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0-5 きっと悪魔ってこういう人達のことなんだと思う

短めですが

死の匂いがする。


まだ始まっても居ないのに、死ぬ。しかも顔見知りの犯行で。


「いや、待て待て・・男なら誰でもその、女の子には興味があるもん・・いたっ!?・・とりあえず肩から手を離してくれると助かるんだが・・」

ちょっと力が強すぎて肩に食い込み気味だからな?


「私をここに置いて、その子とイチャラブ展開・・・」

もう綾香の中では、俺が淫獣のようになっているに違いない。選択肢を間違えれば必死!


「なあ、綾香。俺はお前に危険な事をして欲しくないんだよ・・おばさんに顔向けできないからな・・だから頼むよ、ここで俺の帰りを待っててくれないか?」

俺は渾身の決め台詞を綾香に投げかける!どうだ!


「陽・・そんなにまで私の事を・・・」

綾香は瞳を潤ませ、熱っぽい視線を俺に向ける。よし、何とか誤魔化せたか・・!

しかし、俺達だけならこれで良かった。ここにはダメな神様たちが居る。これを失念していた。


『オッケーオッケー、話は済んだ?ならそろそろ装備品とかの説明に入りたいんだけどいいかしら?』

赤い髪の女神がかるーい感じで割って入ってくる。いいぞ、話を逸らせた。


「ん、じゃあフィリアもちゃんと聞いててね。もしかしたらずっと一緒になるかもしれないんだし」


「「え!?」」


俺とフィリアと呼ばれた子の声がハモる。どういうことだ!?


「ちょ、ちょっとメントル様?それは一体・・?」

俺の横に居る綾香の顔が女の子がしちゃいけない顔になっているのは見なかったことにして、金髪女神へ説明を求める。


「いや、だって目標を達成できなかったらその世界でずっと過ごすことになるからね?悠長にしていられないけど、成功するとは限らないじゃない?だから、フィリアをつがいに・・・」

これまたかるーい感じで人の人生を語ってくれちゃったりする。後、つがいって言うな。


「というか、それまでに他の世界の特異点がやられたらどうするんですか?」

俺はさっきの話をきちんと整理するため、質問をしてみた。

何せ勇者は俺達しかいないわけで、同時攻略は不可能なのだ。そこのところどうなんだろうな?


「諦める」


「はあ、諦めるんですか・・・・諦めるの!?」


「だって勇者は今の所二人しか居ないし?ダメなもんは仕方ないって、ははは」


「ならもう相手に好きにやらせて壊させればいいじゃないか!そんな軽い感じならさ!」

流石に俺も頭に来た。その程度の考えなら、いっそもう壊れてしまえばいいんじゃなかろうか。

こんなんに命賭ける必要あるか?


「少年。君の気持ちは分かるさ。でも、まあ、あれだ、各世界に住んでいる人達には罪は無いんだよ。だからできるだけ何とかならないか模索している訳でね。結果、間に合わなければそれは仕方ないってことさ。ハーゲル・・おっと、ハーレルも言っていたけどあたし達は嘘がつけない。諦めると言ったのは本音だが、気を悪くしたなら謝るよ」

そう言われてしまえば返す言葉もない。くそ、要は俺がとっとと救えばいいってことか。


「あ、あの・・わたしも・・ホントに行くんですか・・?」

フィリアが不安そうにメントル様へ聞く。任務としては危険な部類だ、行きたくないのも無理はない。


「行くよ?しっかりね!この子ちょっととろいから、盗賊とかにさらわれないように注意しててねー」

かるーい!?やっぱり軽いよメントル様!?ほらもうプルプルしてるじゃん!!


「ふ、ふぐぐ・・わ、わかりましたぁ・・・」

フィリアは諦めたのか、涙目で答えていた。え、ホントに行くの?大丈夫?その胸は誘拐の的ですよ?

