第二十六話____鳴る骨の理由
暗闇の中を歩き続けること数十分
突然足元で『カラン』と音がした
何かを踏んだようだが暗すぎて何を踏んだのか分からなかった
音の正体を手に取り僅かに光が差し込んでいるところまで持っていった
その物体に光が当たり正体が明らかとなった時シグマは思わずうわっと声を上げてしまった
それは野生の動物の骨だった
肉をしゃぶり尽くされ骨だけになったようだ
「間違いなく この先にヤバイ何かがある」
本当なら すぐに引き返すべきなのだが これまで多くの修羅場を超えてきたシグマにとっては恐怖ですらなかった
さらに進むと 『うううううう がルルル』何者かの唸り声が聞こえてきた
シグマはその声の方へ足を進めると 真っ黒な体にまるで血が流れたかのような赤い模様 鋭い牙さらには理性を失ったかのような目をした犬が宙に浮いていた
例えるならソンビ映画に出てくるゾンビ犬だ
「なぜ犬が浮いているんだ?」
シグマは正体不明の この犬がいつ襲いかかってきても大丈夫なように身構えた
すると犬の後ろが真っ赤に光る
その瞬間 ザクッザクッぐしゃぐしゃぐしゃ と音がした後に『カラン』と虚しい音が響いた
さっきまでそこに居た犬は消え代わりに真っ赤な血の池が出来た 池の真ん中には骨が落ちている
短い惨事の間にシグマは犬がなぜ浮いていたのか理解することが出来た
目の前にある巨大な蜘蛛の巣に引っかかっていたのだ そして今 犬は蜘蛛に喰われた
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