第2話 こんな異世界で暮らすために
ネタはまあまああるのですが、語彙力追いつかないのと細かい内容が思い浮かばないんです。
はっきり言ってヤバイです。
こんな感じですが、読んでもらえれば嬉しいです。
「ここが...目的の場所...!?」
「ああ、ここが西の国で一番栄えてる街。エルドーナだ!」
街を囲んでいるであろう壁の範囲の広さにも驚いたが、とりあえずは
「門...でかっ!」
高さ30メートルはあろう巨大な門は、遥には毎日どうやって開けているのか想像つかないくらいの大きさだった。
街に入ると人の多さ、店の多さに驚く。
果物屋や服屋、こっちはアクセサリー屋だろうか...遥は色んな屋台に興味を示した。
それに、昼間のスクランブル交差点ぐらい人がいるのではないだろうか。
異世界に来てからというもの、驚かされることばかりだ。
「ついたぜハルカ!ここだ、ここ!」
まるで初めて大都市に来た子供のようにアラタはしゃいでいる。
「ちょっと急かさないでよ!アラタ~!」
「アラタ。少しは落ち着いたらどうだ...」
セトハが注意しても落ち着く様子はなかった。
ハルカに早く早くと急かし、待ちきれなくなったのかそのまま建物の中に入った。
「セトハ。ここって?」
目の前の、周りの建物とは比べ物にならないくらい大きな建物指差して聞いた。
「入ってみたら分かるさ...」
質問の答えをあやふやにされたので、気になって扉を開けた。
「いらっしゃいセトハ...と、そっちは?」
受付らしきものに艶がかった赤毛を肩まで伸ばした可愛らしい顔をした女性が立っていた。
多分遥よりは年上だろう。
「私は、遥って言います」
「私はここで受付をしているエル、よろしくね。...それにしても珍しい名前ね」
「あー、実はだな。ハルカは別の世界から来たらしいんだ」
「へー、それは大変だったわね」
軽いのりで自分は異世界人だと言っても信じてもらえる世界観に、少し困惑した。
普通なら中盤まで引っ張ってもいい内容のはずだが...。
「ここは依頼を受ける場、食堂、ショップをかね揃えた、マイプレイスという場所よ」
「メチャクチャ詰めこみましたね...」
「私の自慢の場所なの」
エルさんはフフッと笑った。
「エルさん!隣の国全壊の件どうなりました?」
奥からここの店員らしき人が出てきた。
「あ~。それだったら、後で直しとくから」
「あれ?今さらっと物凄いこと言ってませんでした?」
全壊した国をエルさんが直す。そんなパワーワード、意味が分かるはずもなかった。
「たまにいるんだよな。さじ加減を間違えて国壊す奴...」
「いやいや、それよりもそれをエルさんが直すって...」
「エルさんは時空間の干渉ができて、時間進めるたり、戻すこともできるんだ」
「じゃあ何でここで受付してるんですか...」
チート能力が盛り込まれすぎて、なかなか頭が追いつかない。
「でも、元の世界に帰りたいわよね?」
「え...帰れるん...ですか?」
次元違いの会話のあとにさらっと自分的にはものすごい問いかけをされ言葉が詰まった。
「ええ。またこの世界に帰ってくるのは無理だけどね。ここに来る前の状態に戻れるわよ」
来る前の...状態...
遥はうつむいた。来る前の状態ということは...
「どうした?...少し顔色が悪いぞ」
「具合でも悪いの?」
二人は遥の様子を心配している。
「実は...この世界に来れた理由が、自分が死んだからって可能性があるんですよね...」
そう、自分は一度トラックにひかれて死んだのだ。元の世界に戻ったところでまた普段通りの日常に戻れるかも危うい。
「...そう、それは災難だだたわね」
「...だから私、しばらくはこの世界で住んでみようと思います」
「まあ、それが今一番安全な選択だろうな」
「だったら、この世界のこと色々と教えないとね。立ち話もなんだし奥で座ったら?」
「そういえば、アラタってどこに行ったのかしら...」
周りを見渡したが、それらしい姿は見当たらない。
「おーい!こっちだこっち!」
奥の席からアラタの声がした。
テーブルには食べ終わった皿がいくつも重ねられていた。
「たくさん食べたわね~...」
若干飽きれ気味にそう言った。
「そりゃ食わないとな、強くならないし」
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「まずは...この世界に必須の魔法についてだな」
この世界の魔法には5つの属性があり、それぞれ火・水・風・土・雷。
その他にも光や闇が存在する。
大体の人には適する属性があり、その数には個人差がある。
次は能力について...
