応募要項をよく読まず、推敲もろくにしなかったせいで一次落ちした間抜けな奴、ちょっと手挙げてみろwww
皆さんは小説賞──それも文学賞のようなお堅いものではなく、ラノベ系の小説賞に応募した経験はおありでしょうか?
まあたぶん、ここを閲覧している方はそういった経験(またはこれから作家を志そうとしている方など)がおありだとは思いますが、それならば一度はこんな話を耳にした事もあるはずでしょう。
曰く、一次で落とされた作品は、そのほとんどが募集要項すら守っていない物ばかりで──逆に言えば、募集要項さえ守っていれば一次もすんなり通ってしまう、と。
これがどれだけ真実に沿った話なのかは、出版社で働いた経験もない私には判断が付きませんが、とはいえ、募集要項も守っていない作品が一次を通るはずがないのは確かな事でしょう。これが文学賞だと、仮に募集要項を守っていても、作品の良し悪しで一次落ちする場合もあるそうですが。
何はともあれ、そんな募集要項すら守れていない作品は一次落ちするという話ですが、ぶっちゃけこの噂を聞いた当初、
「募集要項が守れていないせいで一次落ちした作品とかwww」
なんてバカにしていたものですが、ええ……先にあらすじを見た方は、すでにお察しは付きますよね?
はい! バカは自分でした!
ちゃんと募集要項を守っていなかったせいで、見事一次落ちしちゃいました☆(吐血)
いや違うんですよ……募集要項はちゃんと読んでいたんですよ……そりゃもう間違いがないようにって目を皿にどころか血眼で何度も読み返しましたっすよ……。
でも問題はそこじゃなかったというか、もっと根本的に致命的なミスを犯していたって言いますか……文字入力設定そのものに問題があったと言いますか……。
ちょっとここで詳細を説明しますと、わたくし、文章作成はWordを使用しておりまして、もうこれだけでわかる人には「あ〜」と頷きが返ってきそうな感じではありますが、さらに付け加えますと、このWordを使い始めた頃はパソコン自体不慣れな状態でして……。
で、具体的にどんなミスをしてしまったのかと言いますと、まず一つは句読点の字下げ。
パソコンで小説を書いた事がない人にとっては「句読点の字下げとはなんぞや?」と言った感じでしょうが、簡単に言いますと、文末に来る「。」や「、」の事ですね。
例えばがこれが縦20字、横20字での原稿を求められていた場合、文末でちょうど20字で終わってしまいますと、句読点を付ける際に次の行の先頭か、もしくはそのまま文章の最後に付けるかという選択に迫られるわけです(初期設定のWordのままにしていたらという前提の元ではありますが)。
これが「小説家になろう」みたいな小説投稿サイトですと、句読点の付け方なんてそれほど気にするようなものでもないと思いますが、これが小説賞(「ネット小説大賞」のような、サイト内での小説を募集しているものは除いて)に応募した場合ですと、話が変わってくるわけです。
で、先述の句読点の付け方の2パターンに戻りますが、後者のように仮に制限を超える20字以上の状態で句読点を文末に付けても──つまり21字になったとしても問題はない場合がほとんどなのですが、これが前者のように次の行の先頭に渡ってしまうと、アウトになってしまうというわけなのです。
まあ、普段から紙媒体の小説を読んでいる人にとっては、説明するまでもない事かもしれませんが、これがいざパソコンで文章を書いてみると、なかなかネックな問題がございまして。
どこがどうネックなのかと言いますと、わたくしが使っているWordという文章作成ソフトが、なかなかのくせ者でありましてねぇ……。
実はこのWord、初期設定では字下げにしてくれず、最後の文字と一緒に句読点まで次の行に持って行ってしまうのです!
……よし、ひとまず落ち着こうぜYou。そんなもん設定変えればいいだけだろうがとか、お前の使っているWordだけとちゃうんかと言いたい事はあると思うけど、とりあえず落ち付いてMeの話に耳を傾けてはくれないかい?
