表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

魔人族 族長の宇宙 移民 独立 戦争

作者: 尾生 礼人

その惑星は死に瀕していた──

否、真に死に瀕していたのは、惑星ではなく、そこに住む生物だった。

 

全ての種族の代表 会議で、

"宇宙空間に居住用の巨大 人工 衛星を複数 建造、全ての種族が そこへ移住しよう"

との提案が出され、満場一致で可決された。


プラン発動後、9割の種族が ほぼ ほぼ 移住を完了したあたりで、人間とエルフ族が結託。

自分達だけが惑星に居座ることを内密に決定すると、巨額の建造費が かかる巨大 人工 衛星の建造 計画を中断。


当初の予定であった9つの衛星の建造は、7つ目の途中で止まった。


あおりを喰ったのは、七つ目の衛星に移住予定だったオーク族やゴブリン族、オーガ族の一部である。


彼らは人間とエルフ族によって土地を奪われ追い出され、かと言って、宇宙への移住も不可能と言う、八方塞がりな状況となった。


───


宇宙は、無数の宇宙ゴミや隕石、ときには巨大な小惑星まで飛来する危険な空間である。

惑星 地表に住んでいれば大気によって大幅に軽減される放射線も、ここでは強烈なままであり、また、水や空気などの入手も困難である。


でありながら、惑星上に居座った人間とエルフ族は、豊富な資源と強大な軍事力をバックに、人工衛星に住む他 種族への内政干渉を行い、また、作物などを安値で売り渡すことを強要した。


移住組と居座り組の間に争いが起きたのは、必然と言えよう。


───


「!」


魔人族の若き族長ソギーは、自らの執務室で我に返った。


「族長? いかがなさいましたか?」


「──いや、どうも しない……。

考え事をしたいので、しばらく 一人にしてくれ。」


心配する秘書にそう答えると、言われた通り、秘書は退室した。


(私としたことが、身内の手にかかるとは……)


ソギーは、独立戦争の最終局面──決戦の最中、疑心暗鬼に陥った弟アキーによって暗殺された。


勝利まで、あと一歩……。しかし、勝利と言っても、ギリギリのものとなるハズだった。


(司令官が死ぬと指揮系統が しばらくマヒする……。戦場では、一分 一秒どころか 半瞬ですら生死を分けるが、前線で指揮を執った経験のないアキーは、そのことを理解していなかったのだろう。

おそらく……私を暗殺した後、負けたのだな。) 


万一、移民軍が敗北するようなこと あれば、'時戻しの宝珠' が発動するようセットしておいたのが幸いした。

長命種である自らの寿命を9割も消費するが、移民 独立の ためなら、ささいな事だ。


(しかし──

あの苦労を、もう一度するのか……?)


最終局面までは、気の遠くなるような地道な作業を重ねてきた……。


派手なパフォーマンスから、一見すると格好いい!で済まされてしまう移民 会議 議長だが、イメージと実際は異なる。


これからの苦労を思い、さすがにウンザリしかけ──


(いや……

むしろ、問題点を見つめ直す好機か?)


前回は、とにかく必死で 全て手探りだった。


独立のために立ち上がろう!と叫んでも、人間とエルフ族の手によって植えつけられた劣等感は根深く、解消は容易ではなかった。


そこで思い余った挙げ句、移民側に選民思想を植えつけることで劣等感を解消しようとしたのだ。


'母なる惑星を いたわる心から、みずから危険な宇宙への移住を良し とした我ら移民こそ、優れている!

惑星に しがみつき、汚染し続ける人間とエルフ族──居座り組は老害であり、滅ぼすべき!'


と焚きつけたのだが、うまくいったようで 結果は忌むべき人間とエルフ同様の、鼻持ちならない上から目線の若者を量産しただけだった。


(敵対する衛星を破壊したのも、マズかった……)


各 衛星の指導層と それに おもねる半数 近い市民は居座り組とつるんでおり、惑星軍 艦隊の駐留も すすんで受け入れるなど、自らの栄誉 栄華にしか興味がなかった。

 

いったん 戦争が始まれば、'挙国一致' と称して、独立を望む市民たちにも反独立の戦いを強制しただろう……。


他の六つの衛星の内、独立に協力する意思があるのは、二つだけ。

それも軍事力を持たず、中立が限界だった。


魔人族の衛星は、総力をあげて強力な軍隊を作り上げたが、数で言えば居座り組の軍隊こと、惑星軍の5%程度でしかない。


そこへ、居座り組と つるむ四つの衛星が人材面・食料面・工業面で惑星軍を支援すれば、国力差は冗談抜きで千対一くらいとなる。

(軍に徴用されれば、医者は軍医に、運送業者は輸送部隊に、整備士は整備兵に、調理師は炊事兵に。徴用されなかった者も軍需物資の製造に従事させられる。)


