ついにスキルを覚えました
デビルラビットを倒した翌日、メイと相談をして休みにした、正しくはレベルアップの確認しに教会に行くのだ
ステータス確認は自分自身では出来ないのだ
アニメや漫画の設定の様に空中をなぞったり、頭でステータス出ろと念じても出てこない
面倒くさいとは思う、しかし確認はしたいという事で教会行こうとなった
「そういえば、メイのレベルってどれぐらいなんだ?」
よく考えたら、メイは冒険者としては自分より先輩である
メイの魔法も自分が知っているだけで3つはある
「あはは、実はあまりレベルとか気にして無くて確認とかしてないんですよね…どれくらいなんでしょう?」
「へぇ、でも魔法覚えるのはレベルアップしないと使えないよね。どうやって覚えたの?」
「私には師匠がいて、師匠に魔法を教えて頂いたのです。とても優しくて、偉大な師匠でした」
「師匠かぁ、俺も師匠が欲しいな〜、なんか凄い技とか教えて欲しいし」
「盗賊の師匠ですね、なかなかいないと思いますけど。弟子になったらソーイチは悪い冒険者になったりして」
「なんだってぇ?こう見えてかなりの悪だぜぇ!すっごい悪い盗賊だぜぇ!」
そうふざけながら街を歩いていた
すれ違い様にフードを深くかぶっている人が目に入った
大抵ああいうのは怪しいんだよなと思ったが、こちらはこの世界に来て最近だ
どうにも出来ない、何も気付いてないふりをして教会に向かった
だが、明らかにさっきのフードの人がついて来ている
後ろをチラッと見るとこちらを追ってきているのがわかる
振り返ると、物に咄嗟に隠れているが結構はみ出している
あと、周りから変人を見るような眼差しを送られている
尾行がバレバレだった
「なぁ…後ろの奴なんだけど、なんか俺らに用があるのかな?なんか可哀想なぐらい尾行がバレているんだけど…わざとか?」
「さぁ?あれだけ下手な尾行は見た事有りませんし、面白いので教会までついて来させましょう!」
「鬼畜だね、メイさん…」
という事で教会まで行った
「おぉ、シーフ君じゃないか!どうだいレベルは上がったかな?」
「そのレベルを確認しに来たんだけど、確認して貰っていいですかね」
「そうかいそうかい…ところであのフードの人は知り合いかい?なんか門の前でうろちょろしているんだけど?」
「いいえ、知りません」
間違いでは無い、関わりがあると言ったら何とかして欲しいと言うのだろう
残念ながらこちらは関わりたくないのだ
「そうなのかい?じゃあ早速見てみようか」
「よろしくお願いします」
神父は水晶に手を当てて呪文を唱える
この前と同じだ
しかし、今回は水晶の隣の紙に手を当てて再び呪文を唱えている
徐々に紙に何かが浮かび上がってくる
「…ふぃー、はいお終いだ。これが君のレベルと使用できるスキルだよ」
紙を差し出される
見てみると見たことない文字だが何故か読める、多分感覚なのだろう
「えー、レベルが23か。どうなのこれ?」
「この短期間で随分と上がったねぇ、まぁ盗賊の限界レベルは100だからまだまだだねぇ。後はこの先レベルが上がり難いところもあるからね」
「はぁ、そうかまだ先は長いのか…そうだスキルだよスキル」
スキルの表みたいのがあり、そこに色々書いてある
「これは…[ドロー][サイレント][デス・バイト][ミスト・アバター]か」
色々とあったが使ったのは1つだけだ
文章を読んでみる
[ドロー]は対象のアイテムを半強制的に奪うもので職業レベルを上げる事に奪いたい物が高確率に狙えるというもの
[サイレント]は行動時の全ての音を消すというものであるが魔力を使用しながらでは無いと発動しない
[デス・バイト]は魔力を消費して出す巨大な爪で形状は使用者の意思よって変化できる
[ミスト・アバター]は霧で身代わりを作り、自分の意思で行動させられる、しかし何かにぶつかると消滅する
と書いてある
説明付きとは有難いこれで戦いも有利になるはずだ
しかし、攻撃のスキルは一つしか無いのだなと思った
後は盗賊にはあると嬉しいスキルだ
『魔力を消費して…あーMPとかのことか、自分の魔力量は分からないけど、消費量も分からないし…まぁ後から聞けばいいか』
ゲームの設定を当てはめると理解しやすい
RPGゲームやってて良かったと思う
「どうだい?だいぶスキルも覚えたし、次の町に行ってみるのは」
「次の町か…ここは確か最西端の町だよな、じゃあ次に行くとしたらどこに行けばいいんだろ」
「王都に向かうなら次はラクムの町だなぁ、あそこが一番この町に近いからねぇ」
「ほう、だいたいどれくらいですか?」
「そうだなぁ、3日だね。馬で」
「え、じゃあ歩きは?」
「ん〜7日ぐらいかなぁ」
「遠いな!」
「まぁ、町は遠いが村が点々とあるからゆっくり行けば良いさ。頑張れ少年、ははは」
全く洒落にならんぞ歩いて一週間かかるとは
元の世界の交通機関が恋しくなってしまう
「どうですか、ソーイチ。良いスキルは習得してましたか?」
「おう、攻撃以外のスキルはあったぞ、メイも見てもらいなよ」
「私は大丈夫です、これがあるので」
と何か小さい板を取り出した
「ほう、精霊板かい?珍しい物を持ってるねぇ」
「何それ?」
「これは自分の職業レベルがわかるプレートです、魔力を込めると自分のレベルと能力とスキルが分かるんですよ」
「へぇ、便利〜って、それを貸して欲しかったなぁ。めちゃくちゃ楽じゃん」
「実は私だけにしか使えないのでソーイチには貸せないんですよ、ごめんなさい」
「そうなんだ、いやでも欲しいなそれ」
「その内どこかで見つかるかも知れませんよ」
「じゃあ、二人とも頑張ってね、神の導きに幸あれ」
と別れを告げ奥の部屋に戻った
「よし、宿に帰ろうか」
「あっ!私町を散策したいです!一緒に行きませんか?」
「うん!いいよ、どうせ今日は休みだし町も巡りたかったから行こうか」
せっかくの休みだこの町も防具屋と質屋と教会と宿しか行ったことが無い
楽しまないとストレスで精神が参ってしまう
遊んで今日1日はリラックスしようと思いながら教会を出た