「ちょっと待って、その話結構長かったりする?」
いきなりの情報量の多さに、遥の頭は今にもパンクしそうであった。
「えっと...私が質問するから、それを答える感じでいい?」
「別に構わないが。で、質問は何だ?」
「まず、私以外の異世界人ってどんな人?」
「まあ、大体は君みたいな普通の人だな。その人たちが色々なことを教えてくれたから、この世界は発展することができた」
「例えば、どんなことを教えてもらったの?」
「んー、そうだな。十数年前に来た人は金銭の統一をしてくれた。前までは国ごとに金銭の単位がバラバラだったが、今ではサトウという単価で均一された」
「佐藤さんやりやがったな...」
遥は小さな声で突っ込みをいれた。
「他にもギザ10って言うものやケータイという珍しいものまでこの世界に伝えてくれたんだぜ」
間に割って入ったアラタがにっこりとそう言った。
(好き勝手にやられてるな...この世界)
「...他に、質問は?」
「じゃあ...この世界には、魔王っているの?」
「ああ、いる」
「マジ...?じ...じゃあ、『私が世界を征服するー!』とか言い出したりしたら...」
遥は少し恐くなった。そんな事がおこればこの世界の住人はまだしも、自分は一溜りもないと思ったからだ。
「一応、人間側にも魔王の抑止力となる人物がいるからその心配はない。もし魔王とその人物が戦えば、星がいくつあっても足りないからな。それを互いに分かっているからこそ戦いはまずおきない」
「よかった~...いや、色々とよくはないけど...」
「...最後、何でこの世界はインフレみたいなことになってんの?」
「それはだな...」
その昔、一匹のスライムがいた。
そのスライムは唯一スライムの中で修行をするという概念があった。
スライムは修行をした。毎日、毎日、いつも雑魚キャラ扱いして他のスライムたちを殺す人間たちへの復讐のため。
修行を続けた結果、遂にスライムは勇者を一人倒すことに成功した。
そいつが腕利きの勇者だったためか、その事は瞬く間に国中の話題となった。
勇者を倒したスライムを危険視した王様はベテラン勇者を数人、スライム討伐のためにその地へ送った。
しかし、帰ってきた勇者はたった一人、しかも大怪我をしており余りにも無惨な姿だった。
それに驚いた王様は訳を聞いた。
何故お前らのような凄腕の勇者たちがそこまでの被害をうけたのかと。
勇者は答えた。
勇者を討伐できるスライムは一匹だけではなかった。あいつらは強くなることを覚えてしまった。と...
強くなるという行為は魔物たちの間でブームみたいなものになった。
魔物たちはどんどん強くなる。
勇者たちはなす術もなく倒された。
それを危険視した王様は素質のある子供たちに剣術の基礎、魔法の使い方等を教え込ませた。
互いに己を高めあった結果、いつの間にかお互い強くなりすぎていた。
その頃には強い剣術、魔法に起こる反動から守るため、人間の体自体が進化した。
進化は血統にも大きな影響を与え、強い能力の人間ばかりが現れる世界となった。
「こうしてハルカたちの世界で言うところの
『インフレ』した世界が出来上がったらしい」
「へー、何か色々と壮大ね...」
話に聞き疲れた遥はテーブルにへたりつくのだった。
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夕方になりマイプレイスを出たときに事件はおきた。
両腕で抱えきれるほどのパンを持って走っている少年が目の前を通過した。
その後すぐに
「だっ...誰か!その盗人を捕まえてくれぇ!」
と、店の店主のような人が息を切らしながら少年を追いかけている。
逃げていた少年の足元にまるで意志をもったかのような水流がはしった。
水流につまずいた少年はこけた拍子にパンが周りに散乱した。
「お前は盗みを働いた。...覚悟はできているな」
水流の正体はセトハの水魔法だった。
ムチのように水流を操り少年に打ち付けた。
少年の腕や足は傷ができ、無言のまま痛みに耐えていた。
「何故...何故、お前のような奴がここにいる!」
