いいじゃん。ほら、後ろ乗れよ。帰るぞ」

 そう言って、おれはこいつを自転車の後ろに乗せ、自転車をこぎ出す。


女の子side


 自転車の2人乗り。後ろからあいつに抱きつく。何時もは胸が当たらないようにしているが、今日は、違う。当たってる。それがたぶん、あいつにもわかってる。

 (なんか、悔しい……)


“間接キス”


 恥ずかしくてなかなか言えなかった。なのに、あいつに、言わされた。でも、確かに、さっきも言われたように、イヤな訳じゃない。ただ、理由が知りたかっただけ。なんで、毎回、それをするのか。

 そんなことを考えていたら、いつの間にか、家の前に到着していた。

「ホラ、着いたぞ」

「あり、がとう……」

 いつもだったら、直ぐに、家の門を開ける。あいつも直ぐに自転車をこぎ出す。だけど、今日は違う。お互いに、動き出さない。

「何? なんか言いたいことあるの?」

 あいつは頬を指先でポリポリとかいたあと、「あるというか……」と、ハッキリしない。わたしが、あいつに1歩近づくと、あいつに腕を捕まれ、頬にキスをされ、「じゃあな」と言い、自転車をこぎ出した。

 わたしはキスをされた頬を押さえ、あいつの背中を見ることしか出来ない。

(なんで? わたしとあいつは付き合ってる訳じゃない。なのに、なんで、キスされるの?)

 疑問が、次から次へと頭の中に浮かんでくる。わたしはトボトボと歩きながら、自分の部屋へ向かう。その間、わたしの感覚を支配していたのはあいつの唇の感触だけだった。


読んで頂きありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