クリスマス記念SS 2022年 正体不明の贈り物
とある謎の場所にてーー
「やった・・・、ついにやったんだわ私!!」
何かを成し遂げたらしい女の、喜びに満ち溢れた声が響く。
女の姿形ははっきりと認識できない。少女なのか、大人なのか。着ている服の様子すらも。
女が両手で持ち上げているのは石である。しかし、その石はどこにでもある普通の石ではないと、一目見ただけで理解できるほど神々しく、虹色に輝いていた。
「あははははは!!」
女が鈴を転がすような声で笑い出す。そしてその石をスリスリと撫で回す。
その石をよく見てみると、女の右手が触れている方の表面の色は、どす黒く、まるで黒曜石を禍々しくさせたならば、このような見た目になるであろうと思えるほどである。また、左手の方も石自体が脆いのであろうか、こちらはサラサラと虹色の粉末が石から出ており、その手を極彩色に彩っている。
「あーっはっはっはー!!」
石を撫で回すのを止めたかと思えば、今度はいきなり石を胸元へ抱き寄せ、クルクルと踊り始めた。
虹色の残光が内側から外側に向かって螺旋状に向かっていく様は、まさに華麗なる一輪の花が開く過程のようである。花開いた一輪の虹色の花の周りには、無数の土塊や肉片、怪しく光る物体が散らかっていた。
ひとしきり踊って満足したのだろうか。
「ありがとう」
そう言って女は、その石を地面に置き、そのまま拾うことなく立ち去った。
虹色に輝く石の他には何もないこの光景を、遠くから人が見たならば、皆一様にこう思ったであろう。
ーープレゼントボックスが、あんな場所に置いてあるなぁ
と。
いや、一目見ただけでプレゼントボックスがあると断定できる物体が、あること自体想像し難いだろうが、あえてもう一度書こう。
ーーあれってどう見ても、プレゼントボックスじゃーん
バツン、バツン。
徐々に石の周りが暗くなっていく。
ーーバツン
そして世界が暗転した。
さぁ皆!!家に帰って「(例の)Carol of the Bells」を聴こう!!
特に、深夜に聴くと自分がどこか別の世界に行ってしまいそうな気分になるぞ!!
ダイスは持ったか?ケーキは無事か?
皆様良いクリスマスを!!
そして、良い異世界生活を!!




