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異世界を8世界ほど救ってくれって頼まれました。~本音で進む英雄譚~(仮)  作者: 八神 凪
World 1

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1-23 フィリア覚醒? そして敵地へ


 ガサガサと草を分けて海岸へ出ると、丁度フィリアが魔法の特訓をしている所だった。いつになく真剣な顔で海を見つめていた。そして目を見開き魔法を使う!


 「<フロード>!」

 

 ドドドドド……


 穏やかな海が一瞬で荒れ狂い、標的に見立てた木の人形があっと言う間に飲まれズタズタになった! 馬鹿な、あのフィリアが……横を見ると綾香も驚いたのかあんぐりと口を開けていた。

 すると俺達に気づいたプリム姫が声をかけてきた。


 「あら、シルト。どうしたのですか?」


 「うん、そろそろお昼にと思ってね。フィリアさんの魔法、凄かったね?」


 「え、ええ、そうなんだけど……」


 「?」


 歯切れが悪いプリム姫をよそに、フィリアが俺達の元へ走ってくる。


 「あ! ハルさんにアヤカさん! 見てました? 洪水を起こす魔法なんですよ! これなら囲まれた時も一安心……フフフ、レベルアップしちゃいました!」


 カードを見るとレベル27。敵を倒していないが、プリム姫と模擬魔法戦で上がったのだそうだ。プリム姫がフィリアのレベルと同等なので模擬戦ではこれ以上レベルは上がらないそうだ。


 「いや、凄かったぞ。これじゃもうぽんこつとは呼べないなー」


 「やるわね……流石は私の(今の所)ライバル。あ、私もこういうのできるようになったのよ」

 

 シャープエッジでズタズタになった人形に追加で攻撃をする綾香。見るも無残な姿に俺は何となく手を合わせてしまう。だが、プリム姫の言葉でフィリアのこの魔法には欠点があるとのこと……。


 「その魔法……水が大量にないとかなりしょぼい魔法なの……」


 「え」


 つまり、海や湖のような場所でないと操作する水が無いからあそこまでの威力・範囲を起こすことができないのだとか。


 「やはりぽんこつ……」


 「この魔法はそういう魔法だからわたしのせいじゃないですよね!? もういいです……バーベキューですか? 火を熾しますね<メガフレイム>」


 フィリアが呟いた直後、巨大な火柱が立ち上がり集めた木々に引火。ごうごうと炎が上がる!


 「こっちのがすげぇ!?」


 「そうですか? 派手に見えますけど一瞬でボン! って蒸発しちゃうからよく分かりませんけど……」


 「うん、ボン、ね……」


 人間が食らったら一撃で撃破できるであろう凶悪魔法のようだった。と、ともあれ俺達は確実にレベルアップをしたという事である。


 ---------------------------------------------------


 「そろそろ出発しますか?」


 「うん。僕達はこのまま死ぬまでやり過ごそうかと思ったけど、君達が真相を教えてくれたからね。この五人なら対処できると思うんだ」


 「でも相手は国王に扮しているんでしょ? どうやって近づくの?」


 綾香が串焼きにかぶりつきながらシルトへ尋ねる。代わりにプリム姫が答えてくれた。


 「シルトは顔が割れているので後から合流します。城へは……これを使います」


 そう言って出てきたのはタルだった。まさかとは思うが一応尋ねてみると……。


 「それに入って行く、ってことですか?」


 「ええ! 中を検められるとばれてしまうので、四つ用意して、そのうち一つは火薬を詰めておこうかと。いざとなればドカンと……で、残り三つのタルへ……」


 「あ、うん、大丈夫……領主の館と同じってことね……」


 「ですね……」


 「?」


 俺達の事情は知らないので首を傾げているプリム姫。この世界では何かに潜り込んで潜入するのが基本なのだろうか? だとしたら対策を練った方がいいと思う……。

 まあそれはともかく、この世界を救う算段がついたのは大きい。綾香を狙っている神に早いところ思い知らせてやりたいところだ。


 「わんわん!」


 「このお肉……おいしいわね」

 

 サスケとリーザも陽が暮れていく中、バーベキューを楽しんでいた。


 そして準備をして三日後、いよいよ王都に行くことになった。


 ---------------------------------------------------


 王都潜入当日の朝


 カバンに学生服やらをしまい、この世界で一般的な服を用意してもらいそれに着替える。人は多いが、よそ者には敏感との事。見慣れない服を着ているだけで、関係ない人から警戒されるのを防ぐためらしい。

 一応武器なので、コントローラは袋に包んで腰に下げる事にした。綾香も同様で、フィリアは露出が少なくなって何よりだ。


 「向こうへ着いたらまず魔法陣を置いてくれている人物に会うよ。僕も最近話していないから、状況がどうなっているか分からないからね」


 俺達は頷き、魔法陣へ足を踏み入れた。不思議な浮遊感……エレベーターの到着間際みたいな感覚に襲われたかと思うと、目の前が一瞬で切り替わる。


 「ここは……倉庫、かしら?」


 「そうですわ。元、この国の騎士団長、グライドの屋敷なんです。皆さん、こちらへ」


 プリム姫が外に出たので。それを追うと、屋敷の庭らしき場所へ出る。正面からではなく裏口から回り屋敷へ入り、そのままグライドと言う人の私室へ向かった。


 「プリム様、どうされたんですか?」


 途中メイドさん達が不思議そうにしていたが、ここに居る事に違和感は無いようだ。そしてプリム姫がとある部屋で立ち止まりノックをする。


 「どうぞ」


 太いっさんの声が聞こえ、プリム姫、シルトの順で中へ入る。騎士団長ってくらいだからやっぱごついんだろうな……。


 「ごついわよねきっと」


 「ええ、もちろんそうでしょう……今のあの声ですよ? ゴリラみたいな人に違いありません」


 女性陣が推測をしているが、俺もその意見には同意だ。


 「失礼します」


 俺達三人も部屋に入り、ついにグライドさんと対面する事になった……!

 

一ヶ月前か……転ニワ終わったけど年末は忙しい……


いつも待っていただきありがとうございます!


【後書き劇場MK2】


いやあ、忙しい……


『年末の魔物ってやつね』


それはクソゲーだろ……

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