冗談はさておき、確かにこんなのはわたくしが使っているWord(ちなみにWord2013というソフトを使っています)だけの初期仕様かもしれませんが、設定を変えるのも一苦労なんですよ、これ……。
まず字下げの設定なんですが、基本的には「句読点の字下げを行う」という欄にチェックを入れるだけで済むと言えば済むんですが、しかしこれだけだと勝手に他の句読点や鉤括弧を全て半角にさせられて、明らかに20字をオーバーしてしまうんです。それこそ21字どころじゃなく、22字まで行ってしまったりとか。お前はスーパーの詰め放題サービスで、袋からはみ出るほど野菜をぶち込もうとするおばちゃんかこのヤロー。
まあ最初は面倒でも、ちゃんと他の設定をいじれば済む話ですし、次からテンプレートという機能を使えば、次からいちいち設定する必要もなくなるのですが、自分、この最初の設定の時点でミスっちまいましてね……。
ここまで書けばお察しの事だとは思いますが、この字下げ機能にチェックを入れたばかりに、他の句読点や鉤括弧が全て半角になってしまって、明らかに募集要項である一行の字数規定より多くなってしまったままで作品を投稿してしまったのであります。
だったらなんでちゃんと数えなかったの? と疑問を持たれる方もいらっしゃると思いますが、まず原稿用紙の設定を行う際、行数と一列の文字数をあらかじめ設定しておく事が出来るのですが、それを疑いもなく信用したばかりに、一行の文字数を超過しているとは気付かなかったのです。
そしてその事に気付いたのが、その原稿を出版社に郵送してしばらく経った日の事だったと言うね……。ええ、気付いた時には時すでにお寿司、もとい遅し。もう清水の舞台から飛び降りたい気分でしたよ(あの世に召されたいという意味で)。
これだけならまだ苦々しくも笑える話で済んだのですが、実はまだまだ続きがありまして……。
続きと言いますか、次に書いた二作目の話になるのですが、それもとある失敗により一次落ちしてしまったのです。
その失敗と言うのが、余白のズレ。
余白というのは、原稿用紙の縦と横の空白部分──紙媒体の小説ですと、小文字で章タイトルやページ数が入る部分の事を言うのですが、この余白を設定する際にも、色々と面倒な手間がございまして。
まず余白自体はあらかじめ数字が設定されているもの以外に、任意で数字をいじって余白の大きさを変える事が可能ではあるのですが、これを適当にいじくってしまうと、文字数がズレたり、文字と文字の感覚がバラバラになったりと、様々な問題が起きてしまうのです。
特に問題なのが、設定していた行数や一列の文字数が多くなったり少なくなったりと、そのままにしていたら確実に選考から漏れてしまうだろうという点にあります。
ぶっちゃけますと、二作目に書いた小説も、この余白のズレによる文字数の過不足により、前作と同じくあっさり一次落ちしてしまったのです。
というかそれ以前に、この二作目も例によって例のごとく投稿して少し経ったあとに重大なミスに気付いてしまったのですが、もしやと思って一作目を読み直してみると、見事こちらの方にも同様のミスを犯していまして。
とどのつまり、仮に前作で句読点の設定を直していたところで、どのみちこの余白のズレで落とされていたというわけですね。
もうね、その時の気持ちと言ったら、
「ヴェアアアアアアア!?」
と奇声を上げながら近くの川に太宰ダイブしたくなるほどでしたよ。恥の多い生涯を送ってきたという自覚はありましたが、ここまで己の迂闊さに悶えた事は他にありません。
しかもね、当の本人はすでに賞を受賞して小説家にでもなったような気分で、作品を郵便局に持って行くわけですよ。
「これで受賞すれば夢の小説家デビュー。しかもそれで売れれば印税がっぽがっぽで笑いが止まりませんわ。ガハハハハハ!」
とか思ってるわけですよ。ええ、バカ丸出しなわけですよ……。
いやちゃうねん。作品を書き上げたという達成感でテンションがおかしくなってただけやねん。いつもはもっとクール&だんでー&みすとぅりー&ぜくしぃやねん。あ、最後は結婚情報誌か。
それはともかく、以上のミスにより、二作とも一次落ちしてしまったのです。ちゃんと推敲して募集要項通りに書けていれば、一次くらいは通っていたかもしれない(ちなみに一作目は電撃文庫で、二作目はファミ通文庫に送りました)のにね。それで評価シートくらいは貰っていたのかもしれないのにね。せっかくどっちも二、三カ月くらいかけて書き上げたというのにね。自分の間抜けさにヤんなっちゃうね……。
とまあ、ここまで自分の間抜けっぽりを赤裸々に語ったわけですが、どうやらわたくしみたく間抜けとは言わなくとも、調べるに以外と似たようなうっかりさんが割といらっしゃるようで。
例えば前回の電撃文庫とガガガ文庫の一次落ちした作品数を見てみると、なんとこれが電撃文庫ですと4878本中661本。ガガガ文庫ですと1328本中104本もあったそうです。驚きの数字ですね。
まあさすがに私のような間抜けはそうそういらっしゃらないでしょうし、タイトルを見て思わず挙手しかけた方も「お前みたいなのと一緒にするんじゃねぇよ」と唾を吐き捨てている事だとは思いますが、それでも私は声を大にして言いたい。
みんな! ちゃんと募集要項は読んでおこうぜ!
そんで、推敲も何度も繰り返してやっておこうぜ!
でないと、自分みたいに樹海へGOしたくなるような気分を味わっちゃうぜ!(血涙)
では改めて、ここで己の間抜けっぷりを書き記しておきます。
募集要項を読んでおきながら、何度も推敲をしなかったがために一次すら通らなかったのは誰か?
はい。わたくしでございます。
不慣れなパソコン作業だったくせして、誰かに教えを乞う事もなく「こんなん実用書でも読んでおけば全然楽勝だってばよ!」と己を過信したのは誰か?
はい。わたくしでございます。
まだ結果も出ていない内に、超売れっ子小説家になって、札束の海にルパンダイブしている自分を妄想してウハウハしていた守銭奴は誰か!?
はい! この卑しい豚野郎にこざいます!
以上、わたくしの黒歴史&失敗談でございました。
みんな、くれぐれも俺みたいな奴には絶対なるなよ……?(暗い過去を背負った、歴戦の戦士みたいな顔で)
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念のため、これを読んで今から作家を目指そうとしている方々に言っておきますと、小説賞の中には、親切にもその小説賞に合った書式をダウンロードできるところ(MF文庫など)もありますので、ぜひとも情報誌だけでなく各サイトの募集要項や投稿の仕方なども確認してみてくださいませ。わけがわからないままに自分で設定するより、そちらの方が無難(人によっては好みも生じるかもしれませんが)だと思いますので。
もっとも、自分みたいなネット環境の整っていない人にとっては、全然関係のない話なんですけどね! ヴェアアアアアアアア!!