第十一話____風弓
戦闘回ですよ!!
僕もちゃんとした戦闘回を書きたくてウズウズしてました(笑)
それでは本編をお楽しみください
シグマは子供をしっかりと捉え、手を離した
しかし矢は目の前で虚しく落ちるだけだった
力一杯引いているのになぜ?
シグマはもう一度弓を引き矢を放った やはり矢は目の前に落ちるだけだ
シグマは弓を撃つ時のフォームが大切だということ ただ力任せに引けばいいというわけでは無いことを、その時初めて理解した。
(奴らは俺に気付いていない)
シグマはもう一度矢を手に取った
(落ち着いて ゆっくり)
シグマが弓を引こうとした時 子供がナイフを取り出したのが見えた
赤髪の女性は気がついていないようだ
これ以上外すわけにはいかない
落ち着いていたシグマは急に焦りを感じ始めた
女性は鎧を身につけているため 頭部にしかナイフは刺さらない
子供はナイフを振り上げ女性の頭部を狙った
シグマは覚悟を決め 矢を強く握りしめた
そして横にあった大きな木箱に飛び乗りそこから さらに壁を蹴って高く飛び上がった
高い位置からやり投げの勢いで矢を投げ飛ばした
その矢は女性を狙う子供の胸に突き刺さる。
子供は小さな悲鳴を上げながら倒れ、狐の姿に戻った
その瞬間そこにいた全員がシグマの存在に気が付く。
赤髪の女性の相手をしていた 数十人の内の五人がシグマを囲んだ
「てめぇ何もんだか知らねぇが餓鬼のヒーローごっこで済まされる案件じゃねー事を教えてやらぁ」
斧を持った男達は一斉にシグマに向かっておのを振り落とした
「今の俺は結構強いぜ」
そう言うとシグマは地面から足を離した
するとシグマの体は隣にある建物の屋根まで飛び上がった
シグマはさっき高く飛び上がった時 矢を投げるだけでなく 弓の弦を屋根裏のフックに引っ掛けていたのだ
その弓を一旦消す事で 存在を隠し 飛ぶ時にもう一度弓を出現させた為、気づかれること無く飛べたのだ
シグマは屋根の上から男達を勝ち誇った目で見下し 矢を手に取った 男達はシグマに向かって怒鳴り立てている がシグマは気にしなかった
「何か技名があった方がカッコイイよな」
シグマが考えていると斧が飛んできた
それをかわしてシグマが叫んだ
「黙ってくらえ!風弓(手で投げるやつ)」
シグマの投げた五本の弓は全て命中した
「風のように速い弓と書いて 手で投げるやつ と読むんだぜ」
シグマは わざと急所を外し足に向かって矢を投げたため男達は生きていた
シグマは重要なことに気がついた
「……俺、降りれなくね?」
周りを見渡したが とても降りれそうにない
(ヤベェ……)
考えていると赤髪の女性も戦い終えて こちらに向かってきた
赤髪の女性はシグマの いる建物のしたに立つと冷静に口を開いた
「飛び降りて」
シグマは驚いた
「飛び降りろって こんなところから飛び降りたら俺死ん……」
女性はさらに言った
「私が受け止める」
シグマは それを分かっていた
でも男が女に受け止められるなんてカッコ悪くてとても飛び降りれなかった
「助けはいらないか」
マズイこのままだとこの人帰ってしまう
「分かったよ ちゃんと受け止めろよ!」
シグマは思い切って飛び降りた
女性は落ちてきたシグマ優しく受け止めた
(やっぱりだ)
シグマの顔は真っ赤だった
お姫様抱っこの形で受け止められたからだ
シグマは恥ずかしくて仕方なかったが 女性はなんとも思っていないようだ
女性はシグマを下ろし場所を変えて礼を言った
「ありがとう君のおかげで助かった」
シグマはさっきまでとは変わった態度で応えた
「俺はお前に二回も助けられてるんだ それに比べれば容易いもんよ あと礼はいらないぜ」
シグマは続けて話した
「それより名前を教えてくれないか?」
どうでしたでしょうか?
シグマには なるべく頭を使った戦い方をして欲しいなという筆者は考えています