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第十二話____狙われた命

女性はシグマの質問に即答した


「嫌だ」


シグマは呆気にとられた

少しの沈黙の後 驚きを隠し切れていない口調で言った


「名前くらい教えてくれても……」


「人に名前を聞く時は自分から名乗れと教わらなかったか?」


どうやら上下関係をハッキリさせたいらしい


「俺の名前は シグマ最近この世界に来た それであんたは?」


「名前は言えない」


ただ名乗りたくなかっただけのようだ

冷たい風がシグマ達を包み込んだ


恐らく今は夜中の十二時位なのだろう


「こんな寒いところにいると風邪をひいてしまうぜ 住む家がないなら俺の家に来ないか?」


先日 言えなかった事をようやく言えた

女性は不安そうに言った


「何かいやらしいことを考えて……」


シグマは女性の声をかき消すように言った


「いや 考えてねぇーから!変な誤解はやめてくれ!!」


女性は冷静に口を開いた


「冗談だ 気持ちは嬉しいが私がいると君の命まで狙われることになる」


シグマは疑問に思った


「命が狙われる?一体どういうこと……」


「とにかく今日の事は感謝する ありがとう」


そう言い残すと女性はシグマに背を向け立ち去って行った


シグマは女性の発言におかしな点をいくつか見つけた


さっきの発言からすると女性は何者かに命を狙われていることになる それなのに こんな路地裏で寝泊まりしているのはおかしい


昔から狙われているなら こんな所にいつまでもいないはずだ という事は命が狙われ始めたのは最近か?


シグマは なぜ名前を隠す必要があったのかも気になっていた


(もしかして賞金首か何かか?)


そんな事を考えながら 役場前まで歩いた

さっきの男達がまだいる


(もしかすると コイツらから何か聞けるかもしれねぇな)


シグマは男達に近づき女性について聞いた


「なぁあんたら なぜ彼女を狙うんだ?」


すると一人の男が口を開いた


「うるせぇ そんなもん答える必要ねぇだろ」


「ほぉ」


シグマは矢を手に取った


「次は生かさねぇぞ」


完全に嫌なやつになっていると思いつつも脅してみた


「殺すなら早くしろ」


話してくれそうにねぇな と思った時 別の男が口を開いた


「お、俺達の仲間をボコボコにしやがったから仕返ししてやろうって話だよ」


見るからに下っ端だ


「本当は あの女だけじゃなくて別の男を殺すつもりだったんだ でもあの女が邪魔したせいで その男を逃がした上 特定することも出来なくなった」


下っ端は口が止まらない


「リーダーは自分を馬鹿にされる 貶されるのが大嫌いなんだ 俺らがボコボコにされたって事はリーダーの顔に泥を塗ったことになる だからその相手を殺すまで徹底的に追い詰めるのがリーダーのやり方なんだ まさか俺達を敵に回す怖いもの知らずが存在すると思わなかった」


別の男が もうやめろと怒鳴っているのにもお構い無しだ


「俺達に逆らって生きているもんは お前と あの女と もう一人その女に救われた雑魚くらいだ こんなにも話したんだ 命だけは助けてくれ」


シグマは冷たい口調で言った


「お前ら殺さねぇと俺 狙われてしまうだろ」


「ヒイイイ」


男の一人は情けない声を漏らした

シグマは殺人鬼の様な目で男達を睨んだ







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