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第5話 コンテニュー・残り残基4

「投稿が遅れて申し訳ございませんでした」ではすみませんよね。ごめんなさい。第5話を書くのに約一ヶ月も掛かってしまいました。そんなに時間掛かったんだから勿論、小説のレベルも上がってるんですよね?そんなわけありません。いつもの駄文です。ごめんなさい。

実はですね、この小説。察しの通りだと思うのですが、書き留めというものを一切しておりません。行き当たりばったりな小説です。まあ、そんなこと長々と書いてもアレですよね...。

と、言うわけでですね。毎度の通り色々ガバガバな小説ですが読んでもらえれば嬉しいです。

死......し......四......4......?


真っ暗な闇の中に一つの文字が浮かんだ。

何故か完璧に読むことはできなかったが『し』というワードだけは分かった。


立ち上がろうとしたが、何かに強い力で押さえつけられているかのように指一本も動かすことができない。怖いというよりも感情そのものが無くなったようで、何も感じなかった。

...そして、誰かがいる気がする。暗くて何も見えない全てが『無』のような空間であるはずなのに、誰かが隣にいる気がしたのだ。誰なのかと考えている内にだんだんと意識が遠のいていき、また眠りにつくような感覚に陥った。最後に、


あなたは...まだ生きないと...


そう言われた気がした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

目を覚ますとそこには青い空が広がっていた。さっきとほとんど変わりのない空間で遥はあお向けに倒れていた。


「私...死んだはず...」


遥は今の状況が理解できなかった。

下を見ると自分が死んだことが無かったことになったかのように、飛び散っていた血や血だまりが綺麗さっぱり消えてなくなっている。どこかが痛い訳でもなく、すぐにでも立ち上がれるくらいだ。


この事は後で考えよう。とにかく、今は先の事を考えよう。あの子はきっと誰かに操られたりして...。


「...」


本当にそうなのだろうか。ふと、そう思ってしまった。その思考が遥の邪魔をする。もしそうならば、あの子は人間を本当に憎んでいる又は他に理由があって人間を襲っているのだ。自分の考えで。

...いや、大丈夫。多分...きっと...。

確信する事はできず、根拠も何も無かったが信じることにした。そうしないといつまで経っても先へ進めそうにないからだ。

とりあえずはこの崖からどうやって上へ登るかだが...。


「これ...どうやって登るんだろ...」


周りを見たがどこかに上へと続く道が在るわけでもなく、登れるような高さでもない。助けを呼ぼうにもスマホは置いてきたし、持っていたところでこの世界では携帯電話での通信は行われていないだろうから電波もないだろう。

どうすれば良いか。久々に遥の脳はフルパワーで稼動していた。考えて考えて考えて考えたが、


「なんっ...にも!思い浮かばない!」


「...お困りのようだね、お嬢さん。僕で良ければ手を貸すけど...」


遥に声が掛かったのは、そんな感じで途方に暮れていたときだった。


「あなたは...?」


さっき大きな声で言った独り言を誰かに聞かれてたのを恥ずかしいと思いながらも、こんな所で人に会うとは思っていなかった遥はこのチャンスを逃すまいと話しかけてみる。目付きは少し悪いが、遥より身長が高く180cmほどあると思われる。特に悪人要素も無く、パッと見では普通の青年だ。


「僕の名前はヘルト。一応、王城の七属天王の一人で...」


「しちぞく...?なんですか?それ...」


初めて聞くワードに遥は首をかしげた。


「あれ?おかしいな...結構有名なはずなんだけどな...何かごめんね」


自分的には知名度はそこそこあると思っていたヘルトは少し恥ずかしい思いをした。黒歴史になってしまったと言うべきなのか...異世界転生してきて一週間ほどの遥に聞いたのが一番の間違いだろう。