それでも打ち付けること止めず何度も何度も少年を傷つけた。周りの人々は、少しやりすぎではないかと言う声や、こうなって当たり前だと言う声も聞こえた。
「セトハ!もう止めてあげてよ!まだ子供なのよ!?」
我慢できなくなり遥はセトハに迫った。
「止めろだと...ハルカ、こいつは...ここに来てはいけない存在なんだ。ここに来ることが罪にも関わらず、その上盗みも働いた!許される訳がないだろ!?」
セトハも負けずに自分の理論を展開する。
「私は抵抗もしない子供にそんなことして心が痛まないのって聞いてんの!」
「こいつは抵抗できないんじゃない!していないだけだ!自分の罪を受け入れようとしていた!なのにそれを可哀想だと!?勝手に同情してるお前は...ただの偽善者だ!」
「偽善者って...!」
「...お前ら落ち着けよ。周りに人がいるんだぜ?こんな場所で口喧嘩なんて、見苦しいぞ...」
アラタが割って入ることによってこの口論は閉幕した。
セトハからは「少し言い過ぎた」謝罪はあったが、少年には何も言わなかった。
少年は遥に一礼をし、その場から立ち去った。
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夜、バスルームでは遥が優那な時を過ごしていた。
まあまあ広い浴槽の湯船に癒されていた。
お風呂にあがると濡れた体をタオルでふき、体に巻いてドライヤーで乾かす。
帰りがけに貸してくれたエルさんの部屋着を着て風呂場を後にした。
文句のつけ所がない家に遥は満足している。
ただ一つあるとすれば...
「ハルカ、気持ちよかったか?飯にするぞ」
ここがアラタの家ということだ。
宿が見つからなかったため、仕方なくアラタの家に行くこととなったのだ。
ご飯も食べ終わり、雑談の時間になった。
「は~...何で私にはチート能力が付与されてないのよー!普通異世界に転生したら、何かしらのチート能力渡されるでしょ!?」
何も能力が貰えなかった遥はとても不満そうであった。
「そう言われてもなぁ...でも、能力がなくたって俺はハルカのこと好きだぜ?」
「何でそうなるのよ!?てか、何で私のことがそんなに好きなの?」
「んー、よく分かんないけど...なんか好きだ!」
「なんかって...」
半分飽きれ気味に遥は言った。
大体の小説や漫画では異世界に行くと大体主人公がハーレム状態になっているので、これもその延長かと解釈するしかなかった。
「アラタ...。今日の子供って、何であんなに毛嫌いにされてたの?」
遥には今日の少年が受けた仕打ちが納得いってないようだ。
「あの子供はな...ハーフエルフと言って、簡単に言えば妖精と人間の子供ってかんじだな。」
アラタが真面目な顔でそう言った。
「特徴でいえば、耳が普通の人間よりとがってたり、寿命が長かったりするな。それを気味悪がって近寄らない人がほとんどだな」
そういえば、あの子供の耳も尖っていたような気がする。
「でも...何でハーフエルフなだけで毛嫌いにされなくちゃならないの!?...あの子だって、普通の人間いたいはずなのに...」
「昔話になるけどな...」
昔は人間とエルフは仲良しだった。
互いに助け合い共に生活することができた。
ある時、人間とエルフの子供ができた。
人間たちは少し気味悪がった者もいたが、普通に馴染むことができた。
その子供が十年ほどたち、成長した頃に事件はおきた。
なんとその子供が人間たちを襲いだしたのだ。
人間たちは恐れてその家族をエルフたちを村から追放した。
そこから、人間とエルフの仲は悪くなるのだった。
「...」
信じられなかった。ハーフエルフが人を襲っただなんて。今日の子供を思い出すと、もっと信じられなくなる。
「そろそろ寝るか」
「襲ったりしないでしょうね...」
急に現実味のある問いかけとなってそんなことしか言えなかった。
「誰がそんなことするかよ...俺は下で寝るからハルカはベットで寝てくれ」
窓から見える月が部屋を少し照らす。
異世界での初めての夜は余りに寝つけそうになかった。
やっぱ小説って書くの大変...