第十三話____自分のため
ん?待てよ
シグマは ある事に気がついた
あの女が邪魔した?その男を逃がした?
もしかして俺がドアをきっかけにトラブルになったあの日のことか……
となると俺はあの女性に助けられたおかげで 今日まで生きてこられた 俺を助けたせいでこの組織に狙われた
君まで命を狙われてしまう?
あの女性は俺のせいで命を狙われているというのに それに構わず全て一人で抱え込もうというのか
シグマは無言で女性の相手をしていた男達に近づいた
俺が起こしたトラブルだ
これ以上 あの女性を巻き込むわけにはいかない
「アンタらのリーダーの居場所を教えろ」
俺がリーダーを倒して全てを終わらせる そう考えていた
「なんだ……お前まで あの女と同じことを聞くのか」
驚きの衝撃がシグマの全身を襲った
あの女性もリーダーを倒して全てを終わらせるつもりだったのか
男は話した
「もうどうだっていい 教えてやるよ この城の門を出て反対側に行ったところに小さな山がある その山の洞窟だよ」
森の真反対か
シグマはそこに向かおうとした
すると男は言った
「俺達はやりたくて殺しをしているわけじゃない家族や恋人を人質にとられて仕方なくやっている奴がほとんどだ 頼むリーダーを倒して俺達を救ってくれ」
「俺達を救え?アンタら彼女の命どころか 少し前に俺の命までとろうとしたよな?そんな奴らを救う気はねぇ」
男は震えた声で言った
「頼む……」
「俺は俺の平穏の為に 心の平穏の為に戦う だから期待だけして待ってろ」