「...で、なんだい?困っていることは...」


気を取り直し、強引ながらもヘルトは話を変えた。


「えーっと...って、まだ名前言ってなかったですよね!?...私は遥って言います。それで、今は崖の上へ行く方法を探しているんです」


遥は慌てて自己紹介した。余程の慌てようだったのか、ヘルトはフフッと笑っていた。


「...私には助けないといけない子がいるから」


「それは、誰のことだい?」


遥が真剣な目でヘルトの事を見ていた為、ヘルトも笑うのをやめた。


「ハーフエルフのルイって子です。多分誰かに操られてるみたいで...」


「...分かった、手を借そう。たまたま僕もエルフの村に行く予定があってね。まずはここから上に上がる事だ」


そう言うとヘルトは遥を抱えて、『お姫様抱っこ』のような体勢に入った。


「え!?ちょ...ちょっと...!」


初めてお姫様抱っこをされ何故か赤面している遥を他所に、ヘルトはおもいっきり腕を振り上げて遥を上空へ投げ出した。

唐突なことに遥は一切言葉を発することが出来ず、重力の作用するままに崖の上の地面へと落とされた。


「あたた...」


今まで与えられてきたダメージとしては一番少なかったが、痛いものは痛い。尻餅をついた遥は四つん這いの体制でお尻を押さえていた。


「さあ行こうか。エルフの村に」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


遥は今人生初、空を飛んでいた。正確に言うと、ヘルトが電気で創られた羽のようなもので空を飛んでおり、遥は抱き抱えられた姿で空中に浮いているといった感じだ。


「!ヘルト降りて!」


遥が何かに気付いた。目線の先には、細身の男と小さな子どもの二人が歩いている。

ヘルトは急いで急降下し、二人の前に立ちふさがる立ち位置に立った。


「見つけた...!」


「って...は!?何でアイツ...」


多分遥の事で驚いているらしい。もしアイツがルイに遥を殺せと吹き込んだのなら、殺したはずの相手が生きている事に驚きを隠せないだろう。しかし、遥も何故自分が生きているのかが分からない。自分が自分自身に問いかけをしたいぐらいだ。


「何者だ。ここらは本来、関係者以外は近づくことが禁止されているはずだが...」


そう、ヘルトは話を切り出した。


「普段は名乗らねえ主義なんだが...お前なら名乗る価値は有りそうだな...。俺はパペル・オートン...ディオーネ教徒さ」


そう言ってパペルは不適に笑う。多分、ヘルトは王城の七属天王というものをやっているらしいので強いとは遥も思っているが、それ以上にパペルの出で立ちやどのような能力を持っているのか分からない不気味さが影響して、ヘルトよりも強いと感じてしまう。


「僕は七属天王・『天災』ヘルト・ライトニア。その宗教名を名乗るということは何を意味するか...分かるな?」


目付きが変わった。ヘルトが反応したのはディオーネ教という謎の宗教のことだろうか。遥はヘルトに聞いてみたかったが、既に戦闘体勢に入っているようでとても間に割り込める気がしなかった。


「では、王の名の元に制裁を下そう」


「...話終わったか?なら、THE END だ」


そう言い終わったパペルは手を前に出し、すっと引いた。


「...っ」


何を察したのか、ヘルトが焦った表情で遥の方を見る。それと同時に遥の前に手を出し、何かを掴んだ。そしてそれを両手で引きちぎった。よく見ると、糸のようなものが遥の首回りに掛かっていた。


「この娘には手を出さないで貰おうか」


パペルは不意打ちが見破られて悔しかったのか「ちっ」と舌打ちをしていた。


「まず...」


辺りが急に暗くなる。遥が上を見上げると、黒い雲はパペルの頭上を中心に遥がいる場所くらいまでの範囲に生成されていた。


「これはどう防ぐのかな?」


防ぐ?遥は疑問に思った。直ぐにでも一発落とせばパペルにダメージを与える事ができるはずだ。もしかすると、能力の分からない相手に攻撃を宣言することにより防ぐ方法、つまり能力が分かるからだろうか。だが、さっき相手は『糸』のようなものを使っていたためそういう事の為に行ったのではないのだろう。


一方、パペルの方はというとあまり焦っている様子ではなかった。


「...なもん簡単さ」


そう言うと指先から糸をだした。その無数にでてきた糸は近くにあった気を侵食し、木の頂上から糸が突き抜け避雷針のようなものになった。


「答えは...」


答え合わせをするかのように、ヘルトは雷を落とした。凄まじい光と音が周りに響き、思わず遥は両手で目をふさいだ。


「...正解のようだな。では次だ」


ヘルトの背後に円を描くように雷のエネルギーのようなものが複数生成された。そして、またも直ぐに攻撃をしようとしない。

まさかとは思ったが、遥は一つの仮説にたどり着いた。ヘルトはパペルを使って遊んでいるのではないだろうかということ。

つまり、ヘルトは『舐めプ』をしているということだ。


「へっ...次なんて与えさせねーよ!」


鋭いドリル状になった糸が一直線にヘルトへ襲いかかった。


「残念だが...お前のターンは回ってこない」


複数のエネルギー弾がドリルの向かってぶつかり、威力を相殺する。


「...もういい、最後だ」


そう言い終わると、ヘルトは腰に着けてあった剣を抜いた。気分が変わったのか、さっきとは一転鋭い眼差しでパペルの方を見ていた。その剣は光をどちらかと言えば神々しいというより、バチバチと帯電しているようだった。


「さあ、君はどうやってこの攻撃を防ぐ?」


その攻撃はさすがにまずいと思ったのだろうか。少しばかりパペルの表情が曇る。

だが、パペルはそんな攻撃など簡単に防げると、自分の力を過信していた。絶対に破ることの出来ない切り札を持っていた。


絶対防御・カマクラ!!


