第三十二話____クソ喰らえ
前回に引き続き下品で汚い回になります
シグマは息を切らしながら、足を止めた
視線の先にあるのは、数分前と同じ光景。
シグマは木の葉を慎重に開き、乾燥し少しずつ固まってきた何かの糞を丸め、糸の先端に練りつけた。糞が奏でる ぬちゃりぬちゃりという音はシグマを不快感の世界へと誘うようだった
ゆっくりと糸を川に下ろし、先端の糞が水に触れた時、茶色の波紋が広がった。
「うわっ!汚ねぇっ!ふざけるなよ!!」
思わず怒りを口にしてしまうほどの地獄絵図。
綺麗な水に広がる糞を見ているシグマの心は、川の水と比例しながら汚れていく。
数分経った頃、水が激しく騒ぎ出した
大きな波が、徐々に糞の波紋へと集まり始め、そのうち茶色の汚らしい魚が大量に顔を出した。
シグマは この最悪な光景を前に、呆気にとられていたものの竿に強い手応えを感じ我に返った
本来ならば絶対に食べたくない魚だが餓死寸前のシグマにとっては貴重な食料。力強く竿を引っ張ると間抜けな顔をした茶色の魚が宙へ舞った。
その魚を手に取ろうとした瞬間、まるで生ゴミのような刺激臭がシグマの鼻に攻撃を仕掛けた。
「うっ!クッサああ!」
軽い嘔吐に耐えながら、呼吸を最小限に抑え、家に持ち帰る。家に着くと早速お腹を開き内蔵を取り出した。皮も剥ぎ一口サイズに切った後、しっかりと火に通し、木の皿に盛り付けた。
臭みの原因は、ほとんど内蔵にあったのか、先程までの臭いは、ほとんどない、が完全に臭いが消えているわけではないため普通なら これを食べようとは思わないだろう。
「臭いは気になるが、今はそんなもん気にしちゃいられねぇ!さてと、いただきます」
とにかく汚くてすいません