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秘密の園
僕は護衛役として藤咲さんに付いていくことになった。
「ごめんね、私なんかに付き合って貰っちゃって………」
そうだよね、嫌だよ。僕だってさ、駄々こねられなければ帰っていたよ。僕には自由はないのか?当初は無垢な少年だった僕でもこれは我慢の限界だよ?
それにしてもネオンが増えている気がする。
「ここって?」
「お店だけど?」
商店街には見えない。無理をしても、百歩譲っても無理です。
「ここだよ、家」
ホテルですね、分かります。僕は帰らせていただきます。
「帰らせないわよ………イケメンくん」
僕は逃げだした。藤咲さんの手を振り払って。