糸がパペルの周りを何層も何層にもドームのように囲んでいった。これがパペルの切り札だ。

一層の糸だけでも鋼のような強度を誇る糸を何層も重ねるのだ。並みの攻撃では貫通することなどできるはずがない。『絶対防御』そう言える証として、今までにこの防御形態を破られたことはなかった。しかし、その異名も彼の前では無意味で無力なものだった。

一瞬の出来事だ。遥から見たら次のコマに移ったときにはヘルトが糸でできたドームより少し先の場所にいたのだ。


「自分から逃げ場を無くしたのが...お前の敗因だな」


ヘルトが剣を戻したときにはドームはの腹ごとごとぱっくりと斬れていた。

糸でできたドームが剥がれ落ち、パペルの姿を見た遥は驚愕した。切り裂かれた腹から出てきたのは血ではなく綿だったのだ。


「人形...だったの...?」


「ああ、これくらい手応えのある人形も久しぶりだったな」


と、始めから相手が人形と分かっていたような言い方をした。ヘルトからしたら自分はただオモチャと遊んでいただけで、飽きたから壊したという理屈で人形を斬ったのだろうか。


「あとは、本体を倒すだけだな」


そう言うとヘルトは目を瞑った。何をしているのかと遥は聞いてみたが、集中して自分の世界に入っているのかまるで遥の声が聞こえていないようすだった。

数秒後、遥はヘルトの凄さを思い知ることとなる。天を切り裂くような稲妻が遥の後ろの方で響いた。


「...え!?」


何が起こったか理解が遅れる。後から聞こえてきた雷鳴を聞いて、ようやく落雷があったことに気がついた。


「本体はあっちに居たらしい...様子を見てくるから、ハルカはその子を保護してくれないか?」


と、ヘルトはルイの方を指差してそう言った。


「分かった」


そう言って遥はルイの方へ駆け寄った。無事で良かったと安心しつつも、今は色々と状況が掴めてないだろうから一から説明しようと遥は頭の中でどう説明するかの構成を考えていた。


「大丈夫だった!?怪我...とか無い?」


けれど、まずは自分の安心という感情が先走った。どう説明するかと考えていた構成は全ては弾けとんでいた。ルイは少しうつむいている様子だったが、遥には特に気になることでもなかった。


「......」


「え?...今何て」


「邪魔スルナアァァ!!」


体を突き飛ばされて遥はその場に倒れこんだ。理解ができない。邪魔するなと言われた意味が分からない。一体どういうことだ。


「何デ邪魔シタノ?...全テ...全テ上手クイクハズダッタ...ノニィ!」


全てを裏切られたかのような、絶望に満ちた表情だ彼が抱いていた感情は、恐怖や安心ではなく怒りだった。


「待って!どういう...」


「何モ分カッテイナイ貴女ガ、コンナコトスルカラ...」


言葉を遮ってルイはそう言う。我を忘れているのか、はたまたこれも自我の内なのか分からないまでに豹変しており、危険ではないかと思う状態まであった。


「ソレ以前ニ、ドウシテ貴女ハ生キテイルンデスカァ?殺シタハズナノニィ...断チ切ッタ...ハズナノニ!」


ルイの目には涙が浮かんでいた。怒り狂うルイを止められる術はもうないだろう。強いて言うならば、圧倒的な力だろうか。だが、遥にそのような力なんて持っているはずもなく、ヘルトが帰ってくる見込みもなかった。

涙が頬を伝ったとき、ルイの攻撃が始まった。

遥の体が一瞬浮遊し、木がある方向へ叩きつけられる。崖から落ちた時は感覚が麻痺していたためか、一周回ってさほど痛みを感じなかったが今回のは桁が違うくらいの痛みだった。声も掠れてしまい、上手く出すことができない。

代わりに口から出たものは本日二回目の血反吐だ。


「弱イ...。弱イノニ、ドウシテデシャバッタ事ヲシタノ?」


助けたいから。そう言いたいのに声が出ない。かすれた視界の中にいる彼のことを見る。どうしたら彼を助けられたのだろうか。痛みに耐えて考えていた遥に追い討ちをかけるかのようにルイは言った。


「...モウイイヤ、死ンデ。二度ト僕ノ前ニ現レナイデ」


『死ンデ』という言葉に遥の心が絞められる。

耐えられる訳もない痛みが、ルイが言った言葉の重みが遥に襲いかかる。

遥の体が浮かび上がる。おそらくルイが最後の止めを刺すつもりなのだろう。

考えることは諦めた。助けたいとも、助かりたいとも思えない。遥は全ての思考を放棄した。

きっと彼から見た私はあの時セトハから言われたようなただの『偽善者』なのだろう。



私は...ただの...



「何してんだ...よぉ!」


彼の声が響く。

灼熱の炎をまとった拳はルイを体ごと吹き飛ばした。

ヒーローは遅れてやって来る。今まさに、遥はそれを実感した。

小説って書く大変。あと多分ですが、今後も投稿期間が空く可能性があると思います。

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