喧嘩をする際、2対1でも(よほど腕前に差がなければ)勝ち目がないのに……だ。


倒す以外の方法を思いつかず、四つの衛星を破壊してしまったが、そのせいで せっかく それら四つの衛星から義勇兵として集まってくれた若者たちが復讐心から獅子身中の虫となりかねず、扱いに困っている内に、現場が捨て石に──すりつぶしてしまった。


(今回は、主だった戦闘を こちらで引き受けると ともに、出身者たちで構成された義勇軍を前面に立て、各 衛星の独立を促そう……。

他の戦いへの参加を求めず、各種 兵器を供与するなどの軍事 支援さえ怠らなければ、牽制の役には 立ってくれるだろう。

完全に占領して戦争 協力を強要するのは悪手だ。

ただ、居座り組がヤケにならないよう、自由 貿易は黙認しないと、だが……。)


前回、宇宙での戦いは完封したものの、居座り組は既得 権益への執着から敗北を認めたがらず、和平を行うはずが、土壇場で戦争 続行を表明。


結果、国力差から短期 決戦を目論んでいたのが あてが外れ、惑星へ降下。完全 制圧を目指す羽目になったのだ。


一般 市民の生活への影響は無論、略奪・暴行・殺人が頻発し、頭を悩ませること と なった。

(もっとも、大半は惑星軍 自らの手によるものだったが……。)


最終的には補給が続かず、惑星上から撤退。一部の鉱物 資源を確保できたことを除けば、ただでさえ乏しい国力をひたすら削っただけに終わった。


(……今回、惑星降下はナシにしよう。完全 勝利こそ望めないが、前回の苦戦や市民の損害を思えば、うまく行った所で悲惨すぎる)


───


宇宙 移住 歴108年。

魔人族が惑星 議会に対し、あらためて独立を宣言。

そして同時に宣戦 布告。

戦争は短期間、最小限の戦闘のみで終結し、宇宙 移民は独立を勝ち取った。

建造が中途で終わっていた七つ目の衛星は、他の衛星が総力をあげて完成させ、惑星上に取り残され貧苦に あえいでいた者たちを迎え入れた。

各 衛星に駐留していた惑星軍の艦隊は、基地 衛星に撤退。兵士たちの何割かは駐留していた衛星に根をおろし、帰化したと言う。

魔人族の衛星では、族長による臨時 独裁 体制から民主制へ移行。

元 族長ソギーは、みずからが率いる一派と その家族を ともない、遠く離れた小惑星帯へ移住。独立を見守る役目を みずからに課したと云う。


~fin~

某 国民的 ロボット アニメの戦略SLG(主人公が某 総帥のヤツ)から着想。


(スルーしてる/せざるを得ない、色々とアレな部分、やるか、やらないか、選択肢を選んで決められないかなー?)

とか、

(内容的に家庭用ではダメってんなら、成人向け/パソコン版で 出ないかなー?

……大昔なら、提○の決断とか、かなりヤヴァ目のも、あったし。)


などと期待してたのが──


(; ´_ゝ`)こりゃ、A級(永久)にムリそーだな……


と気づき……。


───


平和 路線(?)。


アニメ版 オリ○ンのラ○さんvs宇宙 戦闘機を見るに、序盤の性能比なら無血か無血に近い勝利も夢ではないのでわ?とも。


でも、ドサクサに紛れて強盗・婦女暴行に走る輩は、いくらでも いるので……。


戦争 自体が(※防衛戦は別として、)基本、悪手なんですがね。(まぁ……防衛戦に見せかけてからの~と、自作自演する手合いもいますがね……)


いっちゃん、いいのはMOEロボ大戦みたく、人も死なず、環境も汚染しない、VR戦争でしょーけど。


そも、オリンピックみたく、互いの実力を見せ合いっこ、各国 国民が外国をナメてかかるのを防ぎつつ、裏で宴会やって武官や外交官 同士の親睦 深めてホットライン形成するなら ともかく、武力で農地やら鉱山やら漁業権やら勝ち取るってのは、動物のやることで、人間としてアウトなんでつがね。


ま、どっちもどっちな段階での境界線とか水源に関する わずかな争いなら、(死活 問題までいかないことなら、)昔なつかし、相撲やら綱引きやらで決着も悪かありませんが。

(領主が争いの当事者たる二つの村の住民を呼んで、ご馳走と酒を出して、ただし、お互いに酒を注がせたりとかも あったそーな。)


よく、歴史とかで

『当時、大国の脅威が迫っていたため、国力をつけるためには、隣国の併合も やむを えなかった』

なんて言い訳が散見されるよーでつが、完全にアウトですね。

(同じ理由でも、自国が併合される側だったら、絶対に文句 言ってたろ、コイツら……)


フツーに同盟でも組んで、シッカリーニョ支援して、大国に対する『盾』に なってもらえba……

(゜Д゜#)やっぱ、自国 優先じゃねーか!

うわなにをするやめr

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