女性達の反乱
彼は天才であった。彼は一日中研究室に籠り幸福についての研究をした。幸福とはなにか。それは彼にとって唯一知らないものと言っても過言ではない物であった。研究をしている時が幸せか? 否、私は幸せの為に研究をしている訳であって、研究をしている時が幸せではない。では研究が成功した時が幸せか? 否、私は幸せになるための足枷を作っているだけであって、それを本当に幸せにできるかは自分以外の人間が決めることだ。わからない。わからないからこそ、彼は研究を続けた。
ある日、彼は一つの物を作り上げた。それは、相手にスプレーでその液体を顔に吹きかけると、初めて目があった人を恋人と錯覚するというものだった。彼は早速助手を呼び、その薬の説明を丁寧に行ってから、その薬を渡した。助手はそれはまたクズな人間であった。クズであるからこそ、彼は助手に様々な薬を渡しているのであった。
助手はその薬の説明を聞き舞い上がっていた。その薬こそ彼が一番に欲していたものであったのだ。帰り道、助手は早速その薬を使ってみることにした。行きつけのバーに入り、自分好みの女性の隣に座った。助手は言葉巧みに女性と仲良くなり、目に入れても痛くない香水だと言って女性に薬を吹き掛けた。女性は「今から私の家にいかない?」と助手を誘った。「悪くないね」助手はにやりと笑った。
助手はその薬は無意味なものだと思った。助手にとって女性を手にいれることはそれほど難しいものではなかったのだ。助手は少し考えて通りすぎていった自分好みの女性達に向かって薬を振りかけていった。女性達は彼の腕に纏わり付く女性をみて怒りをあらわにし、同じように怒っているいる女性達をみて更に激怒した。
──それから助手が彼の研究室に顔を見せたのはその二週間後の事であった。
相変わらず少ないなぁ(泣)
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