出会い
「ありがとう」この感謝の言葉を心の底から伝えたのは20の冬のことだ。私は人生で初めて誰かに気持ちを伝え、そして失恋をした。傍から見れば一人の人間の一つの失恋に過ぎないありふれた出来事であるが、私にとっては人類が月に降り立ったことや火星への移住が成功したことでさえ霞ませてしまう出来事であった。
私が彼女に出会ったのは小学生の時である。彼女は2年生の時に私の学校へ転入してきた。それから月日が経ち、私たちが6年生の時に初めて彼女と同じクラスになった。これが私の中にある最初の彼女の記憶であり、可愛くて明るい女の子であるという印象であった。当時、彼女は多くの男子から好かれており、私もその一人であったのだろう。私の親友が彼女のことを好きだと知ったとき、私もまた彼女のことを好きだと気付き、自分の気持ちを押し殺したものだ。そして特に何もないまま私たちは地元の公立中学校へ進学し、ここで私は彼女をより好きに、愛するようになっていくのである。
私が再び彼女と同じクラスになったのは中学二年の春のことだ。私は心の中でガッツポーズをし、教室に入った。
「佐藤君、同じクラスになったね」
一通り友人と会話をした後に彼女に声をかけられた。
「そうだね、1年間よろしく」
もちろんポーカーフェイスで答えた。その実、枕に頭を埋めて叫びたいほどドキドキしていた。私は気持ちがバレることを恐れた、プライドだけは高い男であった。
ぼちぼち更新していこうかなと、初めて書いているので文章はゴミですね。