前へ目次 次へ 98/115 漢 月が見えます。じい様の顔が見えます。猫が見えます。 「帰りが遅い!………どうしだんじゃ、その猫は………」 「拾ったんです」 藤崎さんは純粋なんですね。ベッド云々は置いといて。 「飼い主は?」 「見つかってないんです、じい様」 「そうか、それは丁度いい」 丁度? 「従妹の娘さんが来ておってな………」 猫さえ居れば生きていける、猫が好き。猫が居なければ死んでしまうと大袈裟な彼女は嫌いです。月一で来るんですから、憂鬱です。