そしてずっと黙っていた綾香がついに口を開く。


「私も・・私も行くわ・・!二人きりなんて羨ま・・陽がその子に悪さしないよう見張らないといけないし!」

やはり着いてくるか・・まあ、さっきの話を聞く限り、世界が危なくなったら綾香一人を送り込むこともありそうだし、一緒に居てくれた方が逆に安心できる気がしてきた。


『話はまとまった?待ちくたびれちゃったんだけど・・・もういいわね?』

椅子に座って俺達のやり取りをみていた、赤髪の女神がよっこらしょっと立ち上がる。


「で、俺達はどうすればいいんだ?」


『まずは持ち物からね。とりあえずこれを改造させてもらうわね』

俺と綾香の、通学で使っている鞄に何か力を込めているようだ。


『はい、これは収納用として使って。一応容量はそれなりに入るし、失くしても手元に戻ってくるようにしたわ。後、あなた達だけ使えるわ。フィリアにはこっちの皮袋をあげる』


「見た目全然変わらないわね・・」


「まあ、あっちに行ってから確かめるしかないな。普通に教科書とか入ったままなのはシュールだな・・」


『次は武器と防具・・と言いたいところだけど、こっちから持ち込みはできないから現地調達で頼むわ!お金は鞄に入れておいたから!』

マジか。あ、確かにお金が入ってるな。


『最後に魔法だけど・・・』


「魔法!魔法使えるんですか!」

綾香が興奮し、食い気味に詰め寄る。そういや結構RPGとか好きなんだよなこいつ。

ファンタジー的な話ってやつ?そういうの。


『え、ええ。とりあえずあの世界は・・・ちょっとメントル、貴女の世界なんだから魔法は説明頼むわ。私の世界と体系が違うでしょ確か?』


「お、そういやそうかも。はいはい、魔法・・魔法ね・・ちょっと失礼して・・」

俺と綾香の頭に手を置いて、何やらぶつぶつと呟いている。

おや、何だか身体がポカポカするな。


「はい、これで身体に魔力を通したから現地で魔法が使えるはずよ。魔法の使い方は・・あ、ハーレルできた?」

ここでずっと大人しかった禿神様(こういうと語弊があるな)がこっちへ歩いてきた。

じゃんけんで負けたからふさぎ込んでいるのかと思ったが違うようだ。


「ほれ、陽君。これを持っていきなさい」

そう言って手渡されたのは・・・・・。


「これ、俺のコントローラーじゃないか!?」


「はい、綾香さんにも」


「あ、はい。ありがとうございます!」

ご丁寧に二つ!?


まさか!!


俺は鞄を開けて確認すると、中古のコントローラーが入っていたビニール袋にはレシートとチラシだけが入っていた。


「い、いつの間に・・・・!」


「どうせ家には帰れないし、便利アイテムになるならいいかなって」

だから何故そう軽いんだ、お前等は!!勝手に人の持ち物を使うんじゃない!


「そのコントローラーで、メニューとかを開けるようにしておいたから、ゲームをやっている二人には馴染みやすいじゃろう。使い方じゃが・・・」

平常運転で使い方のレクチャーに入ろうとする爺さん。


「ちょ、ちょっと待ってくれ。これ元に戻るんだろうな?昨今、コントローラーって結構高いんだぞ?この中古でも割と痛い出費だったのに・・」

そんな俺の希望はもちろん打ち砕かれた。うん、だいたい分かってたけどね。


「え?戻せないけど?」


かるーーーーーーい!!!!


ツッコみどころが多すぎて、いつになったら出発できるのか・・もう世界を壊す側に回った方がいいんじゃないとすら俺は思った。

こっちも期待してくれる人が居るみたいなので、できるだけ頑張って書いてみようかと思いました!


読んでいただきありがとうございます!

もうすぐ最初の世界へ(多分)出発します。


【後書き劇場】


『私、頑張った』


旅立つまでの間だけ、喜ぶがいいわ!!


『自分の世界を救ってもらうの最後って言っちゃったし・・もうないの!?』


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