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第一章【邂逅】①魔の森
警戒巡回中。
3人の男。
皆が、鎧姿だった。
先行していた1人が奥に目を向け、立ち止まる。
奥を見据えたまま、動かない。
それに気づき、後続の――リーダーらしき男が立ち止まる。
視線を辿った先を、月明かりが照らしていた。
――白銀。
男は留まれと、無言で指示する。
鞘に手をかけ、足音を立てずに近づいた。
女。
軽度な鎧を身につけ、剣を握っている。
だが、意識は無い。
襲撃の可能性を残したまま、男は女の剣を掴んだ。
反射は、ない。
剣を自身の背へ寄せる。
手袋を外し、首筋に指を当てた。
脈は弱い。
だが、生きている。
女の手から鞘を引き抜き、剣を納める。
一度、周囲を見回し、安全を確認する。
団員へ無言で合図した。
声は出さない。
ここは、危険だ。
女に視線を戻す。
連れて行け――眼で指示する。
後方にいた男が、女を肩に担ぐ。
白銀が、静かに揺れる。
リーダー格の男が、もう一度だけ辺りを見渡す。
そこは、不気味な沈黙を保っている。
来た道を戻りながら、男は女の持っていた剣を手に歩き出した。




